特集

Book! Book! Sendaiに行こう!(前編)

2011.06.22更新

BOOK! BOOK! Sendaiのパンフレット「6月の仙台は本の月」をキャッチコピーに2009年から毎年行われている「Book! Book! Sendai」。
5月26日(木) ~7月4日(月)までの約1カ月間、仙台市内を中心に様々な本のイベントが行われ、
県内外から本好きが集うイベントです。
今年のBook! Book! Sendaiのパンフレットには、こんな言葉が書かれています。

「今回の東日本大震災では多くの方が被災し、私たち実行委員会のメンバーもその当事者として日々を過ごしています。
 現在の状況、また、心情を考えると今年の開催は見送るべきだろうかと悩みました。
 しかし、同時に、いつもの自分たちの日常がとても大切なものであふれていることにも気づきました。
 街の中にある書店、図書館、ブックカフェなど、自分たちの日常がある場所を大切にしたい。
 そこには、本との出会いがあり、人とのつながりがあります。
 イベントを通して、そのことを確認し、伝えていけたらと思います。
 今、できることを話し合い、ここから、いろんなことが続いていく、そんなBook! Book! Sendaiを開催します。」

「本のある日常」を大切にする人が集うBook! Book! Sendaiを楽しもう!
 ということで、ミシマガジンではBook! Book! Sendaiのメインイベント、6月25日(土)に行われる一箱古本市に注目し、
本好き必見の個性的な本屋さんをお伝えする今回と、「仙台に来た方には見てきてほしい」と現地の方がおっしゃっていた被災地のレポート、全2回でお届けします。

(取材・文:林萌)


「仙台に来てくださいー」

きっかけは、一本の電話でした。

「ジュンク堂仙台ロフト店の佐藤純子ですー。地震で破損した本の返品をしたいのですが。」

「了解です。純子さん、地震はだいじょうぶでしたか?」

「わたしはだいじょうぶですよー。そうだ、いま仙台でBook! Book! Sendaiという本好きが集まるイベントをやっているので、もしよかったら来てください。」

震災後、東北のことが気になり現地に行きたいけれど、行っても何もできない。
ミシマ社としては、地震以降の社会に向けて、「地方での出版メディアの定着」をめざし、京都の城陽市にオフィスを設立するなど、直接的に東北とのかかわりはもてないでいました。

けれど、今回のイベントは本! 
「一冊」は必ず人を動かす、そんな一冊の力を信じるミシマ社が動かないではいられません。
というわけで、仕掛け屋・林がミシマ社の代表として、仙台へと赴きました。

そもそも「一箱古本市」って?

一箱古本市2005年に東京の谷中・根津・千駄木、通称「谷根千」と呼ばれるエリアではじまった、新しい古本市のかたち。地域に点在するお店の軒先を借り、その前でひとりが一箱の古本を販売するという、誰もが自由に参加できるイベントです。参加者がみかん箱サイズの箱、一箱に売りたい本を持ち寄って販売するので、好きな本を好きな価格で売れるし、何より買う人との交流が魅力。今では東京や福岡、愛知、鳥取、広島など全国で開催されています。ミシマ社は2009年4月、谷根千で行われた一箱古本市で出張ミシマ社というイベントを行いました。これがきっかけで現在の寺子屋ミシマ社がはじまりました。一箱古本市は、ミシマ社とも深い繋がりのあるイベントなのです。(詳しくは『一箱古本市の歩きかた』を! 南陀楼綾繁 著、光文社新書)


Book! Book! Sendaiに来たら、ここ! の本好き必見スポットを案内します

ジュンク堂仙台ロフト店佐藤純子仙台育ちの仙台大好き書店員さんであり、Book! Book! Sendaiの実行委員でもあるジュンク堂仙台ロフト店佐藤純子さん。今回は純子さんに本好き必見スポットを案内していただきました。純子さんは以前、書店員さんにお話を伺う「本屋さんの遊び方」でご登場いただいた、本が大好きな書店員さんです。と同時に、仙台の街を知り尽くしている方でもあります。
たしかに、「本と街」はふたつでひとつ(?)。一緒に知ってこそそれぞれの良さも深まるはず。
という思いを抱きつつ、本の街・仙台1日ツアーが始まりました。


仙台マップ

①仙台朝市

仙台朝市夜行バスなどで朝早く着いた人におすすめなのがこちら。
朝5時くらいから夕方16時くらいまでやっています(日曜は休み)。
採れたての新鮮な野菜やお魚がならび、威勢の良い声が飛び交います。


☆オススメスポット

かねもかねも

朝市通り入ってすぐ左にある、40年近くやっている駄菓子やおもちゃがならんでいるお店。
なんでも屋さんだそうです。舐めると色の変わる懐かしの飴「変わり玉」(525円)は、つくるのに実は10日もかかるとか。

