今月の特集1

 9月17日、京都を拠点に活動する劇団・ヨーロッパ企画のはじめての本『ヨーロッパ企画の本 我々、こういうものです。』が発売になります。

 1998年旗揚げから18年。『サマータイムマシン・ブルース』『曲がれ!スプーン』などの作品が映画化されたことでご存知の方も多いかもしれません。

 でも、劇団といっても、劇をするだけではないのがヨーロッパ企画のすごいところ。本公演はもちろん、映画の脚本を書いたり、本屋をしたり、映像作品を作ったり、役者さんが映画監督をしたり、はたまた発明まで!? ひとことでは言い表せないのがヨーロッパ企画なのです。

 そんなヨーロッパ企画の魅力をぎゅっと詰め込んだ『ヨーロッパ企画の本』について、メンバーの皆さんにお話を伺いました。現在絶賛ツアー中の第35回公演「来てけつかるべき新世界」、京都公演を間近に控えた劇場控え室より、全3回でお届けします。

(聞き手・構成:新居未希)

ヨーロッパ企画に聞く、『ヨーロッパ企画の本』(1)

2016.09.14更新

本作りをすることに。

上田はじめ、ミシマ社さんと一緒に本を作ろうという話になったとき、誰がいましたっけ?
角田ヨーロッパハウス(ヨーロッパ企画の事務所)で、ミシマさんとアライさんと、鍋食べたときか。
上田角田さんと大歳(ヨーロッパ企画の作家)と......
永野にっしゃん(西村)が手あげてるよ。
石田手あげててもテープには録音できないよ! わかんないよ!(笑)
上田そのときは、ミシマさんがすごい嬉々として「本作りしましょう」という話をもってこられた印象が強くて。すごい面白いことが始まりそうな予感がしましたね。あのとき、諏訪さんはいなかったでしたっけ?
諏訪僕はその、はじめのときはいなかったね、途中から上田に誘われて。
上田そうでしたね。最初はそういう感じでしたね。

―― そのあと、上田さん、諏訪さん、角田さん、西村さんたちが、中心になって本作りを進めてくださいましたよね。このメンバーは、どういう......?

上田僕ら、グループで何かをつくるときは、はじめに何人かそれっぽい人に声をかけて、進めていくなかでしかるべき形になっていくことが多いんですね。なのでとりあえず今回も、西村さんは「西村ブックセンター」(イベントなどで突如現れる、西村さんが店長の本屋さん)をやっているし、角田さんは絵が描けるし、諏訪さんは『ヨロッパ通信』という公演のパンフレットも作ってるから、その3人に声をかけていきました。そしたらそれが丁度よくて、最後までこのメンバーを核としていったという感じですね。
永野だから実はまだね、中心メンバーじゃなかった僕たちは、最終的にどういうものになったのかわかってないという......
石田全貌を知らないんですよ。

―― わー、そうか、そうなんですね!(笑)

土佐本の全貌を理解してなさすぎて、宣伝しにくいから、今日はいろいろ教えてください。
全員


(左)「ハイタウン2016」での「西村ブックセンター」の様子。
(右)ミシマ社にて、本の打ち合わせ第3回目くらいのころ(大歳さん撮影)。


みんな一体何書いてんの?

永野僕はね、本を作るという話を聞いたとき、なんとなく「2〜3年かけて作る本なんだろな」って思ってたんですよ。もうじき20周年なんで、そこへむけてのビックプロジェクトが動き出したんか、のちのち呼ばれていろいろみんな話したりとかするんかな、と思ってたら、あっという間に本ができた(笑)。
石田え、でもみんないろいろ、寄稿とかしてるんでしょ?
永野中川さん原稿書いたりしてるんでしょ。
中川え? みんな書いてないの?
本多え、寄稿してんの? なに書いてんの?
中川映画についてのエッセイを......
石田アイドルについて?
中川いやだから映画だって、ヤクザについては書いてるけど。
石田本多くんはなにしたん?
本多え、僕はねー、俳優の前野朋哉さんと対談しましたね。
石田そう、みんなそれぞれやってるときに、僕は何にも言われてなくて、「僕だけ何にもないなあ」と思って、諏訪さんにその話をポロッと、
本多相談したん?(笑)
石田大丈夫なんですかね、みんな何かやってんですよね? って相談したら、「あ、石田は大丈夫だよ。石田は本秀康さんが漫画描いてくれてるからそれで」って。
土佐じゃあ、石田はなんにも書いてないってこと?

―― あ、その本さんが書いてくださった漫画に対するコメントをいただきましたよね。

石田うん、書いた、5行ぐらいのやつ。
土佐あ、じゃあ書いてないな。
全員


メンバーがひとこと何かを発すると、それにみんなで総ツッコミしていくという賑やかな座談会に。


幻のボクシング対談

上田あと、土佐さんが西垣くん(ヨーロッパ企画のディレクター)と対談して、ボツになった原稿もありますね。
全員
土佐にっしゃんに「なんでもいいからやって」って言われてさ、前、いろんなイベントにいく連載をしてたから、それしようかなって思ったんやけど。でもイベントに行く時間がなくて、あわてて西垣とボクシング対談したんやけど、綺麗にボツになりましたね。
諏訪にっしゃんが、「なんかわかんないですけど、土佐さんから音声が届いたんですよね」って言ってたもん。
土佐え? にっしゃんが!?
酒井あれ!
西村いやいやいやいや、違う違う違う。
角田やばい、やばいぞ〜。
酒井出版差しどめや。
土佐あれ、僕が急に送った感じになってる?
石田そらー、ボツになるわなあ。
土佐それやったらしゃーないな。夢でオファーされたんかもしれへん。
酒井なんでもいい、っていうのも夢っぽいですもんね。
西村いや、あのね、土佐さんに頼んだときはちょっとフワッとしてたと思う、章にそって最終的にコーナーがいろいろ移動することになったから......
永野西村大慌て。
西村ちがう、慌ててない!(笑)

(つづきます→)

ヨーロッパ企画第35回公演「来てけつかるべき新世界」

作・演出  : 上田誠
出演    : 石田剛太 酒井善史 角田貴志 諏訪雅 土佐和成
        中川晴樹 永野宗典 西村直子 本多力
        /金丸慎太郎 藤井理子 福田転球
URL     : http://www.europe-kikaku.com/projects/e35/

東京公演 : 9月16日(金)〜 9月25日(日) 本多劇場
広島公演 : 9月29日(木) JMSアステールプラザ 中ホール
福岡公演 :10月 1日(土)・10月2日(日) 西鉄ホール
大阪公演 :10月 5日(水)~10月11日(火) ABCホール
四日市公演:10月15日(土) 四日市市文化会館 第2ホール
高知公演 :10月21日(金) 高知県立県民文化ホール グリーンホール
横浜公演 :10月27日(木)~10月30日(日) KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ
名古屋公演:11月 2日(水) 名古屋市東文化小劇場



   

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ヨーロッパ企画

劇団であり、企画集団。旗揚げは1998年。一貫してコメディを上演し続けている。舞台のほかにも映像やイベント、その他活動は多岐にわたる。役者とスタッフがシームレスで、けっこう何でも作ってしまうのが特徴。

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