今月の特集1

『THE BOOKS』(ミシマ社)

『THE BOOKS 365人の本屋さんがどうしても届けたい「この一冊」』(ミシマ社)を発刊して、はや2年。
 日本全国365名の書店員さんのご協力のもとに、いろいろな伝説を生み出しながらなんとか完成した本著ですが(誕生秘話はこちら)、「はじめて知る本にたくさん出会えました」「旅先に持っていって、この本に載っている本屋さんめぐりを楽しんでいます」など、たくさんの嬉しいご感想が全国の読者のみなさまから届いています。

 そしてただいま、年末の刊行にむけて『THE BOOKS』の第2弾を絶賛制作中です!
 今回のテーマは、「中高生が本好きになる『この一冊』」。
 中高生のときに出会った一冊は、大げさでなく人生を変えると思っています。
 自身を振り返っても、そして多くの作家の方々が口をそろえて語られるエピソードからも、そんな本の力を実感します。
 一冊の本に出会うという絶対的経験。出会う前には戻れない、人生を決定づける一冊。
 そんな本に出会うきっかけの「一冊」になればという思いを込めて、制作を進めています!

 また、書店ガイドとしても楽しんでいただけるよう、第2弾は前回ご登場いただいた書店・書店員さんとは異なる方々にご登場いただいています。
 今回のミシマガでは、第1弾の『THE BOOKS』で登場いただいた東西の書店員さんをお招きし、「もし第2弾に登場するとしたらどの本を選ぶか」座談会を開催!(スカイプでつなぎました)
 本と本屋について、存分に語り合っていただきました。全2回でお送りします!

中高生が本好きになる「この一冊」!

2014.08.22更新


「役に立つ」じゃ、だめ

―― 第2弾の『THE BOOKS』は、中高生に向けた一冊になる予定です。たとえば「この本、読んだほうがいい!」「絶対これ読んどくのと読まないのと人生違うよ」というふうに、どんどん巻き込んでいくほうがいいのかな、とか、いろいろ模索中なのですが......。

堀部「コレ読んだら役に立ちますよ」って言い方ではダメですよね。本を読むこと自体が面白そうに見えなきゃいけない。「コレ、すごい面白いよ」っていう大人がいないといけないと思っています。本屋としては、もうそれしかなくて。

山本この間、お店に中学生くらいの2人組が来て、「どんな本が面白いですか」って聞かれました。ほかにもたまに聞かれたりすることもありますが、そうやってサジェスチョンしてもらいたい子は、やっぱりいると思うんですよね。

―― うんうん、絶対いると思います。

山本こちらから両手広げて迎えるか、それとも「コレを読め!」と推すのか......でもそれはやっぱり、人それぞれだとは思うんです。その時と場合によって、どの選択肢を選ぶかってことは、こっちが気をしっかり持たなくちゃいけないと思いますね。

―― 大盛堂書店さんは渋谷のど真ん中にありますが、女子高生のお客さんも多いですか?

山本そうですね、けっこういらっしゃいますね。ただ、本を買うかとなると、どうなのかなあ。何年か前だと、ティーンズ文庫のシリーズものを全部読んでいく子とかは結構いましたけど、最近はそうでもない。かえってアンソロジーのほうが読みやすくなっているんじゃないかな。短編で読んで、「この作家さんが面白かったらこの人の本を読んでみよう」という人は、けっこう増えてきているのかな、と思います。


「読んでみたい」を一緒に選ぶ。

礒部以前お店に大学生の子が来たときに、「なんか面白い本ないかな~」って言いながらブラブラしてたんです。わたしもその子としゃべりながら一緒に本を選んでみたんですけど、普段読んでいる作家さんからそんなに離れてしまってもなあ......とか色々考えてしまって。色々話したくてムズムズする一方、難しいなあという気持ちもありました。みなさんだったらそういうとき、どうオススメされますか?