かねもこちらで販売されていた「仙台まころん」。仙台ならではのお菓子なので、お土産にぴったりです。
「江戸時代にフランスから伝わったマカロンのおいしさを、日本で手に入る材料で再現するとき、アーモンドをピーナツで代用したのが、まころんのはじまり。表面はサクッと、中はしっとりのマカロンと比べて、まころんはサクッと溶けてなくなり、後にはピーナッツの香ばしさがひろがるのが特徴です。」(『ふきながし02』より)


ころっけやころっけや

朝市通りまっすぐ徒歩30秒、左手にある揚げたてコロッケのお店。
50年以上続いている、地元で愛され続けている安心するお味です。
純子さんオススメは、一個63円の「じゃがころ」です。


阿部鮮魚店阿部鮮魚店

「ころっけや」の向かいの突き当たり奥にあるお魚屋さん。取材したこの日(6/13)はちょうど、震災で被害を受けて休業中だった七ヶ浜漁が再開した日とのことでした。「いい雲丹が入ったよ」と店主の阿部忠司さんが見せてくれた雲丹は、 一個650円。純子さんオススメの魚は「ほや」。東北ならではの味わいだそうです。


庄屋庄屋

朝市通りの入ってすぐ左にある、新鮮な食材をつかった定食屋さん。
席数10席ほどのアットホームな雰囲気で、お値段も朝市丼、鮪丼、山かけ丼が500円と、とってもお得。大漁丼、雲丹丼は1000円。オススメはエビ、タコ、イカ、ホタテなどが並んだ朝市丼。食べ放題のお漬物とグレープフルーツも、新鮮でおいしいです。
営業時間 8:00~16:30



②ジュンク堂仙台ロフト店

ジュンク堂仙台ロフト店純子さんの勤めるジュンク堂仙台ロフト店は、常連さんからも「棚で遊んでいて楽しいお店」と親しまれている元気なお店です。ここジュンク堂仙台ロフト店と⑦book cafe 火星の庭、⑧stock gallery&atelier、⑫書本&cafe magellan(マゼラン)の4店舗では、「GOOD PUBLISIERS(通称グッパブ)」という各店イチオシの小さな出版社の本を置く企画を開催しています。グッパブの棚だけでなく、ジュンク堂仙台ロフト店はリトルプレス、東北の本棚も必見。ここでしか手に入らない書籍が並びます。純子さんオススメの一冊は「港の人」という出版社の『きのこ文学名作選』(編者 飯沢耕太郎)。「装丁に穴が空いていてつくった人の意気込みを感じます」。熱い本が並んでいます。

ジュンク堂仙台ロフト店
仙台市青葉区中央1-10-10 仙台ロフト7F/10:00~20:00  無休

③ポラン

ポラン可愛い看板の先にある、絵本専門店ポラン。
店主の増田家次子さんは33年前からあるこのお店で、21年、子どもたちに絵本を届けています。
「売るんじゃなくて、本を手わたす、という感覚を大事にしているの」と話す家次子さんの気さくで温かい人柄に惹かれ、常連さんが集うお店です。


④仙台銀座

仙台銀座南町通りを南に入った、昔ながらの飲み屋さんが連なる通り。
ちょっと裏に入ると、こんな通りもあるのです。


⑤三瀧山不動院

三瀧山不動院商店街に突然表れるこのお寺で奉られているのは、仙台市内の多くのお店で目にする「仙臺四郎」なる人物(「臺」は「台」の旧字)。朝市の定食屋「庄屋」でも飾られていました。江戸末期~明治35年ころに実在した人物で、彼がふらりと立ち寄るお店は必ず繁盛し、彼が抱く子どもは丈夫に育つということから、当時からもてなされていたようです。「水木しげるの『神秘家列伝 其ノ四』(角川文庫ソフィア)にも登場しているんですよ」と純子さん。

三瀧山不動院
仙台市青葉区中央二丁目5-7(クリスロード商店街)


⑥錦町公園

錦町公園ケヤキの生える青葉通りを抜け、イチョウが立ち並ぶ広瀬通りを越えると、今の季節とっても心地よい公園が、ここ錦町公園。
敷物を持って行けば、裸足になってごろんと地球に横になれる癒しスポットです。


⑦book cafe 火星の庭

book cafe 火星の庭定禅寺通り沿いにある火星の庭は、今年開店12年目。アート、絵本、文学などを中心に
セレクトされた本が並ぶ、目の肥えた常連さんが集う人気のブックカフェです。
柔らかな光射すカフェ空間は、はじめて来た人でも落ち着いて過ごせます。
店主の前野久美子さんオススメグッパブの龜鳴屋の本は、ぜひチェックを。
ヨーロッパで知ったブックカフェに魅せられ、お店を始める決意をした前野さん。
その奮闘の日々を書いた『ブックカフェのある街』(仙台文庫)も必読です。

book cafe 火星の庭
仙台市青葉区本町1-14-30 ラポール錦町1F 11:00~19:00 火水定休

⑧stock gallery&atelier

stock gallery&atelier小さい看板のみの案内で、お店にたどり着く難易度はかなり高めのお店です。小冊子「ふきながし」の発行と、ヨーロッパで買いつけた古道具、紙もの雑貨、リトルプレスなど選び抜かれたものが揃っています。奥のソファー席ではホットサンド(400円)、ホットケーキ(500円)といった、軽食なども食べられます。グッパブは山、旅、ファッションのジャンルから、エッジの利いた本が並んでいます。

stock gallery&atelier
仙台市青葉区一番町1丁目12-7 中川ビル201 土日13:00~19:00のみ営業

☆サンモール一番街

サンモール一番街一箱古本市が行われるメインストリート。
アーケードがあるので、雨の日でも大丈夫です。
6月25日(土)には、仙台中の本好きが集結し、一箱古本市で本を売り買いします。
仙台の方と直接話せるこの機会に、本好きトークをしに来ませんか?

