『THE BOOKS』通信

『THE BOOKS』の発刊を記念して、全国各地の本屋さんにて、フェアが開催されております。どのフェアも心のこもった展開をしていただき、ありがとうございます!

今回は、ジュンク堂書店池袋本店3階の壁面スペースにて開催されているフェアを取材してまいりました。フェア企画担当の北山さんがフェアに込めた「本、そして本に関わるすべての人への熱い思い」とは?

(取材:足立綾子・大滝空 文:大滝空 写真:林萌)

第5回 [レポート]ジュンク堂書店池袋本店『THE BOOKS』刊行記念フェア(2012年9月10日~10月9日)

2012.10.04更新

フェアの見どころ・その1:フェア企画担当北山さんの手書きメッセージ、そしてカラー版「ブックス物語」

第5回 『THE BOOKS』通信

第5回 『THE BOOKS』通信

パネル展の最初を飾るのは、今回のフェアを企画したジュンク堂書店池袋本店文庫・新書担当の北山志歩さんによる、手書きのメッセージです。「本屋さんがこの街にあって、本当によかった!」と思えるような、本や本屋さんへの愛でいっぱいの言葉に、ただただ感動してしまいます(メッセージの内容は、前回の『THE BOOKS』通信でもご覧いただけます)。

また、第1回 『THE BOOKS』通信でもご紹介しました仕掛け屋・林による、『THE BOOKS』ができるまでの怒濤の毎日を綴った漫画「ブックス物語」が、かわいく色づけされて展示されています。

まさに「エディターズ・ハイ」に全員が突入していた、膨大な原稿との格闘の日々、三島がとんでもない嵐のなか、銭湯へひとり向かう姿など、より臨場感豊かに楽しむことができます!

第5回 『THE BOOKS』通信


フェアの見どころ・その2:地域ごとに分けたパネルで、全国各地の「ここぞ!」という本屋さんをご紹介!

第5回 『THE BOOKS』通信

『THE BOOKS』は1年365日、毎日本を楽しめるように、一日一冊の本について、全国各地の書店員さんによる手書きのキャッチコピーと本にまつわるエピソードを交えて紹介しています。

また、「365書店MAP」のページと照らし合わせながら、遠く離れた町、なつかしい自分のふるさとの本屋さんで働く書店員さんの言葉を楽しむことができるのも本書の大きな特色のひとつになっています。

「全国各地のおもしろい本屋さんを知ってほしい」
「地方の書店員さんの言葉をもっと伝えたい」

そのような思いを込めて、北山さんが北海道から沖縄までの「ここぞ!」という本屋さんを約90店厳選し、地域ごとに分けたパネルで紹介しております。

6枚にも及ぶ大きなパネルには、『THE BOOKS』に掲載されている本の紹介ページが貼られ、さらに、そのなかで特にオススメの本の実物がポケットに一冊ずつ収まっています。

本の表紙をミニパネルにして貼ったり、本の紹介文がより伝わるように、内容にあわせてペンでカラフルに彩ったりするなど、人通りの多い壁面コーナーで、お客さまの目にぱっと飛び込んでくるような工夫が施されています。

第5回 『THE BOOKS』通信

パネルで紹介した本をまとめたコーナー。絵本からビジネス書まで、さまざまなジャンルの書籍がならんでいます。



「本にまつわる書店員さんの出来事やエピソードは、とっても魅力的」

地域ごとにパネルを丁寧につくりあげた今回のフェア。そのコンセプトについて、北山さんに詳しくお話を伺いました。

「パネルを使って、どのような切り口で『THE BOOKS』のことを知ってもらおうか、と考えていました。『THE BOOKS』を読み返してみると、書店員さんが日々仕事をしているなかで体験した出来事や、本にまつわるエピソードが魅力的に書かれた紹介文をたくさん見つけたので、地域ごとにパネルわけをして、本屋さんや書店員さん自身を推すかたちにしようと思いました。

第5回 『THE BOOKS』通信

たとえば、東北では、震災ものの本を選んでいる書店員さんが多いですし、大阪の書店員さんは、江弘毅さんの『「街的」ということ』(講談社現代新書)に代表されるような、大阪の街ならではの本を選んでいます。

東京にいると実感しにくいのですが、地方ではその地域でしか流通していない本もありますし、お客さまも地域色の強い本を読まれるようで、独自によく売れている本もあると聞きます。」

