今月の特集2

「なんか、寒い・・・」
「外はポカポカ暖かいのに・・・」
「絶対このオフィスの中、外より寒いよね・・・」

 ミシマ社自由が丘オフィスで毎年恒例で繰り返されるこの会話。
 その寒さは真冬になると社内でダウンコートを着用するメンバーまで出現するほどです。
そんな、すきま風吹きすさぶ自由が丘オフィスのメンバーと、寒風吹きすさぶ京都で越冬をしなければならない京都オフィスメンバーの切実な要望から、「暖ドリ」上段者の方々に、身体を温めるあの手この手を教わり、ミシマガ読者の方々にもお伝えしてみんなで冬を乗りきろう、企画が立ち上がったのでした。

 お話をうかがったのは、三砂ちづる先生(津田塾大学教授)と甲野善紀先生(武術を主とした身体技法の研究家)。偶然ですがお二人とも普段から着物を身につけられており、いろいろとラディカルな実践を積み重ねて日常生活を送られている、実践の達人です。
 どんな「暖ドリ」話が飛び出すのか・・・。

 2回ずつ計4日にわたり、一挙掲載いたします!お楽しみください!

(聞き手:星野友里 写真:清水美沙、赤穴千恵)

暖ドリ! 寒さを乗りきる 暖のとりかた 第1回

2013.12.16更新


人の身体が温まると世界が変わる!?

特集2

―― 三砂先生の『産みたい人はあたためて』(飛鳥新社)という本の最後に、「温める・・・これがけっこうカギですね。からだが冷えていると冷たい人間になってしまいます。冷たいからだだと、やっぱり受け止めたり、引き受けたりできません。・・・世界の変革は、あたたかいからだから。それなら、ちょっとできそうですね。」というふうに書かれていて、この「暖ドリ!」企画が出たときに、もう先生にお話をきくしかない!と思いました。

三砂私、助産院フリークなので、助産婦さんがいうことは全部聞いているんですね。寒いんだったら、「首」っていうところは冷やしちゃダメだっていいますから、手首、足首、ほんとの首 とか、そういうところはレッグウォーマーとかしていますね。あと腹巻とか・・・。

―― あ、腹巻は最近ミシマ社でもプチブームになっています。先生は普段からお着物を着ていらっしゃいますが、それも「暖ドリ」にはいいですか?

三砂着物が一番いいのは、お腹まわりがすごくあったかいところ。助産婦さんが妊婦さんに、「お腹周りは10枚にしなさい」っておっしゃるんですけど、洋服だったら冬でもそれは無理、と思うんです(笑)

―― たしかに。

三砂でも、着物だと普通に腰巻して、肌襦袢きて、長襦袢きて、合わせの着物を着て、帯を何回も巻くと、10枚なんて楽勝ですので。とにかくお腹と腎臓を冷やさないっていうのは、身体を冷やさないための一番の基本だそうです。そういう意味では、これは着物の利点ですね。さらに着物のいいところは、一番発汗するところがそとに空いているところ。脇と襟と裾と。人は冬でも発汗するので、それは気持ちいいですね。

―― 普段、着物を着れない人にもできることはありますか?

三砂着物は着れないけど、着物の良さを生かすなら、やっぱりお腹まわりを着物ぐらいいっぱい着る、ということ。お腹まわりが冷えてると、いくら上を着ても寒いですよ。また、服を着る以前に適度にからだを動かす、ということは当然必要で、たとえばわたしは、ゆる体操(高岡英夫先生が推奨している体操。詳しくは『女は毎月生まれかわる―からだと心が元気になる「月経血コントロール」ゆる体操』高岡英夫・三砂ちづる著をご参考ください)をやらない日はありません。


「冷たい水に入れたのはお前かー!!」

三砂それとあとはですね、「冷えない」ってことで私、去年からやっていることがあるんです・・・「温冷交互浴」って聞いたことあります?

―― なんとなく聞いたことがあるような・・・

三砂温かいお風呂と、冷たいお風呂と、交互にはいる、ということなんですけど。サウナの隣に冷たい水の浴槽があったりしますよね。

―― たしかに! ありますね。

特集2

三砂「西式健康法」というのがあって、そこで「温冷交互浴」をすすめているそうです。助産院で西式健康法を実践している方から聞いた話なんですけど、そこでは、赤ちゃんを、温かいお風呂と冷たいお水とに、交互に入れるそうなんです。

で、温かいほうに入れると、赤ちゃんもホヤ~と喜ぶんですけど、冷たいのに入れると、
「ワーー!」と泣いて、抱きあげたときに「冷たい水に入れたのはお前かー!!」って、ジロッとにらまれるんだって!

―― 爆笑

三砂でも、そうするのが赤ちゃんにいい、というので、その助産院ではずっと温冷交互浴をやっているそうです。西式は温冷交互浴を大人にもすすめているらしい。家に二つ浴槽を作って、一つは暖かいの、一つは冷たいの、と。

―― え、浴槽をもう一つつくるんですか!

三砂もちろん普通の家ではそんなことできないですよね(笑)。そこで、そのバリエーションとして、あったかいお風呂と、冷たいシャワーを交互に浴びる、という方法を教わったんです。それで私、すごく好奇心が強いので、なんでもやってみたいな! と思って。

―― はい、色んなことを実践されているの、存じ上げています(笑)


「勇気があるならやってごらんなさい」

三砂やってみたんですよ。適当に5回くらい、お風呂にはいって、冷たいシャワーを浴びて、と。で、最後は必ず冷たいシャワーを浴びて、あがるんです。

―― 最後はあたたまらないであがるんですね。

三砂そうなんです。冷たいので終わるのがコツなんです。初めてやったのが去年の10月の末だったから、さすがに最初に冷たい水をかぶる時には、ものすごく勇気がいりましたけど、一回やってしまえば、二回目、三回目は、そんなにたいしたことないです(笑)

―― へえ~!

三砂それをやったら去年、本当に冷えなくなったんです。夜寝る時も、足が全然冷たくならないし、湯たんぽもいらない。これはすごいな~と思って1年続けてるんですよ。温冷交互浴をやると、湯冷めもしないし、湯あたりもしないんです。まあ、心臓の弱い人とか、体の弱い人は、心臓発作とか起こしちゃうかもしれないから、あまりすすめらませんけど、私にとってはすごく画期的だった。

―― お水はもう、ぬるま湯ではなくて完全な真水ですよね? それは勇気がいりますね(笑)

三砂最初はね。でもお風呂だから、冷たくてもすぐ、あったかいのに入れますから。やっていくうちにだんだん気持ちよくなってきて、最後に水をかぶってあがると、お風呂から出たときの、あのヒヤっとした感じが、本当にないんですよ。なんだか騙されたような気になるんですけど(笑)

―― へえ~、やってみます!

三砂だから私、今、冷えで困ってる人には、「勇気があるならやってごらんなさい」って言ってるんですけど(笑)

―― (笑)でも、お風呂とシャワーの水だけでいいなら、手軽ですもんね。

三砂それなら、みんなできるでしょ。ちょっとやってみるだけで、全然違いますよ!





みなさん、勇気を出して「温冷交互浴」いかがでしょうか? 明日は引き続きお風呂まわりのお話と、イギリスの「暖ドリ」法について、お届けします!

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