ミシマガ・ミュージック

DE DE MOUSEは、ダンスミュージックのミュージシャンだ。しかし彼の音楽は夜のクラブを飛び出し、ライブハウスを席巻し、国内最大級の大型野外フェス「ライジング・サン」でも大観衆をノらせ続けている。時に、たったひとりで。近年ではイギリス、フランスをはじめ海外でもライブを重ね、最新アルバムのツアーでは初のワンマンライブを行い、大盛況を博した。

DE DE MOUSEの楽曲は、どこか懐かしいような、どこかで聴いたような、それでいて明らかに新しい、そんなワクワクするダンスミュージック。彼が注目を浴び続けるのには、どんな秘密があるのだろう? 彼のサウンドの一体何が、これほど多くの人々を虜にしてしまうのか。

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(聞き手:モリオウジ)

第3回 宇宙を駆けるイマジネーションで生まれた、DE DE サウンド(DE DE MOUSEさん編)

2010.11.30更新

すべては「次に行くために」

DE DE MOUSE - a journey to freedom

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『a journey to freedom』 初めてのセルフライナーノーツもついた3rdアルバム。アルバムタイトルと同名のナンバー「a journey to freedom」は早くもライブでもっとも盛り上がるナンバーのひとつに。

―― 初のワンマンライブで締めくくった、最新のアルバム『A journey to freedom』のツアーを終えて、今はどういう心境でしょうか?

DE DE確かに初ワンマンということで、チケットもSOLD OUTで、成功といえば成功なのですが、何かこれで一区切りついたという気持ちはあまりなかったですね。基本的にいつもライブやDJなどで現場にいるので、終わったと感じている暇もなかったというか。

―― これまでと変わらない感じですか。

DE DEいえ、『A journey to freedom』をつくっているときは、それまでの作品より色んなことを考えましたね。自分と音楽シーン、これからのこと、リスナーとの関係性などについて、すごく考えながらつくったアルバムでした。心境の変化は、最近になって、ラップトップを使ってひとりでライブをやることが多くなったことも影響していると思います。

―― apple storeでのインストアライブもおひとりでしたね。最初、ライブが始まっても椅子に座って聴いていた観客が、だんだん最前列から踊りだして、フロア全体が熱く盛り上がっていった。あの一体感はすごかったです。

DE DEDE DE MOUSEって僕ひとりだから、自分の力で立ってないといけない、という意識が強くなったんです。avexに来て3年経って、今回の『A journey to freedom』で、DE DE MOUSEというミュージシャンはこういうものだ、と明確に伝えられるものをつくりたかった。いろんな人に聞いてもらいたいのと同時に、僕は僕だ、というのを出したかったアルバムでした。

―― DE DEさんの音楽は、ジャンルで分ければダンスミュージックですが、NHKの子ども向け番組「みんなのうた」の『メトロポリタン美術館』をカバーしてみたり、非常に個性的です。DE DE MOUSEの音楽性を、ご自身ではどう考えていますか?

DE DEよく「キラキラ系」とか「ピコピコ系」といわれますが、僕自身はもともと、音のテンションが高くて、ハードで複雑なビートの音楽が好きだったんです。

―― そうだったんですか。

DE DEだから、テクノやドラムンベース、ブレイクビーツといったジャンルの大御所であるエイフェックス・ツインや、スクエアプッシャーといったアーティストに強い憧れを抱いていました。青春時代からずっと聴き続けて、いつかは自分もこういう人たちに追いつきたいと思いながら、音楽をつくってきた。でも、彼らを追い続けているうちに、「自分には才能ないな」とつくづく思ったときがありまして・・・。「追いつけないや」と、心の底から感じたときに、本当に自分の音楽が始まったような気がします。

宇宙で鳴り響いていた音楽たち

DE DE MOUSE LIVE - FACTORY "dancing horse on my notes"

―― 作曲はどうされてるんでしょうか。ポップスなどの場合だと、ギターやキーボードでコードを弾いて、歌詞をつける、というイメージですが。ダンスミュージック、DE DEさんの場合は?

