今月の特集2

 2014年9月12日。われわれミシマ社一同は、北の大地・北海道へ降り立ちました。
 今回の目的はただふたつ。ひとつは、翌日13日に控える、札幌にて初開催のミシマ社イベント&独立研究者・森田真生さんによる「数学ブックトーク」。
 そしてもうひとつは......そう、王子製紙・苫小牧工場の見学です。

 知る人ぞ知るこの苫小牧工場、以前から『デザインのひきだし』編集長の津田淳子さんや王子グループのみなさんから、「苫小牧工場はひと味ちがう」「苫小牧はすごいです」とお話を伺っていました。
 なんでも、工場のなかに丸太が流れているらしいのです!

 そんなワンダフルな製紙工場に、ミシマ社メンバー(+森田さん、いわながさん)がいざ突入! わくわく工場見学レポートをお届けします。

(文・写真:新居未希)

苫小牧工場をゆく!〜流れる丸太を求めて〜

2014.11.06更新

いいなあ、自家発電

 新千歳空港に降り立った我々を迎えにきてくださったのは、王子製紙の宮永さん。
 まず最初に、王子製紙の千歳第一水力発電所に向かいます。
 着いた先に広がるのは......おおおお、絶景!!


 わざわざこんな絶景ポイントに連れてきてくださったのか...と思いそうになりますが、いいえ、ここは発電所。苫小牧工場で使用する電気はもちろん、このあたりの支笏湖周辺地域の電気を賄っているのです。


 この上から落ちる水の力によって、発電がされているんですね。すごいなあ〜。
 営業のワタナベは、この地を開拓した開拓者に興味津々。ミシマに至っては「うちも自家発電したい!」と言い出す始末。
 あの、うち、出版社なんですけど...。


王子製紙苫小牧工場とはいかに

 そこからすこし場所を移して、いよいよ苫小牧工場へ。工場に着くと、研究技術部の猪股さんをはじめとするみなさんが出迎えてくださいました。

「苫小牧工場は、1910年(明治43年)に操業の製紙工場です。とくに操業当時から作り続けている新聞用紙は、現在この苫小牧工場だけで日本の約3割を生産しているんですよ」

 おお、毎日手にしている新聞紙、この苫小牧工場で作られたものかもしれないのですね。

「あとは新聞用紙のほかにも、アドニスラフといった印刷用紙もこの苫小牧工場でつくっています」

 ア、アドニスラフ! ミシマ社でも『遊牧夫婦』シリーズや、この10月に出た新刊『街場の戦争論』の本文で使用しています。デザイナーの寄藤文平さんも大好きな紙ですね!

「ありがとうございます。寄藤さんには、以前この苫小牧工場にお越しいただいたこともあるんですよ。ほかにも、このアドニスラフシリーズは好きだと言ってくださるデザイナーさんは多いです。ラフな手触りと、嵩が出るところが人気ですね」

 ペーパーバックのような雰囲気がとってもすきです。やわらかい感じがいいですよね。

「では、早速工場見学に行ってみましょうか!」


丸太、発見

 水色のエプロンと帽子を被り、いざ工場見学へ!


 広い敷地内を歩いていると、
「あ、水路がある!」
...ん、水路?


 あー! あーーー! す、水路!! そして丸太が浮かんでる!!!(一同大興奮)
 「王子製紙苫小牧工場には丸太が流れている」というあの噂は、本当だったんですね!

「この水路は、もっと北のほうに続いていて、そこから流れてきてるんですよ。丸太を処理するのは夜間帯がメインなので、今は止まってますね。待機中です」

 丸太を流しているのはなぜなんでしょう?

「単純に、水路で運ぶほうが楽だからだと思います。たとえばトラックで運ぶとすると、何往復もしないといけないですしね」

 丸太が途中で止まったりすることはあるのでしょうか。

「ありますよ。そのときは職人さんが、とび(長いカマのようなもの)でひっかかっている部分を正して、また流れるようにしています」


苫小牧のテッペンとったど〜

 丸太を横目に、移動したのは「動力部」。
「せっかくなので、普段は我々もあまり行くことのないとっておきの場所をご案内します」
 とっておきの場所......! どきどきしながら登っていきます。
 暗い扉をあけると、そこはなんと! 工場全体が見渡せる屋上でした。




 一同走り出し、大はしゃぎ。


 360度、苫小牧工場を見渡すことができます。
 あの、あっちのほうに見える小山のようなものは何でしょうか?


「あれは、チップですね。木をこまかく砕いたものです。紙の原料になります。その右のほうにうっすら見えるのが丸太です。あそこから丸太が流れてくるんですよ」

 ええ、丸太の源流はあんなところに...!

「今から、あそこに行ってみましょうか」


水路、現る。

 工場内を車で移動(とっても広いので、歩きだととても1日では回りきれません)。
 先ほど上から見えた、チップの山の方向に向かいます。着きましたよ〜の声で、車を降りると、そこには!


 丸太の山、山、山。見渡すかぎり丸太です。工場のなかに、原料の丸太がこんなにも置いてあるなんて、すごいとしか言いようがないです。


 水路はどこだ? と探すと、ありました、水路!


 この水路を丸太が、どんぶらこっこと流れるわけです。ここからすべてははじまるのですね...!


(つづきます)

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