ソラばーちゃん

第2回 愛嬌は、老けない

2013.11.08更新

 僕の辞書には、「愛嬌は、老けない」という言葉がありまして。
 若さや美しさは、年とともに衰えてしまうけれど、
 愛嬌は、衰えることはない。

 むしろ、年をとればとるほどに、育ってゆくものである。
 そう思うんです。


 一般的な辞書で調べてみると、
 "愛嬌(あいきょう)とは、あるものに備わった、かわいらしさ、ひょうきんで憎めないようす"とありました。
 比べて、
 "愛想(あいそう)とは、「愛想がよい」「愛想笑い」などのように、人にいい感じを与えるために示す態度や動作"
 ということです。なるほど。

 愛嬌は天然、愛想は計算、といったところでしょうか(笑)。


 『<彼女>の撮り方』でも書いたように、僕は女性というものに理想や幻想を抱き過ぎて、
 それらが崩れ去ったときに、天然なんてあり得ない! なんて女性不信に陥ったものですが、
 愛嬌というものは、人なら誰でも持っている当たり前のもので、
 憎めなさって、人との関わりにおいて、すごく大切なんじゃないかなって、思うんです。

 僕は、結婚して11月11日で八年目(!)になりますが、
 妻を見ていると、とても愛嬌のある人で、
 問題や失敗なんかすることも(たまに)あるけれど(まあ、僕のほうが断然多いですが)、
 まったく憎めないから、夫婦関係に亀裂が生じないんですよね。


「憎めないって、素敵なことだなあ」

 僕はまず、実家の愛知県のお隣の岐阜県まで、「ソラばーちゃん」を探しに行くことにしました。
 山間のひっそりとした町のなかで、早速。ぴょん!

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青山裕企あおやま・ゆうき

1978年愛知県名古屋市生まれ。2005年筑波大学人間学類(心理学専攻)卒業。2007年「キヤノン写真新世紀」優秀賞(南條史生選)受賞。
サラリーマンや女子高校生など“日本社会における記号的な存在”をモチーフにしながら、自分自身の思春期観や父親像などを反映させた作品を制作している。
著書は『ソラリーマン』『思春期』(ピエ・ブックス)、『スクールガール・コンプレックス』(イースト・プレス)、『〈彼女〉の撮り方』(ミシマ社)など。
好きな食べ物は、抹茶系全般とココイチのカレーと一蘭のラーメン。好きな動物は、ペンギン(グッズ収集家)。誕生日の覚え方は、「よい子(4.15)」。
長所は、晴れ男。座右の銘は、「愛嬌は、老けない」。

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