ミシマガ・ミュージック

DE DE MOUSEは、ダンスミュージックのミュージシャンだ。しかし彼の音楽は夜のクラブを飛び出し、ライブハウスを席巻し、国内最大級の大型野外フェス「ライジング・サン」でも大観衆をノらせ続けている。時に、たったひとりで。近年ではイギリス、フランスをはじめ海外でもライブを重ね、最新アルバムのツアーでは初のワンマンライブを行い、大盛況を博した。

DE DE MOUSEの楽曲は、どこか懐かしいような、どこかで聴いたような、それでいて明らかに新しい、そんなワクワクするダンスミュージック。彼が注目を浴び続けるのには、どんな秘密があるのだろう? 彼のサウンドの一体何が、これほど多くの人々を虜にしてしまうのか。

前編はこちら

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(聞き手:モリオウジ)

第4回 自分の記憶のなかにだけある音を求めて(DE DE MOUSEさん編)

2010.12.14更新

スタートラインは、ひとりぼっちだった

―― DE DEさんが音楽をつくり始めたのはいつごろだったんですか?

DE DE音楽をやりたいと思ったのは中学生のときですね。みんながバンドをやりはじめる時期。エレキギターを教室に持っていったりして。
当時は、ピックを学校に持ってきているだけで、カッコよく見えたりするわけです。それで、ちょっと上手いやつが音楽室のフォークギターを弾いて「すげえな」なんていわれたりしているのを見て「くやしいな」と思って、自分でもやりだしたのが最初だったかな。

―― 懐かしいお話ですね。

DE DE家には父親のガットギターしかなかった。ネックが太いそのギターで、無理矢理コードをかき鳴らしたり(笑)。結局すぐに飽きてしまいましたが、その頃、都会に対する憧れが、ダンスミュージックとともに自分のなかで沸いてきたんです。TM Networkが小学校のときから好きで聴いていて、それと都会への憧れが結びついていきました。もともとギターの歪んだ音にあまり興味がなかったこともあって、中3ぐらいから独学でキーボードをやって、それで高校行ってから曲をつくりはじめました。

―― ミュージシャンを真剣に目指したのも、それくらいの時期から?

DE DEエイフェックス・ツインに出会った高校3年生ぐらいに決定的になりました。エイフェックス・ツインはいわゆる電子音楽のアーティストで、複雑なビートをプログラムして演奏するんですが、「音楽ってこんなに直感的につくっていいんだ」ということに気づいたきっかけになったんです。
それまで目立ちたい一心で音楽をやってたのが、そこで全部吹っ飛んだんですね。それから、音楽をアートだと思って、すごい頭でっかちに「自分自身が新しいジャンルをつくるんだ」みたいなことを考えていました(笑)。

―― 中学・高校のときって、オリコンで売れてる音楽を聴くのがふつうじゃないですか。音楽仲間とか、いましたか?

DE DEいや、あまり音楽仲間はいなかったですね。だからといって、好きなのを曲げてカッコつけてバンドに入る、というのも考えなかった。だから高校のときは、家でひとりで曲をつくっていました。学校から帰ったらすぐに、ずっと家で曲つくってました。具体的なバンド活動は、実際、avexに入ってからですね。

―― 今ではいろんなミュージシャンと交流があり、演出もすごいですよね。とくにライブではツインドラムが印象的です。

DE DEずっと好きなんですよ、ツインドラム。ベントレーリズムエースのライブ映像を20才くらいの時観てからかっこいいなと憧れてました。。バンドはまとめるのが大変ですが、クラブにライブハウスにフェスにと、プレイできる場所の可能性を広げてくれますね。

DE DE MOUSE - a journey to freedom

誰のものでもない、言葉でもない、そんな声

―― DE DEさんの曲のイメージには、宇宙のほかに、「子ども」のイメージがよく出てきます。セカンドアルバムの『sunset girls』では、影絵のような子どもたちが描かれたジャケットが印象的です。

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『sunset girls』 夏祭りに使われるような音楽の要素すらも取り込んだという、オリエンタルな魅力溢れる2nd。

DE DE子どもと宇宙は、最初からずっとあるイメージですね。子どもって、すごく未来があって、完成されていない存在で、そこに惹かれます。自分の子どものときの記憶を、音楽を聴いているときに思い出すのは、どうしてだろうとよく考えていたんです。ノスタルジーをイメージしたときに、そこに自然に子どもの姿が浮かびました。