全国の本屋さんや書店員さんを推す、非常にユニークな今回のフェアに対して、お客さまの反応や本の売れ行きは、いかがでしょうか。

「多くの方が足を止めてパネルを見てくださっています。今回のフェアで取り上げた本のなかでは、『死にゆく者からの言葉』(文春文庫)が、一番売れていますね。それから『インド綿の服』(講談社文芸文庫)や『置かれた場所で咲きなさい』(幻冬舎)、『ムーミンコミックス(1)黄金のしっぽ』(筑摩書房)も人気です。

また、このフェアをやって、売れたらいいなと思っていた『ひみつの山の子どもたち』(童話屋)が一冊売れたのがすごく嬉しかったです。児童書コーナーで、今はたくさん積んではいないけれど、地道に売れているロングセラーの本が、人目に触れるのはいいことだなと思いました。」

第5回 the books 通信

左:『死にゆく者からの言葉』(鈴木秀子、文春文庫)
「特に86頁の「まんどろお月さま」には涙が止まりません。」北海道にあるくすみ書房大谷地店の久住邦晴さんの選書です!(『THE BOOKS』22ページより)
右:『ひみつの山の子どもたち』(富山和子、童話屋)
「あなたの童心もきっと輝きだす!」岐阜にあるACADEMIA大垣店の松浦栄次さんの選書です!(『THE BOOKS』210ページより)


「『THE BOOKS』をつうじて、全国各地の本屋さんみんなでがんばりたい」

今回のフェアで特に印象に残るのが、北山さんの手書きの温かいメッセージです。
営業担当の林と、今回のフェアにむけてやりとりをしているなかで、
「全国どこにでも本屋さんがあって、
本が大好きな人たちはそれぞれ地方の本屋さんで育っていくんだ」
そんな言葉が、北山さんの頭のなかに降ってきたそうです。

「ジュンク堂書店は、地方で新しく出店することも多くあります。私も開店準備のお手伝いで地方に出張することもあるのですが、本屋ができるということで、地元の方に非常に喜ばれるんです。

大きな本屋ができることで、地元の本屋さんにご迷惑をおかけすることもあるのですが、お客さまの『いつでもすぐにほしい本が読める』という嬉しそうな顔をみると、『ああ、本屋って本当に必要なんだな』と思うんですよ。すごく嬉しいし、気持ちも引き締まります。

本があって、『ここから好きな本を選んでいいんだよ』という環境が整っていることがとても大切なのだと思います。地方の本屋さんが、地元の人たちのことを本好きに育てて、支えてくださっているから、みんなが大きくなって東京に出てきた時に、東京の本屋さんがこれだけ栄えることができるのだと思っています。だから『本屋さん、みんなでがんばろう!』という気持ちをこめて、このフェアを開催しております。」

北山さん、本や本屋さんへの愛が伝わってくるようなフェアを企画していただき、本当にありがとうございます!

ジュンク堂書店池袋本店での『THE BOOKS』刊行記念フェアは10月9日までです。お近くにいらっしゃる際は、ぜひお立ち寄りください!

*『THE BOOKS』刊行記念フェア(10月9日まで開催)

ジュンク堂書店池袋本店3F
〒171-0022 東京都豊島区南池袋2-15-5
電話 03-5956-6111
営業時間 (月~土)10:00~23:00/(日・祝日)10:00~22:00

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ミシマ社 編(みしましゃ)

『THE BOOKS 365人の本屋さんがどうしても届けたい「この一冊」』

ミシマ社と本書について……

ミシマ社は、「原点回帰の出版社」として2006年10月に創業。現在メンバーは7名。全員全チーム(編集・営業・仕掛け屋)の仕事をするというスタイルで、東京・自由が丘、京都府城陽市の二拠点で、「一冊入魂」の出版活動を展開中。取次店などを介さない「直取引」という営業スタイルで「一冊」を全国の書店に卸している。

本企画は、ウェブ雑誌「平日開店ミシマガジン」の「今日の一冊」にご協力いただいた書店員さんを中心に、新たに「どうしても届けたい一冊」を選書してもらい、手書きのキャッチコピーと紹介文をそえて構成した。本書に登場する書店のMAPを巻末に掲載。


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