サンモール一番街
一箱古本市は11:00~17:00


⑨野中縁起神社

野中縁起神社サンモール一番町の南側を西に入り、道なりに進んだ先の奥にある神社。
6月25日には、佐藤純子さんが手づくりのおみくじを販売します。

野中縁起神社


⑩金港堂本店

金港堂本店地元の常連さんが通う、創業101年目の老舗書店。
昔ながらの看板や内装が、いい味をだしてます。
仙台に関する書籍の多さは、仙台随一。
仙台の歴史が知りたかったら、ぜひこちらに。

金港堂本店
仙台市青葉区一番町二丁目3-26 9:15~20:00


⑪クラックス「+R」

クラックス「+R」アンティーク、紙もの、雑貨に古本、そしてスイーツ。仙台の個性的なお店が集まっている蚤の市「+R」。
6月26日(日)には、「未来に届ける本づくり」と題し、本(書籍)の企画から編集、制作、流通までをトータルに行なう「出版者」になることをめざし、本とは何かを考えながら、新しいかたちの本づくりを実践するワークショップを開催。
残席わずかなので、ご予約はお早めに。詳しくはこちら


日時:2011年6月26日(日)13:30~17:00
場所:クラックス3階 +R会場内
定員:20名
受講料:3000円
申込方法:下記アドレスに「出版者ワークショップ参加希望」とお書きの上、お名前、連絡先(メールアドレスと電話番号)、参加人数 をお知らせください。info@bookbooksendai.com

講師:南陀楼綾繁(なんだろう あやしげ)
ライター・編集者。古本、新刊、図書館、ミニコミなど、本に関する事ならなんでも追いかける。「不忍ブックストリートの一箱古本市」発起人。
「出版者ワークショップは、個人で本づくりと流通を行うしくみを考える場です。盛岡に続いて仙台での開催です。今回は、塩竈市出身の編集者・丹治史彦さんがこれまで手がけてきた仕事について、じっくりと話をお聴きします。本に興味のある人なら、誰でも参加できますので、ぜひ!」

ゲスト:丹治史彦(たんじ ふみひこ)
2003年設立したアノニマ・スタジオでは2009年までに約90点の本を編集。2010年、信陽堂編集室として活動開始。2011年5月に発刊した前川秀樹・著『Zuhre』は、本好きの間で話題に。
「10代で出版の世界にもぐり込み、そのまま気がつけば20数年たちました。その間に出会った人たち、影響を受けた人たちのこと、作ってきた本のこと、 本と出会った街・仙台のこと、小さな出版の可能性などなどお話し出来たら、と思っています」


⑫書本&cafe magellan(マゼラン)

書本&cafe magellan(マゼラン)もうすぐ創業5年目を迎えるマゼランさんは、晩翠通りの路地奥にあります。
思想、美術など人文書がメインのお店。グッパブで挙げている赤々社、思潮社、洛北出版の3社の本は必見。
美術系が好きな方は、店主高熊さんに聞くと、お店から売れたら困る、とっておきの一冊の本の話などいろいろ教えてくれます。
コーヒー(400円)を飲みながら、カウンターで、長居してしまいそうなお店です。

書本&cafe Magellan(マゼラン)
仙台市青葉区春日町7-34 10:00~20:00(土日~19:00) 火曜定休

⑬なんかんや

なんかんや純子さんのお知り合いでミステリー小説好きの店主、新関さんのお店。
本格焼酎と宮城の地酒が揃っており、旬の食材を使った刺身は絶品です。
とくにホタテ焼がおすすめです。お店の左手奥にある「なんかん堂」と看板の掛かった棚。
こちらは新関さんが以前一箱古本市に参加した際使った屋号で、現在はご自身が読み終わった本を置き、お客さんが勝手に持って行って良い棚になっています。
一箱古本市で買った本を片手に、おいしいお酒を一杯、いかがですか。

なんかんや
仙台市青葉区国分町2丁目4-22 17:00~24:00?おやぢのヤル気次第
定休日:日・祝日

Book! Book! Sendaiにはイベントが盛りだくさん

仙台のお勧めポイントをざっと見て参りましたが、ほかにもBook! Book! Sendaiにはイベントが盛りだくさんです。
ぜひHPをチェックしてみてください。

次回は仙台に来たら行って見ていただきたい、被災地レポートです。

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