今月の特集1

 毎日、わたしたちはいろいろな紙に触れて生活をしています。トイレットペーパーしかり、仕事の書類しかり、もちろん、本だってそう。いつもそこにあることが当たり前のように感じていますが、実は紙にも、ほんとうにたくさんの種類があるんです!
 凸凹があるものやツルツルなもの、熱を当てると、一部が溶けて色がかわるものなどなどなど・・・。たとえば本は、紙が違うだけで全体の印象がまったく別の物になります。そう考えると、か、紙って偉大・・・!!

 そんな偉大な紙のことをもっと知りたくて、うずうずしていたミシマ社一同。もう、これは紙屋さん(製紙会社さん)に直接うかがおう! ということでなんと、製紙工場に突撃してきました!

(突撃者:三島邦弘、矢萩多聞、いわながさとこ、新居未希 文、写真:新居未希)

突撃! 製紙工場 〜紙版「みんなのミシマガジン」の「あの紙」ができる瞬間を追いました〜

2013.11.13更新

 第1回の昨日は、王子エフテックス株式会社さんの富士にある製紙工場・第一製造所へおうかがいしました。王子エフテックスさんは、創業から140年もの歴史のある王子ホールディングスさんのなかでも、とくにファンシーペーパー(本の表紙やノート、包装などに使われる特殊紙のこと)をつくっている会社です。
 さてさて第2回の本日、一同はもうひとつの工場・富士製造所へ。

 なんと、出迎えていただきました! 感激!

 こちらも大きな機械が! (紙の作り方はほぼ変わらないので、流れは割愛します)

 第一製造所で見たものよりもひとまわりほど機械が大きいので、巻き取りのときもさっきよりも大がかり。

 おおきなクレーンを使います。うーん、すごい迫力!

 そして工場内を歩いていると、こんなものを発見しました。

 ん? な、なんだこれは......?

 近づいてみると、大きな筒状のものに、いろんな模様や文字が書いてあります。

 じつはこれ、紙に模様を押すための型なのです!

 たとえば「ポルカレイド」という紙のように、紙に縦縞模様が入っていたり、紙が全体的になにかの形でへこんでいたりする紙などは、このロールたちを使って柄付けされているのです。
 百貨店の包装紙用にお店の名前がはいったものや、名探偵○ナンの告知用のものまで、ほんとうに様々! 見ているだけでも1時間は潰れそうなほど、たくさんありました〜。
 だいたいひとつのロールを作るのに数百万円ほどのお値段がかかるそうですが、もし作りたい! という方がいらっしゃれば、いつでもご相談くださいませ。

 ちなみにこの型、紙をつくるどの過程で押して柄付けしているのかというと・・・?

「今までの流れをみていてもそうですが、紙をつくる過程にはいろいろなパートがあります。たとえば『ポルカレイド』の場合は、まだ紙になりきっていないパートのときに、凹凸のあるロールで柄付けしているんですよ」

 ほほう。ということは、紙によって、ロールで柄付けするタイミングは違うのですか?

「違いますね。早い段階に柄付けすると、まだ紙の水分量がかなり高いときなので、なかなか模様がつかないんですね。後ろの過程の方だと、紙のなかの水分量がだいぶ減っているので、あとがつきやすい。なので早い段階で柄付けすると、自然な風合いになりますね」

 なるほど! 紙の風合いにあわせて、柄付けするタイミングを変えているんですね。

 う〜ん、かっこいい。三島さん、ミシマ社マーク入りのロール、いつ作りましょ?


手漉きにチャレンジ! 編

 そういえば、紙は紙でもいろいろなものがありますが、たとえば開発途中に試しでつくるときは、いま見学してきたような大きい機械を動かすわけではないですよね?

「そうですね、手漉きでやっています。この機械をぎゅっと小さくしたようなミニチュア版のものがありまして、そういったもので色を見たりですとか、いろいろと試しながら商品開発を進めているんですよ」

 ・・・手漉き、おもしろそう!
 ということで、わたしたちも手漉き体験をさせていただきました!

 まずは紙の「もと」を作るために、原料である白いパルプの液のなかに、色(染料)などを足していったりします。たとえば「ブンペル」では、新聞や雑誌などの古紙やダンボール古紙を粉砕したものが混ぜられていて、それが紙のなかにあるつぶつぶになっているのです。

 それぞれ思い思いに、色を混ぜてみました。

 そして次は、いまつくった液体を漉いていきます。その手漉きの機械がこちら。

 ち、小さい! こんなに小さなもので、紙が作れるんですね。
 この小さな機械、ぱかっと開けれるようになっていて、

 開けると編み目状になっています(この写真の、緑色の紙の下の部分)。
 機械でいう「ウェットパート」という、水分量がとっても高い部分のところです。この編み目に紙の繊維がのこって、紙が形成されるのです。

 のこった繊維にこの機械で圧縮をかけ、水分をぬいていきます。

 最後は高温の機械で乾燥させて、完成!!

 じゃじゃーん。それぞれ、オリジナルの紙を作りました。う〜ん、うれしい...!

 最後は、富士山をバックに集合写真。


 大きな機械や紙の作られていく過程に、一同大興奮でした。
 そしてなによりも、工場で働くみなさんの「アツさ」がほんとうに素敵!
「パルプって...」「針葉樹って...」「あれは何ですか?」「これは?」といろいろと質問しまくるわたしたちに、すべて親切に(そして紙への愛を持って)ご返答いただき、「ふだん私たちが接している紙は、こうやって人の手を渡って作られているんだ」と改めて実感しました。
 紙って、ほんとうにおもしろい!
 そのことに気がつくと、すこし世界が変わってみえるかもしれません。

 王子エフテックスの河村さん、中野さん、工場のみなさん、ほんとうにありがとうございました!

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