DE DE曲づくりはすべてPC(Mac)を使ってプログラミングでつくります。どこでどういう音を鳴らし、ビートはどれくらいの速度で、というのを設計してゆく。
僕の場合は、曲の設計図が頭にぼんと出てくる場合が多いんです。ここにこういう音があって、ビートはこういう感じで乗ってくる、というのが出てくる。コードを鍵盤で鳴らしてみて、発想を練りながら、その設計図を当てはめていくイメージです。

よく夢で聴いたメロディだとか、町で歩いていて急に思いつくとか聞きますけど、そういうことはあまり考えないようにしています。がっつりパソコンに向かって、これはいける or いけないという感じです。

―― DE DEさんの音楽に共通する世界観として、「宇宙」がありますね。曲名しかり、ジャケットのアートワークしかり。ワンマンライブのときのMCで、以前ハッブル宇宙望遠鏡(宇宙の軌道上からさまざまな天体の写真を地球に送るNASAの望遠鏡)が老朽化して、地球に落とされることを話していたとき宇宙が好きなんだなと感じました。

DE DE宇宙そのものというより、どちらかというとオカルト的な方向で好きなんですね(笑)。昔から宇宙人とかUFOにすごく関心があって、幼少の頃から宇宙人や世界の七不思議について書かれた本を、恐がりのくせに読んでいました。

――宇宙は宇宙でも、そっち方面ですか。

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『tide of stars』 インストゥルメンタルの新人としては異例のヒットを記録した1st。「baby's star jam」は代名詞的存在のヒットナンバー。

DE DE「ダークマターが! スーパーノヴァが!」と友達に吹聴してました(笑)。「宇宙といえばDE DEくん」という印象をもたれてましたね。
ハッブル宇宙望遠鏡が撮った、いろんな宇宙の写真を見ると、映っているもののほとんどが地球の何十万倍もの質量だったりするじゃないですか。そうした途方のなさが好きなんですね。宇宙を通じて、想像力を働かせて観念的なことを考えるのが。そういえばエジソンも、晩年は死者と交信できる機械をつくってたなんていいますよね。

―― そうなんですか!

DE DE昔から、そういうちょっと怖いような、不思議な世界観が好きなんです。科学雑誌の『ニュートン』を見ては、そんなことばかり考えていました。思春期の頃は親にも「もっと普通のことに興味を持て」なんていわれてましたね(笑)。でも、何かをつくるには、時として誰も信じないものを信じる気持ちというのが必要だと思うので、今でもそういう気持ちは大切にしていますよ。

―― そうした宇宙に抱くイメージを、どうやって音楽に反映していくんでしょうか? 

DE DE言葉にするのが難しいですが、そうですね・・・僕が中学のときだから今からもう10年以上前ですが、深夜のNHKで、音楽と映像だけを流している時間があったんです。それで無人宇宙探査機ボイジャーが辿った軌跡を、CGでシミュレートしているのがあって。

―― あ、見たことがあります。

DE DE木星のガリレオ衛星群、噴火中のイオやエウロパを、ボイジャーの視点でめぐるのですが、そこに流れていたアンビエントミュージックに、衝撃を受けました。エイフェックス・ツインの『アンビエントワークス』や、マイク・オールドフィールドの曲もかかっていた気がするけど、その曲が何という曲なのかはずっとわからないままで。そういう音楽の思い出ってあるじゃないですか。どんなメロディーか口ずさめるのに、探せない曲ってありますよね。

―― とてもよくわかります。それで不意に出会ったりする。

DE DE前にNHKさんとお仕事させて頂いたときに聞いてみたんですが、もう当時の映像が残っていないそうで、結局、わからずじまいなんです。
もう探せないけれど、結局それが、今の自分の曲に出ているんですね。思い出したいから、それに近づいて、再現しようとする感覚というか。僕の場合はそうやって自分の音楽に宇宙というものが反映されています。

次週「自分の記憶の中にだけある音を求めて」に続きます!

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DE DE MOUSE (デデマウス)

宇宙の果てで鳴っていそうなシンセサイザー、夏祭りで耳にしたような、懐かしいメロディー。どこか懐かしい曲調。印象的で不思議な声は、時折、民族音楽を思い起こさせる。2007年にリリースされ、インストの新人としては異例のヒットとなった『tide of stars』から4年。2010年にはavexより3rdアルバムの『A journey to freedom』をリリースし、代官山unitで初のワンマンライブを敢行。今や日本でもっとも注目されるダンスミュージックのアーティストのひとりである。

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