新人だった。

第6回 大事なことは、ゆっくりと話してみる

2013.09.25更新

 こんにちは。

 朝晩はかなり過ごしやすくなりました。皆さんいかがお過ごしでしょうか。早起きが苦手な私でも、一年のうちの今の時期だけはわりにすんなりと起きられる・・・気がする。

 この時期は朝、ほんの少し肌寒いですよね。本格的に寒いのは苦手な私でも、肌寒いくらいなのはまだ心地よい範疇に入る。この季節がもう少し長く続けばいいのに、気づけば思っている以上に寒くなってるから困りものです。

 さて。
 先日、2020年のオリンピック開催地が東京に決まりました。もちろん乗り越えなければならない課題はたくさんあります。ハード面での整備であるとか、資金的にも他の開催地よりは有利とは言いつつも、そう簡単な話ではないだろうとか。でも、自国でオリンピックが開催されるのはやはり嬉しいものだし、ましてや東京でとなれば、東京で生まれ育ち今も暮らしている身としてはこの上なく嬉しい。時代背景が違うので全く同じとはいかないまでも、1964年の東京オリンピックが未だに語り継がれることを考えると日本も当面はこの話題で盛り上がるでしょう。いいか悪いかは別として。

 前回招致に失敗したときは今ほど国内世論も高くなかったし、オリンピックなんかきても、どうせお金がかかるだけでしょ? 的ムードが全体に漂っていて、かくいう私もあまり乗り気ではありませんでした。とはいえ諸手を挙げて反対するほどの熱意もなければ、諸手を挙げて是非とも我が国で、というような気持ちもなかった。多くの人と同じであまり関心がなかったというのが正直なところです。でも、いざ開催国が東京かイスタンブールのどちらかだ、となった段階で、こりゃどうせなら何とか東京にきてくれないものかと願ったのは私だけではないでしょう。

 2020年、東京の演出がどうなるのか今から楽しみです。日本の叡智を結集させ、世界中を魅了してほしい。素敵なクリエーターはたくさんいるし、若い才能もますます花開いてほしい。そしてとにかく自分も何らかの形で携われるよう今から日々研鑽を積みたいと思います。

 また今回は開催決定に至るまで、プレゼンターの存在がかなりクローズアップされました。多くのメダリスト達が前面に立って東京のPRに奔走していました。なかでも滝川クリステルさんの『お、も、て、な、し』の印象深さはピカイチだった。あの独特のリズムとゆったりさ。スピーチの特性上、伝わることが大前提になっているがゆえのスピードとアクションですが、みんなが真似したくなるような何かがそこにはある。

 アナウンサーという職業柄、どうやったら相手に自分の気持ちが伝わるのかということは日ごろからかなり考えている方だと思います。基本的にはテクニックよりも何よりも、伝えたいという気持ちが一番大事だというのが私の持論。 滝川さんの『お、も、て、な、し』だって、スピーカーの気持ちが聞いている人の心にそっと残していかれるからこそ伝わるものがあるわけです。だから今もこの持論は変わりません。

 でも一連のプレゼンテーションを見て、改めてその方法も同じくらい重要だなと思わされました。

 当たり前すぎて忘れてしまうところだった、何の技術も要らず、今からすぐに出来る方法。それは一つ一つの言葉を丁寧にゆっくり話す。ただそれだけ。あまりに基本的で「えっそんなこと?」と思われるくらい簡単なことですが、これは効果抜群です。

 わりと・・・いや、かなり早口な私としては意識するかしないかで大きく変わります。だから本当は立派な技術にカウントしたいくらい。もしみなさんの中に自分も早口で・・・という方がいらっしゃれば是非とも今すぐ実践してみてください。いきなりゆっくりにしたら、違う意味でインパクト絶大で、何があったのかと、耳を傾けてもらえること間違いなし!

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倉野麻里(くらの・まり)

上智大学数学科卒。2002年テレビ東京入社。WBS6年、夕方ニュースMC5年担当するなど、入社以来報道畑を歩む。座右の銘は『何かを始めるのに遅すぎるということはない』うどん、鶏肉、奈良漬が好き。趣味は散歩、料理、旅行。

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