ミシマガシネマ

 遡ること、2013年、夏。ミシマ社に突然ある旋風が巻き起こっていました。
 ある旋風とは......そう、インド映画旋風です。
 装丁家・矢萩多聞さんからオススメいただいたインド映画『きっと、うまくいく』に大感動した一同、興奮のあまりこんな特集まで組んでしまったのでした。

 ひとつの素晴らしい映画を介することで、こんなにもいろんなものを共有することができるのか!
 と感動し、今年2015年は映画をたくさん観ようと決意した、ミシマガ編集部・アライ。
 よく一緒に映画の話をするハセガワとヒラタも巻き込んで、ミシマ社映画部を結成しました(しかし一同あまり映画に詳しくないので、週1回は映画館に足を運ぶという恵文社一乗寺店・堀部店長に顧問就任を依頼)。

 ということで、これから毎月、上映中・近日公開予定の映画からそれぞれ「今月の一本」を持ち寄った、部室トークをお届けします!
 映画はただ好きなだけ、詳しくも何にもない初心者映画部なりに地道に活動してきます。
 気になった作品があれば、ぜひ劇場に足を運んでみてください。

2015年5月 今月の一本

2015.05.16更新

まずは、好きな映画と自己紹介

 いよいよ始まりました、ミシマガシネマ。
 第1回目ですので、まずは自己紹介がてら、好きな映画も添えて一言いきましょうか。

 部員のヒラタです。自由が丘で営業事務をやっています。
 ベタですが、好きな映画は洋画だと『アメリ』、邦画だと『ぐるりのこと』です。『アメリ』は、中学時代にあれを観てしまったら、もうフランスに恋をせずにはいられない。「こんな素敵な世界があるんや!」と10代前半にして衝撃を受けました。
 『ぐるりのこと』は、以前一度観たことがあって、そのときはなんとなく「よかったぁ」くらいで思ってました。でも先日、近くの映画館で再上映されていたので久しぶりに観てきまして。そしたら役者の演技から「演じている」感じがまったく感じられなかったんです。もうその人が実際にいるとしか思えない。自分の知っている人になってしまったように感じました。

 部員のハセガワです。自由が丘で仕掛け屋をやっています。
 私は洋画だと『アニー・ホール』が大好きです。初めて観たウディ・アレン監督の作品なんですけど、とにかく服がかわいいんです〜! ダイアン・キートンがシャツ+ネクタイ+ベスト、パンツを履いてるシーンが最初のほうにあるんですけど、それがめちゃくちゃかっこいい。そのシーンを繰り返し観るためだけに、はじめて映画のDVDを買いました。
 邦画だと、『となりのトトロ』かなあ。子どものころ、家にビデオ録画の機械がなかったから、金曜ロードショーでトトロが流れるのをとても楽しみにしていて......そういういろんな思いをして観た映画だから、すごく心に残ってます。

 ミシマガ編集部のアライです。基本的に京都にいます。
 私は邦画だと『横道世之介』が、何度でも観たい好きな映画です。吉田修一の同名小説が原作なんだけど、原作が小説である映画はほとんどの場合、原作のほうがいいと私は思ってて。けれどこの『横道世之介』は、まったく新しい世界を作り出したなあと感動しました。本当に美しくて、素晴らしかった。沖田修一監督の作品は全部観よう!と思いましたね〜。
 あとは導入にも書きましたが、『きっと、うまくいく』は出会えてよかった映画です。


う〜ん、どれもいいですね。観てない作品、すごく観たくなりました。


私の「今月の一本」はコレだ!


では早速、「今月の一本」にうつりましょうか。誰からいきますか?

 はい! では私から。私の「今月の一本」は、しつこいようで申し訳ないのですが、ウディ・アレン監督の最新作『マジック・イン・ムーンライト』です。
 1920年代の南フランスが舞台。コリン・ファースが演じる人気で高名なマジシャンが、友人から、知人がある占い師に惑わされているという話を耳にします。占い師の女性は「他人の過去が見える」と言っていて、しかもかわいいから、みんなその占い師の虜にされてしまうんですよ。しかしどうも怪しい。でも誰もタネを明かせない。そこでそのマジシャンに白羽の矢が立ち、占い師のトリックを暴くことを依頼され、彼女と出会って云々......という話です。が、とにかく衣装がいい! 全部着たくなる!

