今月の特集1

特集1
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 4月22日、ミシマ社より『健やかに老いるための時間老年学』(大塚邦明著)が発刊しました!
 元気に老いていくためには、からだのなかに存在する生体リズムを整えることが重要。
 その根拠と実践方法を、医学的根拠に基づいてお届け・・・と書くとなんだか難しそうに聞こえますが、ノンノン、まったくそんなことはありません。
 読みものとしてもおもしろいのはもちろん、大塚先生の優しい語り口にするするページが進みます!

 そしてなんといってもぜひ、「働く人たち」に読んでほしいという切実な思いがあります。

 なぜなら・・・。
(右図参照)
 こうなるからです(きっぱり)。

 けれど早く帰ることができなかったり、3食しっかり食事を取るのが難しいお仕事もたくさんありますよね。
 実際に働いている人たちは、仕事と身体のバランスだったり、健康のことだったり、どんなことを考えているんだろう?
 そう思い、株式会社はてな・社長の近藤淳也さん、フリーランスでデザイナーをされている矢萩多聞さん、PHP研究所で編集者として働かれている小笠原綾さんにお話をうかがいました!

 働き方、そして社長・フリーランス・会社員という立場もまったく異なったお三方から、いったいどんな話が飛び出すのか?
 はてなのまかないランチ(取材当日は、新ジャガまるごとオーブンとスナップエンドウのカレー・大根ときゅうりの和風ピクルスサラダでした!)をいただきながらお送りします。

(構成:新居未希、市道野愛 写真:新居未希)

働くからだ 矢萩多聞×近藤淳也×小笠原綾

2014.04.26更新

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身体に合わせて工夫する

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矢萩小笠原さんは、会社員として月~金曜日までコンスタントに働き続けなくてはいけないと思うのですが、そのあたりのバランスはどうしているんですか? うまくいかない日に「今日は寝る日!」ともできないでしょう?

小笠原あ、でもたまにやります。

矢萩えっ!

小笠原たとえば月曜日に「あー今週ダメだ」ってなったら、「明日休みます」とか。

近藤大丈夫なんですか、それは(笑)。

小笠原うーん、やっぱり会社って「立場が上の人が寝ていたら自分たちも寝やすい」みたいなところがあるように、ある程度信頼関係が成り立ったうえで「自由にやっていいよ」って言ってくれてると、こっちも信頼を裏切らない程度に自由にできるというか。

近藤うん、うん。

小笠原毎日毎日会社行って大変、っていうイメージが会社員にはあると思うんです。まあ大変だと思えば大変ですけど、その中で自分が心地よく仕事ができるように工夫していくことは、会社員としての1つの責任みたいなものじゃないかと思っていて。

近藤なるほどね。

小笠原私は、そのためには自分の身体をよく知ることが重要なんじゃないかと思っています。会社組織の仕組み自体は変わらないけど、人間の身体っていうのは毎日違う流れで生きてるから、日によって変えていくのがいいと思う。「今日は頭が痛いからこまめに休憩を取ろう」「今日はイケるから、どこまででもいこう!」とか、身体に合わせてちょこちょこ工夫してますね。


自分で動くからこそ見えてくる

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小笠原たとえば、「寝たい」ということはもしかすると、「休みたい」っていうことかもしれないですよね。寝る以外でもお散歩するとか、温かいタオルで目をあたためるとか、休み方もいろいろあると思うので、その日によって自分に施すレシピを変えるというか。やらなきゃいけないことがあっても身体が動かないときは、先に身体を整えてからそれに向かおう、という感じですね。

近藤たしかに、「会社にいるときは机に向かってひたすら仕事をせねばならぬ」みたいな思い込みが減れば減るほど会社でも楽になりますし、会社に行くまでも楽になりますよね。「それでいいんだ」って思うと逆に行けるようになったり。

矢萩うんうん。

小笠原私は、色々試してます。集中力なくなったら立って資料読んでみたり、ペン変えたりとか、ほんとにそういうちっちゃな工夫なんですよね。

近藤その自由にできる範囲っていうのは、会社的にはどこまでOKなんですか? 散歩はいいけどカフェでコーヒー飲むのはダメ、みたいなギリギリのラインってあるじゃないですか。

小笠原そのラインがわからないなら、逆に聞いたらいいと思うんです。「今とてもつらいので散歩してきてもいいですか?」っていうのは、自分の身体を観察して、自分で動くからこそ見えてくることだと思うんですよね。それに、「いま凄く吐きそうなんですけどトイレ行ってきていいですか?」って聞いて「ダメです」っていう人はあんまりいないと思うんですよ。

近藤それは、いないですね(笑)。

小笠原人間関係というか、「自分は今こういう状態なのでこうさせてほしい」って言えることは、お互いのためにもいいことなんじゃないかと思うんです。ダメだったら「じゃあこれはどうですか?」って変えていくみたいにして。

矢萩小笠原さん、すごく、大人ですね・・・。


「私、会社でよく泣くんです」

小笠原楽しいことだけじゃなくて、嫌だ・困った・悲しい・怒ってる、みたいな感情も、会社でちゃんと表現できたらいいなあと思います。私、会社でよく泣くんですよ。

矢萩え!

