仕掛け屋だより

第3回 笑顔が、笑顔を。

2009.09.15更新

読者の方へ会いに行く企画、二回目の今回は、大阪の読者の方と会ってきました。
待ち合わせは通天閣
・・・なんで通天閣やねん!!
なーんて少々思いながらも、行ってまいりました、大好きな大阪へ。

今回は匿名ご希望なのですが、Iさん35歳、天王寺駅界隈にお住まいで、専業主婦をされておられる女性です。
暑い空気が停滞している残暑厳しい大阪。
最寄りの天王寺駅で降りて、通天閣目指して歩きます。
待ち合わせの目印は、Iさんは花柄ワンピース、わたしは水玉ワンピース。
花柄の人、花柄の人、とぶつぶつ言いながら歩いていると、ショートヘアーの、それらしき服を着た美しい女性が手を振っておられます。

「遠いとこ、ありがとうございます」
Iさんに、ホレボレするような気持ちの良い笑顔で、そうお迎えいただきました。

そのままIさんに連れられて、金色した大小さまざまなビリケンさんを横目に、ある串カツ屋さんへ入りました。
Iさん、お店に入ると直ちにビールを注文、串カツも
「串カツ、蓮根、アスパラ、あとドテもちょうだい」
と、リズムよくお願いしています。
おお、何かわからないけど、ひさしぶりの、姉さん!! というこの感じ。
こういう雰囲気についていくことが個人的に好きなので、にやにやしてしまいながら、お話をうかがいはじめました。

Iさんは先月まで、ある商社で主婦業をしながらバリバリ働いていたそうで、
「33歳のときかなぁ。ある日急に、なんもかもやる気を失ったときがあって。毎日毎朝眠くて仕方なくって、体が言うこときいてくれへんくて、仕事行かなあかんのに、無理になってしまった」
そんな状態が続き、ご自身で不安を覚えて原因を探る日々。

しかしいくら考えても、これという原因は思い当たらず、悩む弱い自分を受け入れがたく、精神的な苦痛を負うようになります。
元気なときは、毎日ご主人とお子さんを送り出した後、すぐに自分の仕度を整え出社していたのに、この頃は体がだるく、すぐに眠気が襲う。
仕事へ行くと、体の不調から集中できず、いまいち良い仕事ができなくなり、周りに誤解を生んでしまう。
主婦はいいよな、お気楽で、なんて言われ始める。

焦る気持ちとは裏腹に、どうでもよくなる気持ちも交錯し、精神科に通い始め、苦しい時期が2年くらい続いたある日のことでした。

「休みの日、家族と遠出した帰り、欲しい本があると子どもが言うので本屋へ行ったんです」
お子さんとご主人が欲しい本のコーナーへ行っているとき、Iさんは仕事がらみの本を探して店内をぶらぶらと歩いていて、ある一冊の本が目にとまります。

それが弊社刊、金井壽宏先生の『やる気!攻略本』だったそうです。

「装丁から、学生向けの本なんかなぁと眺めていたら、~自分の周りの物語を知り、モチベーションとうまく付き合う~、と書いてある。あ、これ読まなと、すぐ買って帰りました」

「その日から、しがみつくように本読んで、出した答えは会社を辞めること(笑)」
ええー!!? そうなんですか? そうですか、そっちですか!! と驚くわたしにIさんは続けます。

「わたしは、今何をすべきか、何を大切にしているのか、がむしゃらに働くなかで目的や希望を見失っていたところがあると気づいたんです。それに、自分自身の器の大きさも、過大評価しすぎて、周りへの配慮も忘れていた。
本を読んでわかったのは、家庭や精神状態の基礎力がグラグラな時、その上に成り立つことがうまく回るはずがないんだということ。あとがきの、金井さんからお子さんに向けて語りかけるように書かれたというエピソードもジンとしました。
自分のためにも、家族のためにも、基礎力からやりなおさないと。そうでないと本当に、わたしという人間はもうアカン。そう思って、旦那にも本を渡して相談しました」

ご主人も、話し合いの末、笑顔で後押ししてくれたそうです。
それから半年ほどして、Iさんは10年勤めた会社を退社、今はご家庭の専業主婦に。

「確かに収入は減ったし、子どもも育ち盛りで大変やけど、専業主婦になって三食きっちりつくってたほうが体が元気やし、家族も喜ぶ。子どもが家に帰ってくるとき、お帰りって言える。言えてる状態の自分に喜びも見出し、笑顔が出る。すると子どもも旦那も元気になる。それでわたしも頑張ろうとまた思える。結婚してからはじめて、わたし女やった! と当たり前のことを思い出して(笑)。こんなワンピース着るようになって(大笑)。いや・・・ふふ、ほんまあのまま仕事続けてたら男になってたかもしれません(大爆笑)」

髭が生える前で良かったです! と相槌を打ち、Iさんとわたしは乾杯したのでした。

大阪の熱気に元気をもらい、Iさんのサッパリとした笑顔に元気をもらい、なにやら、元気に生きられるってすごく幸せなことだと感じる時間でした。
自分も笑顔なら、周りの人も笑顔になる。
これって、とってもとっても大切なことだと思ったのでした。
Iさん、素敵な時間をありがとうございました!!

さて、次はどんな出会いがあるのでしょう。
読者の方とお会する旅は、まだ始まったばかりです。
楽しみに、笑顔でいきます。

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