Photo: Jack English © 2014 Gravier Productions, Inc.



あははははは!


 私、予告編をいま初めて観たんですけど......もっと、こう、映画館に行く特別感が溢れた映画なんですよ〜〜!
 ウディ・アレン監督の作品は、最初にいい音楽が流れて、真っ黒の画面にクラシックな書体でクレジットが出ることで、一気にその世界に引き込まれる感じがするんです。この映画もしかり。ぜひ映画館で観てほしいです!

マジック・イン・ムーンライト
4月11日(土)新宿ピカデリー、丸の内ピカデリー、Bunkamura ル・シネマ他、全国公開
公式サイト magicinmoonlight.jp











 私の「今月の一本」は、『博士と彼女のセオリー』です。これはアライが先に観ていて、Skypeで「いい!」と絶賛してました(笑)。
 でも、本当に良かった! 音楽も美しくて、サントラも買いました。
 存命の理論物理学者、スティーブン・ホーキング博士とその奥さん、ジェーンの半生を描いた作品です。博士は学生時代に奥さんと出会うんですが、どんどん身体の筋肉が衰えていく筋萎縮性側索硬化症(ALS)という病気を発症してしまいます。研究者としてこれからというときに、余命わずかと宣言され、字も書けなくなってしまうんです。



 この予告編を観ているかぎり、素敵な奥さんと出会い、病にも負けず結婚して、奥さんの献身的な支えがあって論文も認められて......というような、よくある美しい夫婦愛を描いた映画なんだろうと思ってました。
 けど、いい意味で裏切られた。奥さんが介護疲れでだんだんやつれて、精神的に追い込まれていくなかで、妻を亡くしたいい感じの男性が現れたり......。
 愛だけではどうにもならないこともあって、それをお互いにわかっているんだけど、非難するのではなくて苦しいものをそのまま抱きしめるというか。どうしようもない優しさや苦しさが映画の中にあふれてるんです。


 このホーキング博士役の俳優、エディ・レッドメインの演技が本当にすごかった。もう博士にしか見えないですよね。ジョーン役のフェリシティ・ジョーンズもよかったなあ......。映画館出るときはハンカチがびしょ濡れになりましたね。見ながら嗚咽出た(笑)。

© UNIVERSAL PICTURES


博士と彼女のセオリー
公式サイト http://hakase.link











 迷ったんですが、私は『バードマン』を。
 マイケル・キートンが演じる主人公・リーガンは、昔スーパーヒーローの元祖「バードマン」として一躍国民的スターになった。けれどそれ以降はずっと、「バードマン」の名前にとらわれ、逃れることができないでいます。そうしてすっかり落ちぶれて、芸能界の端のほうで生きているリーガンが、再起を決意して、ブロードウェイの舞台を自分で主演・演出をしていく......というのが話の大軸です。


 予告編だけだと、映画『ロッキー』みたいに「何度でも立ち上がれ!」という情熱系かと思ってたんだけど、だいぶ違いました。これは見る人によって、面白いかどうかがすごく分かれる映画かなと思います。
 ただ本好きな人はすごく好きなんじゃないかなと思ってて、なんというか「直木賞じゃなくて芥川賞だな」と(笑)。「めっちゃ面白かった!」と人に激推しする感じではないけど、観てから「あのラストはどういうことだったんだろう...」とかずっと考えてしまいました。


なるほど、気になります......!


© 2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.


バードマン
公式サイト http://www.foxmovies-jp.com/birdman/


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いや〜、ぜんぶ面白そうな映画ですね。観たい。


こうして映画館によく行くようになって思ったんですけど、やっぱり映画館っていいですね。DVDより、劇場で観たほうが絶対いい。


映画館、通うところから始めましょう!


 次回からは、顧問・堀部さんも参加。そしてさらなる強力な部員も...!

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ミシマ社 映画部

2015年、映画をもっと楽しもうと、ミシマ社有志で発足。
ミーハーながらも、映画の面白さを共有できれば嬉しいなあと思っています。
たくさん映画観るぞー!

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