ミシマ社庭部

第14回 庭部、電話する

2015.02.07更新

 こんにちは。庭部のハセガワです。今回久しぶりにこの記事を書くにあたり、私はあらためて、今までの記録を読んでみました。第1回でヒラタ隊長は次のように書いています。

――庭部とは、ミシマ社の庭に、ひょうたんや野菜や花を植えて、成長や収穫を楽しむ集団です。

 成長や収穫を楽しんだ記憶が正直ありません。そして、こんなことも書いてありました。

――朝晩うきうきと水やりをし、雑草を抜き、庭部の日誌もつくりました。

 ミシマ社に来てもうすぐ1年がたちますが、私は庭部の日誌なんてものは見たこともありません。殺伐とした庭、柿の木、たまにコケ...。
 なんていうか、いいかげん「ちゃんと」したほうがいいんじゃないかなあ、と思うのです。前回の記事にもありますように、去年の10月に植えた野菜たちが、芽は出たものの途中で成長が止まってしまい、ほったらかしになっているのです。
 とにかく、この子たちと向き合うことからはじめよう。でも、どうしたらいいんだろう?

 よくわからないけど、「農」っていう字がつくし...という理由で、とりあえず農協に電話してみました。

ハセガワ「あっ、こんにちは。えっと...私、ハセガワと申しまして、お庭で野菜を育ててるんですけど、成長が止まってしまって...。こういうとき、どうしたらいいのでしょうか?」
農協の方「はあ...」

 農協の方は、私のつたない説明だけを頼りにあらゆる原因を考えて下さり、様々なアドバイスをして下さいました。その中でなんとなく私が気になったのは、「冬場に水をあげすぎると寒くて凍ってしまうので気をつける」ということでした。

 農協さんを信用していないわけではないのですが、なるべくいろんな方の意見を、と思い、今度は種の袋の裏に書いてあった製造者さんに電話してみました。

ハセガワ「あっ、こんにちは。えっと...私、ハセガワと申しまして―以下同文」
製造者の方(私の説明を聞いて)「...うん、うん。あー、そりゃ、寒さだわ!」

 そうなんです。こちらの方にも、「寒さ」を指摘されたのです。
 通常、植物が育つには、種類にもよるけど10~15度は必要、とのこと。この寒さで野菜たちもちぢこまってしまったのではないか、ということでした。そして、たね屋のおっちゃん(←というイメージがぴったりのしゃべり方だった)は言うのです。

「植物は生きてっから」

 聞いたとき、私、結構ショックでした。こんなあたりまえのこと、忘れていたなんて。(毎日、さむいさむい、って自分、言ってるじゃん。あの子たちだって、そりゃそうだよ)
 なんだかちょっと泣きそうになりつつ、「あの、もうなす術はないのでしょうか...?」

「枯れてないんだったら、今のうちにあっためてあげれば、もしかしたら、春までがんばってくれっかもしれないねぇ~」

 おっちゃんの提案は、ビニールをかけてあげる、ということでした。ということで、わからないなりに、

 ...ビニールハウスを作ってみました。
 コケ部員のイケハタくんからは、「ビニールかける、ってこういうことなんですか?!」と言われました。私にもわかりません。そしてこの日、隊長から、「明日、雪が降るらしい」との情報が。カカシではなく、私が、全力で守ります。

(つづく)

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