ある日の数学アナ

第14回 夏休みにニュースを離れて

2010.08.16更新

先週一週間、お休みを頂いてしっかりリフレッシュしてきました。
気持ちも新たにまた頑張って参りますのでお付き合い下さい。

・・・と思ってはいるのになかなかどうして、頭の中が休みモードから
仕事モードへと切り替わらない。
困った困った。
一瞬「これって年をとってきた証拠なのか?」という思いが頭をもたげたものの、
一点だけ思い当たる節があった。

実は、今年の夏休みは、
少し意識してニュースから離れて過ごしてみたのだった。
日々ニュースに触れ、消化して・・・という作業を繰り返していると
どうしても頭の中がニュースでいっぱいになってしまう。
切り替えが上手で情報整理も効率よくぱぱーっとできる人であれば
そんなこともないのかもしれないが、
私はそこまで器用ではないらしい。

寝ても覚めてもなんて表現までいくとオーバーだし、
ちょっとおこがましいが、ほんのちょっとだけそれに近いものがある。

家に帰ってテレビのスイッチ入れても、つい他局のニュース番組を見てしまうし、
自分の番組を見たら見たで反省したり突っ込み入れたり・・・
これが意外と忙しくってあまりリラックスできない(笑)。

そんなわけで、今回はいつもとは意識して「自分スイッチ」を
いつもとは違うモードに入れて夏休みに突入したのだった。

もちろんこれだけのネット社会では、入ってくる情報を
完全にゼロにすることは難しい。
それでも意識するのとしないのとでは全く違う。

朝起きて、時間に終われることなく朝時間を過ごしてモリモリと朝ごはんを食べる。
二度寝した日もあったなあ。
至極当たり前のことだけれど、いつもはおざなりになりがちな一つ一つの行為を丁寧にしていると、
いつもとは時間の流れるスピードが完全に違うことに気がついた。
いかに毎日を大事に過ごしてないか、だ。
これにはちょっと反省してしまった。

午後はプールで泳ぐともなく泳いで、太陽を浴びつつまた泳ぐ。
ほどなくすると、日頃の運動不足が祟ってか、あるいは功を奏してと言うべきか、
適度に疲労を感じる。
毎日の仕事をしていると、肉体的な疲労を感じるというよりは精神的な疲労を感じることが
多いので、適度な気だるさがちょっと癖になりそう。

文字にしてみると別に何てことのない日々のようにも思えるけれど、
私にとって時間の流れるスピードの違いを実感出来たことは大きな収穫だった。
この「体感時間」の違いは一体どこから来るのだろうか。

情報量が多いと脳は同じ時間でも長く感じると聞いたことがある。
旅行の行きと帰りで感じるあの時間差もその為に起こるのだとか。
行きはワクワクしているし窓から見る風景にも初めて見る景色が多い。
すると脳がそれらの情報を処理するのに時間がかかる、ということらしい。

日頃、頭の中で処理している情報量はそれなりに多い方だと思うが
この理屈で言えば時間の流れは遅く感じてもよいはずだ。
でも私にはどうも逆に思える。

ひょっとしたら一つ一つの作業を丁寧にできていないということなんだろうか。

休みが明けると、休みだった日々が昔のことのように感じる
スピード感あふれる毎日に一気に戻された。

もちろんこれはこれで刺激的で、楽しい。
一つ一つ丁寧に作業しつつ、時間の流れるスピードについて、もう少し意識してみようっと。

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倉野麻里(くらの・まり)

テレビ東京アナウンサー。理工学部数学科を卒業した後、放送局アナウンサーという一見、数学とは縁のない世界に飛び込む。仕事は十二分に充実しているものの、数学、数字には触れない日々。「モノタリナイカモ…」。離れてみてわかった数学への愛。いや、数学への一方的な愛!!数学への偏愛から見える日常のあれこれを語る。
KYOTO的の人気連載「くらまりの日々是数学」をタイトル改め、本誌で新連載。

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