堀部僕は本音を言うと、同じ本ひとつとっても読んでる人によって全然見え方が違うし、なにを読んできたかとか、その人のことがわからないとオススメはできないです。だからそういうときは、スゴい迷うんですよ。キミの趣味がわからんとあれやからって、個人的な会話をすることになってしまう(笑)。

―― 「ちょっとそこの喫茶店行こか」って感じですか(笑)。

堀部そうなんですよ。だからお爺ちゃんとかが来て、「孫にあげたいんやけど、3歳の子向けの、どれがいい?」とか言われたら、うちの店は特に年齢で分類してるわけではないので、「その子はどんなものが好きですか。車ですか、動物ですか?」とか聞いて、「だったらこういうモチーフのものがあります」というふうに答える。
 やっぱりオススメってコミュニケーションでしかないから、その人のことを知らないと、「これ3歳向けです」って渡すのはできないんですよね。それが難しい。

―― その通りですよね。やっぱりその積み重ねなんだろうな、とすごく思いました。


「読みたい」と思う入り口。

堀部能動性を刺激してあげるのが大事なんだと思います。書店員から話しかけるっていうのは難しいから、なるべく間口を広げて本を魅力的に見えるようにして、「どうぞ」って自分で考えて選んでもらうようにする。「本を読みたい」って思わせる後押しが必要だと思うんですよね。読んでいる人自身が本の面白さを信じるってことも大事ですし。

礒部うんうん。本当にそう思います。

堀部「学びたい」、「本の世界に入っていきたい」っていう動機がなければ、「一冊丸ごと読もう」なんて絶対できない。それが、「読んでなくてかっこわるい」でもいいと思うんですよ。たとえば先輩たちしか知らない知識とかがあって、その先輩同士はそういう話しを交わしているけど、自分にはその意味がわからない。でもそれは読めばわかるようになるし、同じレベルで話せるようになりたいとか、そういうことでもいいです。本の世界に入る環境っていうのが、たくさんあればあるほどいいな、と思いますね。

山本よく言われていることかもしれないですが、今は昔に比べてやっぱり圧倒的に情報量が多い。Twitterやブログで読んだ気になっている人って多いと思うんですね。それを「読んだ気」で終わるか、実物の読書へ後押しするか。知りたい情報を自分で選んではいるわけだから、ちょっとは気になっているんだと思うので、そこから書店の現場で、どういった後押しを与えられるかというのは大事だと思いますね。

鎌田でもなんの脈絡もなしに「オススメする本はなんだ」って聞かれると、ちょっと考えちゃうときはあると思います。

―― 「こんな本をすすめて大丈夫かな」とか「変に思われないかな」とか。

山本たしかに。あとはただその答えが出たか出ないかじゃなくて、「オススメするうえでの照れ」を失くさなくちゃいけないなと思います。一冊の本を面白いと言う人もいれば、面白くないという人もいるのが当然のことであって。すすめてみて面白くなければそれはしょうがないわけだし、面白い人はその他のも買ってもらえたら嬉しい。

鎌田たしかに、いろんな見方があるからこそ面白い。

山本きっかけは下駄履きみたいな気軽なものでいいと思いますね。オススメするのも、されるのも。

―― どういうきっかけであれ、読者っていう存在が増えて育っていくことが、本当に重要だと思います。これがまたひとつのきっかけになると、非常に嬉しいです。


*書店員のみなさんに「もし第2弾に登場するとしたらこの本!」という一冊を選書いただいた後半もどうぞ!


『THE BOOKS for the future 
~365人の本屋さんが選んだ中高生が本好きになる「この一冊」(仮)』
ご選書くださる書店員の方を募集しています!

『THE BOOKS』の第二弾は、
未来の本好きがいっぱい増える一冊にしたいと思います。

第1弾は、弊社の営業からご依頼させていただいた書店様にご執筆いただきました。
今回は、これはぜひとも、という方々に、
私たちとしてもぜひご参加いただきたく思っています!
何卒お力添えのほどお願いいたします。


【募集要項】

■対象
全国の新刊書店、古本屋さん、喫茶店、雑貨店等、書籍を販売しているお店の方
(前作『THE BOOKS』にご登場いただいたお店様、ご担当者様は、原則として対象外とさせていただきます。読者の方々に新たなお店をご紹介したく、ご了承ください!)

■選書について
・中高生が本を好きになるような、おすすめの一冊を選書ください。
(ただし、絶版本はご遠慮ください。また前作『THE BOOKS』ですでに選ばれているもの、漫画も原則として対象外としております)
・本が重複した際は、選書変更のご相談をさせていただく場合がございます。
予めご了承くださいませ。

■お願いしたい内容
・手書きのキャッチコピーと270字のおすすめコメント

■募集期間
・本日より2014年9月10日(水)まで

■応募方法
まずはご選書に応募いただける旨を、下記宛 もしくは弊社までご連絡お願いいたします。
追って、ご記入用フォーマットをお送りさせていただきます。
hatena@mishimasha.com

件名:BOOKS!
・貴店名
・お名前
・ご連絡先お電話番号
・FAX番号
・選書候補の本(書名、著者名、出版社名)

ご応募、心より楽しみに、お待ちしております。


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