高松こんまい通信

第38回 せとちゃんのお土産

2012.07.26更新

こんにちは、今井です。

ROOTS BOOKSから発行している島の雑誌『せとうち暮らし』がリニューアルする少し前、「この新聞を見た時に、"せとちゃんのお土産"のアイデアが浮かんだの!」と小西が粟島という島の新聞『あわしま』の話をしてくれました。
("せとちゃんのお土産"とは、『せとうち暮らし』と一緒にお届けしている島の人がつくった新聞やフリーペーパーのこと。島の人のご好意で分けてもらっているものなので、数に限りがあります。現在は『せとうち暮らし』のオンラインショップでご購入くださる方に優先して"お土産付き"をお届けしています)

海ホタルが見られることで有名な粟島は、人口289人(H22.10国勢調査より)の小さな島。粟島の人が島に住む人たちのために発行している『あわしま』は、B4サイズ、両面モノクロ、写真や挿絵も入った手づくり感のある新聞です。平成6年の5月に創刊し、今月で218号目。内容は、「海辺清掃」の案内や「ゴルフ大会」の結果発表、島に新しく住み始めた人の紹介など、島で今起こっていること、島の人に知っておいてほしいこと、がびっしりと丁寧に綴られています。

以前、『あわしま』編集長・中田さんにお会いしたときのこと。「持ちきれないから一部だけだけど」と見せてくれた『あわしま』のバックナンバーを前にして、鳥肌がたちました。わずか数百人のためだけにつくられ続けている新聞の束。「いつ、何が、"ここで"起きたのか。これを見れば島の歴史がわかる」。島の大事な記録です。「毎月発行するのは結構大変なんだ」とちょっと困った顔で、でも少し嬉しそうに中田さんは言います。

島の編集部は5名ほど。毎月編集会議を行ない、とぎれることなく発行し続けています。広報と一緒に届く『あわしま』を「一番最初に読むんや」という島の人の声が、中田さんたちのパワーになっているのだとか。

"島の一次情報"を届けたいと始まった"せとちゃんのお土産"。その土地で暮らす人に「知っておいてほしい」と地元の人がすくいとった"情報"は、その土地に行かないと得られないもの。小西が"せとちゃんのお土産"として届けたかったものです。

「小さな庭の手入れをしているかのよう」。以前小西が、香川で出版社をすることについて話した言葉を思い出しました。自分の暮らす土地の情報を丁寧にすくったり、掘ったり、時には剪定したり。日々の水やりや肥料は欠かせないし、雑草を抜いたり、虫がわいたら取ったりもする。地味で根気の必要な作業。そうやって誰かが自分たちの土地を見ているという証が「本」という形になって残っていく。毎日、事務所の観葉植物に話しかけながら水をやる小西の姿と、出版という仕事が重なりました。

ミシマ社ミシマガジン「高松こんまい通信」 第38回 せとちゃんのお土産

『あわしま』の記念すべき200号を中田さんが送ってくれました。(拡大画像はこちら


【粟島情報】

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海ホタル

〜海ホタル観察が体験できる宿〜
日本初の国立粟島海員学校跡地にあるル・ポール粟島では、7月〜9月の間、海ホタルを鑑賞できるツアーがあります。
ル・ポール粟島
三豊市詫間町粟島1418-2
☎ 0875-84-7878

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