ミシマ社庭部

第6回 庭部、伐採する

2014.06.14更新

 こんにちは。庭部新人のマツシゲです。
 5月の終わりから真夏のような暑さが続き、ミシマ社の庭も、さらに緑が深くなってきました。前回ようやく芽が出てきたひょうたんたちもすっかり大きくなり、プランターも窮屈そう。そこで今日は、ひょうたんを庭の地面に植え替えることになりました。
 ナメクジやゲジゲジに遭遇しながら、土を掘り返し掘り返し。苗をひとつひとつ地面に移し・・・。無事、お引越し完了。

 養分たっぷりの地面に根を張って、ひょうたんたちも気持ちよさそう。一仕事終えてやれやれと思いきや、今日の任務はここからが本番なのです。

 なんといっても、「アレ」の存在を忘れてはなりません・・・。
 そう、あの毒ゴボウです。前回庭部の部員をおののかせた毒ゴボウは、ミシマ社の庭のすみっこで、部員たちの目を盗んですくすくと育っていたのです。
 すくすくすくすくすくすく。

 こんなに大きくなっておりました・・・。
 いつの間にか茎は3つに枝分かれし、いまや隊長の背丈を追い越さんばかりの大きさに。そして花のつぼみらしきものも見えます。庭の仲間にいれてあげるかどうかしばらく見守る方向だったのですが、そろそろ危ないのでは・・・なにしろ有毒ですし。
 ということで、

 「伐採するぞー! 」

 ながーい柄付きばさみをかまえたヒラタ隊長が登場。
 まさしく、「隊長 vs 毒ゴボウ」の図です。抵抗する素振りをまるで見せない毒ゴボウを相手に、ヒラタ隊長は、容赦なくその長い枝を切り捨てていきます。

 ガブッ。ジョキ。ジョキンッ。ふぁさっ。

 ジョキンッ。ふぁさっ。ジョキンッ。ふぁさっ。
 どんどん切り捨てていくと、最後には太い茎(と、土の中の根っこ)が。

「こうなったら根こそぎにしないとね!」

 ということで、毒にやられないよう軍手を装備し、スコップで根っこを掘り返すハセガワ部員とマツシゲ。

 ざくざく。ざくざく。ざく。

「・・・」

 ざくざくざく。ざくざくざく。ざく。

「ぜんぜん先っぽが見えませんね・・・」

 ざくざくざくざく。ざくざくざくざく。ざく。

「あ」
「取れた・・・」

「大きいねえ」
「ちょっと気持ち悪いんだけど・・・」

 みんなで遠巻きに毒ゴボウの根を観察していたそのとき、突然、シミズ部員が根っこをつかんで匂いを嗅ぎだすではありませんか。

シミズ隊員「(くんくん・・・)あ! ゴボウだ!! ゴボウの匂いですよ、これ!!」

ヒラタ隊長「えー?」

シミズ隊員「いやほんとですって! ほら、嗅いでみてくださいよ!」

ヒラタ隊長「えー。あっ、じゃあ」

「シミズさん食べてみてよ♪」

「シミズさん食べてみてよ♪」
「シミズさん食べてみてよ♪」


 しとしとと雨が降り出し、生ぬるく湿った空気に響く隊長の声。驚きのあまり、声にならない声を漏らすシミズ部員。そして、不安げに二人を見つめるハセガワ部員。

 そのとき、庭の横を、営業に向かうイケハタ氏が通りかかりました。

「あっ。イケハタくん!」
「はい? 」
「これ毒ゴボウの根っこなんよー」
「ゴボウ(の匂い)なんですよこれ! 」
「へえ~。あ、ほんとだ~ゴボウのにおいがする~」

部員一同「イケハタくん、食べてみてよ♪」

 本当に食べようとするかに見えたイケハタ氏を、慌てて止めるヒラタ隊長でした。
めでたしめでたし。

 というわけにはいかないのが、この世の常でございます。まだ続くのです。

マツシゲ「実は、みなさんにお伝えしなければいけないことが・・・」
隊長「ん? 」

 はい。わたくしマツシゲは、発見してしまったのです。

 庭のフェンスと社屋の外壁の間のドクダミたちに紛れる、新たな「アレ」を。
 見つけられましたでしょうか。

 そうです。毒ゴボウです。

「これは、まさか・・・」
「いやああああ!!! 」

 いったいどんなわけで、毒ゴボウが頻発しているのか。自然の摂理か、はたまた人為的な仕業か、まだ明らかになっておりません。しかし、この新たな毒ゴボウが、庭部部員を再び混乱に陥れたのは間違いないでしょう。

 毒ゴボウの絶え間ない侵略を受けるミシマ社庭部。ヒラタ隊長に度々毒を勧められ、生命の危機に瀕するシミズ部員。見守るハセガワ部員と、巻き込まれる、イケハタ氏。

 ミシマ社の庭を巡るサスペンス(?)ドラマ、次回、「忍び寄る影――もうひとつの毒ゴボウ」、どうぞお楽しみに。

(つづく)

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