高松こんまい通信

第43回 「100年サーカス」パワーの源

2012.10.11更新

第43回「100年サーカス」パワーの源

今年の11月3日、高松にサーカスがやってきます。仕掛人は、「高松こんまい通信」第12回に登場していただいた「サーカス堂ふなんびゅる」の田中未知子さん。

当時、高松での活動を開始したばかりだった田中さんが、1年余りで、地元の人を巻き込み、東京やフランスから「全国的に見てもレベルの高い」アーティストたちを呼び、ことでん仏生山工場(第40回参照)という魅力的な場所で、サーカスを開催することになりました。その名も、「100年サーカス」。

「フランス国立大道芸サーカス情報センター・オール・レ・ミュール」の日本でただひとりの特派員である田中さんは、高松で暮らしながら、フランス、東京、高松という3つの場所を柱にし、活動を続けています。

高松での主な活動は「千と一夜」という1〜2カ月に1度開催しているサーカスイベント。通常は、田中さんがスライドや映像を見せながら、フランスのサーカスについて語るイベントですが、時にはゲストアーティストが生でパフォーマンスを披露することも。

1年で、200人以上の人にサーカスの魅力を伝え、田中さんが瀬戸内で描いているビジョンを話してきました。「お客さんが数人の会もあったけど、毎回これ以上できないくらいに準備してやってきました」。この地道な活動を通して、田中さんやサーカスに興味を持つ人が増え、次第に仲間ができてきたと言います。

「千と一夜」を通じてできた何人かの仲間は、スタッフとして「100年サーカス」に関わっています。(第19回で紹介した、はたさんもその一人)また、「100年サーカス」では、14人の出演者のうち、3人が香川で活動をするアーティスト。他の11人は東京やフランスで活躍する全国でもトップレベルの人が揃っています。「香川と、東京やフランスのアーティストを比べると、経験や技術によるレベルの差はあります。でも、サーカスを瀬戸内でやる以上、ここの人たちが育たないと意味がないと思うんです。何より、『自分たちもやりたい』と言ってくれたことが大きかった。出演者はみんな、今までとは違う自分たちのステージを目指すため、必死で練習を重ねています。そのパワーが私にも伝わってくる。これが、新しいサーカスをつくる上でとても大事なことだと感じています」。

出演者はもちろん、地元のスタッフの多くは、昼間は仕事を持ちながら「100年サーカス」に関わっています。

「高松に来て思うのは、普通に生きている人がすごく可能性を秘めているということ。当たり前に会社と家を往復しながら、一方では、もう一つの顔を持って、自分の好きなことに没頭している。とにかく、その夢中になり方が尋常じゃないんです。限られた時間でどうやったの? と思うくらい周囲を巻き込んだ大がかりなイベントも平然とやってしまう。

確かに職業にはしていないかもしれないけれど、明らかに趣味の域を越えているんです。瀬戸内の地域芸能(例えば、第42回島のロバート・デ・ニーロたち?! 参照)を観たときも強く感じました。東京や海外で活躍する人たちと技術や経験の差があったとしても、その没入具合は負けていません。だからこそ場やチャンスによって、今まで眠っていたものが目覚めたり、1や2だったものが20にも30にもなったりもする。そういう環境をつくるのが私の役目だと思っています」。

香川にいながら、今までになかった、しかも世界レベルのサーカスに関われることが、地元のスタッフやアーティストにとってこの上ない起爆剤になっているのです。

2014年には、フランスや世界とつながりながら、創作サーカスを製作したり、フェスティバルを開催したりする総合サーカス発信基地「瀬戸内サーカスファクトリー」をスタートさせる予定です。なぜ、ここで? 1年前にも尋ねた質問ですが、より確信を持って田中さんは答えてくれました。

「この場所や人に自信があるから、瀬戸内を拠点にしています。ここだったら自信をもって、外の人においでって言えるんです」。


『100年サーカス』
日時:2012年11月3日(土・祝)1st 13:00〜、2nd 16:30〜
場所:ことでん仏生山工場
チケット:一般1000円 中高生500円(前売・当日共)小学生以下無料
チケット予約についてはWEBをご覧ください。

第43回「100年サーカス」パワーの源

提供:100年サーカス実行委員会

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提供:100年サーカス実行委員会


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