近藤大丈夫ですか? さっきから色々心配になるなあ。

小笠原本当ですか?(笑)

矢萩でも、泣けたほうがいいかもしれませんね。

小笠原会社にいるときって、ある程度自分を外向き用に設定してると思うんです。でも、そうすると「本当はこうしたい」っていうのが押し込められてしまうと思うので、それをうまく出してあげるのが必要かなと。

矢萩いい職場ですね。そういう人が存在していいことになってるという。

近藤すごく人間的。

矢萩小笠原さんは、何事も巻き込まれずに外から見ているタイプですか?

小笠原そうですね〜。外から見ていることが多いです。そういう冷静に客観視している人も必要かな、と。

近藤すごい。でも、いい勢いでガーッとなっているとき、外から見ているのって寂しくはないですか?

小笠原あ、そういうときは巻き込まれます。いやなときはひょいって逃げる(笑)。

近藤ええっ! すごい、なんですかその能力。いや〜見習いたい、教えてほしいです・・・。

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寝ることは大事だ!

近藤そういえば僕、むかし21時寝5時起きをやってたんですよ。

矢萩いいですね。

近藤なんかすごい意識高いとき(笑)。

小笠原あははは。

矢萩そのときはなんか違いました? 仕事のテンションとか。

近藤違いますね〜。最初にそれやったのは大学受験のときだったんですけど、そのときは勉強がすごくはかどったんです。だから仕事でも気合い入れていくときはだんだん前のめりになって、早寝早起きするんですけど、いつの間にか「まあいっか〜」って元通り(笑)。

小笠原あはは。

矢萩なるほど。僕は、今夜中にやらなきゃいけない仕事があっても「今夜はどうせやっても進まないだろう」と思って一回寝ますね。
近藤あ~、わかる!

矢萩一回寝てしまって、朝早くても3時とか4時に目覚ましセットして起きてやったほうができるんですよね。

近藤わかります。会議で資料を用意しなきゃいけないのに、前日できなかったりして。普通に考えたらやんなきゃいけないんだけど「寝よう」と(笑)。それで、朝の6時とかから作ります。

矢萩無理して、薄っぺらい身体でやってるより、しっかり寝てガーッって出したほうがいいですよね。まあ、ぼくの場合はまた昼には寝るんですけど(笑)。「食べる」もそうですけど「寝る」って重要ですよね。

近藤うんうん。

小笠原・・・ようするに、「よく寝よう」「いやなことは忘れよう」ということですかね(笑)。

矢萩それでまちがいないでしょう!


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矢萩多聞(やはぎ・たもん)
1980年横浜生まれ。中学1年生で学校に行くのを辞め、インドに渡り、絵を描いたり本をつくってこられた多聞さん。5月初旬に、『偶然の装丁家』という本を晶文社の「就職しないでいきるには21」シリーズから出版されます。
 多聞さんは、事務所などには属さず、個人で装丁などのデザインをされています。フリーランスだからこその困ったことって、一体・・・?

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近藤淳也(こんどう・じゅんや) 1975年三重県生まれ。京都大学理学部卒。同大学院を中退後、2001年に「人力検索サイトはてな」を開始し、有限会社はてなを設立。2004年に株式会社はてなに改組。京都・東京の2拠点体制。 そんな近藤さんが社長を務めるIT企業「株式会社はてな」は、ブログやソーシャルブックマークサービスなどの開発・運営を行うため、一日中パソコンに向かっていることもザラ。

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小笠原綾(おがさはら・あや) 1985年東京都生まれ。幼少の頃から教師になることをずっと夢見てきたはずなのに、大学在学中のある日、「そうだ、編集者になろう」とふと思い至り、即日方向転換を遂げる。 現在は、出版社・PHP研究所で「PHPスペシャル」という女性向け月刊誌の編集を担当されています。編集部はなんと小笠原さんを入れて3人(!)というから、お忙しさはきっと想像以上でしょう・・・。

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