声に出して読みづらいロシア人

主旨

「ロシア人の名前は何であんなに長ったらしいのか?」と、よく言われます。時にはもっと単刀直入に、「なんであんなに滑稽なのか?」とすら言われたこともある。

確かに、ロシア人といえば、「ドストエフスキー」「ムソルグスキー」「ゴルバチョフ」など、ゴツイというか愛想がないというか、そんな名前ばかり。

ですが、「グジェ」とか「ドヴァ」とか、「ルグスキー」なんて不可思議な文字列は、ロシア人の名前でも呼ばない限り、一生声に出すことはないはず。

だったらせっかくなので、読みづらいけど、大声で唱えてみよう。気分が晴れたり晴れなかったりするかもしれません。

本連載では、そんな怪しげな響きのロシア人名を厳選して紹介するとともに、その人物のプロフィールを解説。ロシア人の名前の仕組みについてもわかる。役には立たないが。

第1回 ガガーリン

2009.07.03更新

Юрий Алексеевич Гагарин

そもそも名前の最初が「ガ」って時点で渋いのに、そこにもう一つ「ガ」をつけてしまうところがいかにもロシア人。
彼が世界初の宇宙飛行士に選ばれたのは、その名前のインパクトと無縁ではなかったのではないかと、私は信じてやみません(彼と最後まで宇宙飛行士の座を争った人の名前は「チトフ」。弱そう)。


本名ユーリー・アレクセーエヴィチ・ガガーリン。
「地球は青かった」と言ったとか言わなかったとかいう、あの人です。

ちなみにロシア人の苗字について、ちょっと一言。
ロシア人の苗字の作り方のうち、母音「a」で終わる単語の場合は、「a」を「in」に変えます。
たとえば「プータ」(植物の一種)→「プーチン」、「スタルハ」(おばあさん)→「スタルヒン」という感じ。
というわけでガガーリンの語源は「ガガーラ」で、なんか海鳥の名前らしいです。

どんな鳥か知りませんが、ガーガー鳴く鳥なんでしょう、きっと。

宇宙から、ザーザーいう無線を介して「ガガーリン」が通信をする......まさかネタじゃあるまいな、ソ連宇宙局。

なんだかわからないままに「人類初の宇宙飛行士」と祭り上げられて、一時は精神的に不安定になったこともあったというガガーリン。
その後回復し、本格的に宇宙の勉強をしようとした矢先、事故死。
ある意味ソ連時代を代表する、劇的で悲劇的な人です。

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松 樟太郎(まつ・くすたろう)

「四面楚歌」をモットーとする編集者。
1975年、ザ・ピーナッツ解散と同じ年に生まれる。某大学ロシア語科を出るも、その後は特にロシアとは縁のない仕事と日常を送る。そのためロシアに関する知識が間違ってたらすいません。そろばん3級。
KYOTO的では、「マックスコーヒー1人旅Y」を連載。全国のファンに惜しまれつつ最終号を迎えた。

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