ある日の数学アナ

第4回 『ブロッコリーのように知識を増やす』

2009.10.09更新

蓋を開けてみたら民主党の圧勝という結果に終わった衆議院選挙。
皆さんはどのようにこの結果をごらんになったのだろう。
とても気になります。

私は、というと歴史的な政権交代を目の当たりにした瞬間、
ちょっとした感動と驚きが交錯した。
「政党の数の論理だけでない政権交代が起きたんだ!」と。
与党でいるために、多少の無理があっても、連立を組むことで
どうにか難局を乗り越えてきた自民党も、今回ばかりはお手上げだった。

それから1カ月。
毎日の生活で具体的な変化を実感し始めたかというと、
まだそこまでのものはない。
母子家庭に対する支援が実現するのにはもう少し時間がかかるし、
子ども手当てが配られるのもまだ時間がかかりそうだ。
今後、変化はゆるやかに起きていくことになるだろう。

こうした政権交代という変化の一方で
私の脳内にもちょっとした変化が起きていることに気がついた。

久しぶりに自民党が下野したが、最後に自民党が野党だったのは・・・
自社さ政権が・・・・・・
こんな資料のほかにも、 とくに今回は、全国津々浦々で多くの
民主党新人議員が当選したが、彼らの多くはいわゆる自民の大物政治家と激突した。
ベテラン議員であればあるほど豊富な経歴やストーリーが存在する。
それらを追っていく作業は昔やった受験勉強を彷彿とさせる。

正直に言えば
「私、記憶力が悪いなあ、がっくり」
と痛感するほど記憶力に自信がないわけではない。
でも、受験科目で世界史や日本史を選択した友人たちの脅威の暗記量を
見ると、あんなの絶対ムリ! と思わずにはいられなかった。
数学科を選んだのだって、暗記はもう嫌だなあと思ったのも多少はあるくらいだ。

そもそも政治、経済自体、受験科目の中ではあまり面白いと思えなかったし、
自由民主党の変遷だとか民主党、民社党、云々・・・・・・なんて
聞いているだけで眠かった。

しかし仕事でニュースに接していると、政治、経済、どれもこれも目の前で
生きていて、受験勉強で登場した科目とはまったく別物。
面白くて仕方がない。

気の持ちようというのは面白いもので、最初は知識を増やすに必死で、
覚えても覚えても覚えられなかったのが、一通り勉強したことが一巡すると
あっという間に変化が訪れる。
最初は幹の部分を育てるのに必死だったのがあっという間に横の広がり、
繋がりが頭に流れ込んできて、知識の木が広がるようになる。

この「知識の木」で、私はブロッコリーをイメージする。
しっかりした幹がないと、まわりの木のような部分は育っていかない。
それに、つるつるっと上に伸びていく木にくらべてブロッコリーは
密集度が高いが、知識にもそれは言えて倍倍ゲームのように情報が増えていく。

脳内がどうなっているか、普段の生活では考えることはあまりないが、
ブロッコリーを目指すというのは、自分としては名アイデアな気がする!
かさは多い上、花の部分が密集しているから表面積も多く、
幹がしっかりしているからぐらぐらすることもない。

本来知識の増やし方というのはこうあるべきだと思うが、
受験という限られらた時間の中で結果を出さなければならないとなると
どうしても詰め込むしか道がなかったということなんだろう。

せっかくブロッコリーというイメージを得られたのだし、
この「知識のブロッコリー」株、
数そのものを増やすのと同時に、一つ一つを大事に育てていかなくては・・・・・・。


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倉野麻里(くらの・まり)

テレビ東京アナウンサー。理工学部数学科を卒業した後、放送局アナウンサーという一見、数学とは縁のない世界に飛び込む。仕事は十二分に充実しているものの、数学、数字には触れない日々。「モノタリナイカモ…」。離れてみてわかった数学への愛。いや、数学への一方的な愛!!数学への偏愛から見える日常のあれこれを語る。
KYOTO的の人気連載「くらまりの日々是数学」をタイトル改め、本誌で新連載。

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