今月の特集2

 3月16日に発刊した森の案内人・三浦豊さんによる『木のみかた』。読むと、普段何気なく歩いている街も実は「森」が存在していたことに気づき、街の風景がガラッと変わる。街歩きが楽しくなる一冊です。
 さっそくこの本を持って街に出よう! 
 ということで、オフィスから歩いて10分。京都の中心、京都御所を、本書片手にミシマ社メンバーと著者の三浦さんが散策をしてきました! 今回は1、2日目にその様子を、3日目にメンバーがお気に入りの木に対するコメントを紹介します!

 また、5月4日(木)には、枚方蔦屋書店さんにて、三浦さんによる「枚方の森」バーチャル森ツアー、そして実際に街なかの「森」を探すイベント、「枚方にも「森」があった!?~森の案内人三浦豊さんのヴァーチャル森ツアー」もございますので、ぜひぜひご参加くださいませ!

森の案内人・三浦豊さんと行く! 京都御所ツアー(2)

2017.04.11更新

庭園の極意

三浦いいですね〜、庭園。昔は貴族たちが船を浮かべて楽しんでいたんでしょうね。滝の音、聞こえますか?
 滝まわりの石の配置も考えられていて、太鼓の内側のような構造を作って、反響して滝の音が聞こえやすいように配置しているんです。
 景色も昔はもうちょっと開けていて、東山の景色まで見えました。借景ですね。それで、この滝も東山から来た水ですよ、ということをアピールしていたんです。そうやって庭園っていうのは、各要素のありがたみを最大化するように作られているんです。







―― 庭園の極意、奥が深い...。そして、貴族、いいなあ。貴族の1日のスケジュールってどうだったんだろう、なんて考えながら、御所ツアーも後半戦に突入です。


短距離向きの木、マラソン向きの木

三浦これは、全然性格の違う木がとなりあってますね。椋の木と樫の木です。どう違うかというと、椋の木は、冬には葉っぱを全部落とすんです。理由は、冬は日照時間が短くなるし、太陽の日射角度も低い。だから「葉っぱをつけてても無駄だ」って思うタイプの木です。冬は休もうって思って生きてるのがこいつです。

 逆に樫の木は、冬でもあったかい日はある、だったら「葉っぱずっとつけとこう」と考えるのがこいつの生き方です。効率悪いからと捨てちゃうんじゃなくて、ずっとつけてたらいいことある、と信じてつけ続けます。

 葉っぱを落とす椋の木の方が、春の芽吹きの勢いはすごいけど、冬は丸裸。樫の木は安定して葉を茂らせ続ける。だから、短距離向きとマラソン向きの木ってかんじですね。







宮内庁V.S.環境省

―― こうなってくると、木も人も同じ。メンバーも三浦さんと同じように徐々に徐々に木と人の境界があわくなってきたところで、ツアーもいよいよ終盤。
 どうやら三浦さん、一本の木に何かを感じたようです。

三浦この木は面白いですね。ここのエリアは、最近迎賓館ができたこともあって、宮内庁と環境省の管轄の境目なんですよ。それで木に対する見解が宮内庁と環境省で違うように思います。
 宮内庁的には、迎賓館の裏を鬱蒼とした森にしたくないから、松など見栄えがする木を植えてほしいと思ってます。でも環境省は「自然のまま」にしておきたい。
結果的には、松は生えてはいるんですけど枯れてしまって、環境省からしたら「ざまあみろ」という思っているような気がしますね。

―― 一本の木から水面下の政治的な争いまでみてとる三浦さん、おそるべし...。そして京都御所おそるべし...。


 いかがでしたでしょうか? 明日は、この京都御所に生えている木のなかから、メンバーがおすすめの木を紹介します。お楽しみに!


    

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