今週のミシマ社

この一節を、選んだ理由。(2)

2016.09.04更新

 以前の「今週のミシマ社」でも、ご紹介した石井ゆかりさんの『選んだ理由。』前回は書店員さんからのコメントをご紹介いたしましたが、今回はミシマ社メンバーからのコメントを2日間に分けてご紹介します。

 全7章あるうち、それぞれの章からメンバーのお気に入りの一節を、それを「選んだ理由」と合わせてどうぞ! 

4章「これじゃない」から(言い放たれたから)。―吉田さん@川端丸太町・ミシマ社京都オフィス【選者:池畑索季】

多くの人が、「やりたいこと」を探す。「何がやりたいか解らない」と悩んでいる。でも、本当に見つめていなければならないのは、「やりたくないこと」なのかもしれない。自分の中の「NO」を知っていることが、羅針盤となることもあるのだ。(p.132)


【この一節を選んだ理由】
学生の頃、「将来の夢は?」「やりたいことは?」と問われることがしんどかった。「選べる自由」が「選ばされる不自由」にすり替わっていた。そして、はっきりと自信をもって答えられない自分が情けなかった。
でもそうか、「やりたくないこと」からはじめればよかったのか。タイムスリップできたら、昔の自分に教えてあげたい。

5章「体験」の力。―赤井さん@梅田・カフェゆう【選者:渡辺佑一】

「できるようになってから、やる」という道筋をたどれることなど、ほとんどない。
 私たちは、できない状態のまま、新しい世界に飛び込んで、それで、できる自分に出会っていく。その出会いは、待っていても、誰かに頼んでも、つかめない。(p.155)


【この一節を選んだ理由】
私は35歳のときに「将棋が強くなりたい」と思い立ってプロの先生に習うようになったのですが、この「できる自分に出会っていく」という表現がホントにしっくりきたんです。ちょっとずつ技術が身につくたびに、自分の世界が広がっていく感じがするんですよね。勝ち負けより、そっちのほうがうれしくて。もう5年経ちますが今も勉強を続けています。


◆6章 「知りたい」から。―仲野先生@京都駅・ホテルグランヴィア京都【選者:岡田千聖】

「既にわかってしまったこと」で埋め尽くされた世界は、息の詰まる、夏休みの宿題のように閉塞的な世界だ。
 一方「まだわからないこと」のある世界は、魅力的で、きらきらしている。(P166)


【この一節を選んだ理由】
 石井さんの「まだわからないこと」に対する興味があふれているような一文に惹かれました。私も今の環境が「まだわからないこと」だらけなこともあって、石井さんに背中を押されたような気がしました。


◆7章 この世の「秘密」。―中川さん@川端丸太町・ソース【選者:星野友里】

「そっちを選んだ自分も、いた」と考えてみると、景色がすこし変わる。
自分はたまたま「こっちの道の担当」になっただけなのだ。向こうの道を選んだ自分もいて、そっちはそっちで、なんとかやっているのだ。
そうイメージしてみると、なんだかすこし、ラクな気分になる。(p224)


【この一節を選んだ理由】
私は学生のときの卒論のテーマが「選択する瞬間について」だったくらいなので、何かを選ぶことについてずっと考えてきたので、この本の全体がツボなのですが、そのなかでもとくにハッとしたところを選びました。

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2006年創業、「一冊入魂」をモットーに本作りを行う小さな総合出版社です。ただいま東京・自由が丘と、京都の2拠点で活動中。今週の出来事や刊行書籍のお話をお届けします。

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