―― そうなんですよね、DE DEさんの曲には不思議な懐かしさを感じるんです。どことなく昔夢中になったゲームサウンドにも似ているような気がします。

DE DEとくにゲーム音楽的な音を入れたい、とは思っていません。とくに1stはお金がなくて機材も買えなかったから、結果的にああなった(笑)。でも懐かしさを感じるコードみたいなのを入れてゆくのがすごく好きなんです。もちろん、自分の記憶のなかだけにある音で、実際にその音を聴くと全然違うんだけど、その懐かしさ自体に近い音を出すというか。懐かしさを音で表現してゆくとゲーム音楽にたどり着く、というのはあると思うんですね。

だから、子どものときにスーパーで鳴ってたフュージョンなども懐かしく思い出します。結果的に、自分の音楽がそういう昔聞いた曲につながっていった。意図してそうなったんではなくて、結果的にそうなったんですね。聴く人の耳に残っている、音の記憶みたいなものに近づいていきたい、とも思います。

―― なるほど。自分の耳にある音に自然に体が反応してゆく、それでノれる、そんな感覚なんですね。それはDE DEさんの楽曲の特徴である、あの不思議な声にも通じている部分なのでしょうか?

DE DE MOUSE - my favorite swing

DE DEあれは本当にいろんな表現をされますね。子どもだとか女性だとかいろいろです。あれは、もともとチベットやインドネシアの音楽を、切ってつなげて、サンプラーという楽器を使ってつくるんです。たとえば「スイカ」っていっているのを「カ」「イ」「ス」にして、さらにそれぞれに加工をしたら、言葉でも何でもない不思議な音が生まれる。どこの国かわからない、男なのか女なのか、そもそも人間なのかわからないけれど、普遍的な声をつくってみたかった。そんな声だからかみんなすごく反応してくれて。今では僕の楽曲のシンボル的な存在ですよね。

スタジオ・ジブリで、働かせてください!?

―― 大のジブリ好きとお聞きしました。

DE DEはい(笑)。

―― 何でも、『耳をすませば』が好きで、郊外の住宅街に合う音楽を常につくろうとされているとか?

DE DEそうなんですよ、『耳をすませば』が本当に好きで。高校2年生くらいのときに妹が借りてきてたビデオがきっかけで、その舞台が見たいと突然思い立って群馬から飛び出して行ったぐらいです。働きたいとすら思ったこともありました。でも今の歳からアニメーターはきついから、社員食堂とかで働けないか、とか本気で調べましたよ。

―― すごいですね(笑)。

DE DE僕にとって、あのあたりの郊外の住宅街が子どものときに自分が思い描いていた清潔な東京のイメージなんです。子どもの頃、東京は未来的なビルがいっぱい建ってて、きれいで、というイメージを持ってました。でも実際にはじめて行った新宿とかはびっくりするくらい臭くて驚いて。

―― わー、わかります(笑)。

DE DEそれでがっかりしたのを今でも覚えてますよ。そういうことがない、自分の夢のなかで見ていた東京の姿が郊外のニュータウンだったんです。だから、東京郊外のニュータウンは知らない道がないほどよく出かけて散歩していますね(笑)。いつも音楽を聴きながら歩いてるんですが、いつしか自分の曲もそんな純粋な都会のイメージがある場所で聴ける、ニュータウンの景色に合う音楽をつくりたいと思うようになりました。

―― 最後に、これからの活動について、どのようなお気持ちですか?

DE DE結局、音楽をつくって活動していくというのは、常に聴き手との距離感を感じながらの対話だと思うんです。最初のほうにお話した、自分の音楽に対するコンプレックスもなくなってきたので、聴き手との距離感をいろいろ遊んでいきたいなと今は思っています。聴き手を時に突き放し、時に近くに寄る。その縮図が、やっぱりライブだと思うんですね。とくに自分ひとりでやるときは、即興的なこともできるので、その距離感のコントラストをもっとつけていきたいなと思っています。これからの作品には、そんな聴き手と DE DE MOUSEとの間の、時に淡く、時にビビッドなコントラストを、どんどん反映していきたいなと思っています。

―― ありがとうございました! 今回はお会いできて大変嬉しかったです。またぜひ、ライブに行かせていただきます。

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これからもDE DE MOUSE、そしてミシマガ・ミュージックをよろしくお願い申し上げます。

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DE DE MOUSE (デデマウス)

宇宙の果てで鳴っていそうなシンセサイザー、夏祭りで耳にしたような、懐かしいメロディー。どこか懐かしい曲調。印象的で不思議な声は、時折、民族音楽を思い起こさせる。2007年にリリースされ、インストの新人としては異例のヒットとなった『tide of stars』から4年。2010年にはavexより3rdアルバムの『A journey to freedom』をリリースし、代官山unitで初のワンマンライブを敢行。今や日本でもっとも注目されるダンスミュージックのアーティストのひとりである。

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