となりの坊さん。

番外編 坊さん、テレビに出る。(上)

2013.10.30更新

 こんにちは! 四国は、栄福寺の「坊さん」白川密成(みっせい)です。

 2010年、ミシマ社から、僕の書籍デビュー作『ボクは坊さん。』を出版させていただきました。

 7刷を重ねた今でも、ロングセラーとして、愛読してくださっている声が僕にも届き、僕にとっても本当に「うれしい本」になりました。

そして、その後、「平日開店ミシマガジン」で連載しておりました、
となりの坊さん」をもとにした「次回作」を依頼してくださって、はや、数年・・・、

 尼さんでもある妻との結婚、新しい建物の「演仏堂」の造立、そして長女を授かるなど、忙しい日々の中でなかなか「本を作る」という作業に、落ち着いて向かい合うことができませんでした。

 京都・城陽のミシマ社では、「原稿を書けないミッセイさんをはげまそう!」と、「ボクは悩めるぼうさん。」というかなり珍しい(と思われる)イベントまで開いてくださいました。

 そして、いよいよ!
 今年12月の発売を予定できるところまで、こぎつけることが、できました。

 ここにきてようやく、自分の中でも、
「うん。今回の本はこういう"手ざわり"なのかな...」
という姿が見えてきたような気がするんです。

 迷惑をかけっぱなしでこんなことを書くのは申し訳ないのですが、
 個人的にはこういったペースでも、内発的なものを「待ってくださる」ミシマ社の姿勢がありがたいです(とはいっても、今回お待たせ過ぎました。反省・・・)。

 そんな中、栄福寺は、「四国八十八ヶ所」という霊場の五十七番札所でもあるのですが、
その四国霊場を徳光和夫さんが巡る、「徳さんのお遍路さん」という番組がBS-TBSで放送されて、先日、栄福寺の回が、放送されました。

 徳光さんにとっても、
「仏教を気軽な言葉で伝えたい」
「しかも本やTシャツ、建築などの方法を通してポップに」
という僕のスタンスが印象的なものだったようで、番組の多くの時間を占めて、僕と徳光さんの対話を放送してくださいました。

 そして、番組の放送終了後、ずいぶんと僕の著作に対する問い合わせが、ありました。
 それと共に、しばらくたって番組のプロデューサーの方から、電話がありました。

「ご住職が、"わかる言葉で話す"スタンスが、ほんとうにうれしかったです。
 じつは、こんなお願いがあるんですが・・・」
「なんでしょうか?」
「こんどは地上波のTBSで<ジョブチューン>という色々な仕事の"プロフェッショナル"と、芸人さんがトークをする番組に出てくださいませんか?」

 というご依頼でした。

 今までの出演陣を拝見すると、プロサッカー選手の澤穂希さん、メジャーリーガーの上原浩治さん、脳科学者の茂木健一郎さん、漫画家で「テルマエ・ロマエ」の原作者ヤマザキマリさんなど、各界のまさに「プロ」達が顔を揃えています。

 僕は、まだまだ新米の僧侶で、しかも放送は、地上波19時から21時というゴールデンタイム。
 また僧侶という立場で、仕事の話をバラエティー番組でするという「難しさ」も想像に容易いことでした。

でも、僕はそのとき、
『ボクは坊さん。』の原作でもある「坊さん」というWEB連載を書かせてくださった「ほぼ日刊イトイ新聞」(通称・ほぼ日)で、連載当初「ほぼ日」さんが伝えてくださったことを思い出していました。

「知らないこと。見たことがないことが、少しでも読むことができたら、うれしいです」

 そういうシンプルな問いに、もう一回戻ってみたい。

 そして、やはり「坊さん」も「仏教」も「お寺」も、とくに都市に住む人にとって「遠く、遠く」の、「わからない」存在なんだと、テレビのスタッフの方と話していて痛感しました。

 そして、その世界の「プロフェッショナル」の方から、学びたいという気持ちはもちろん、ネップチューンのお三方、バナナマンのお二人などの、出演される第一線の芸人さんたちが、どんな姿で仕事をされているのか、生で体感したくなりました。

 それは、なかなか経験できない、「学校」でもあるような気が僕にはしたのです。

「ありがとうございます。出てみます」
僕はテレビ番組「ジョブチューン」に出てみることにしました。

(上編ここまでです。続きは下編で!)

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白川密成しらかわ・みっせい

1977年愛媛県生まれ。栄福寺住職。高校を卒業後、高野山大学密教学科に入学。大学卒業後、地元の書店で社員として働くが、2001年、先代住職の遷化をうけて、24歳で四国八十八ヶ所霊場第五十七番札所、栄福寺の住職に就任する。同年、糸井重里編集長の人気サイト『ほぼ日刊イトイ新聞』において、「坊さん——57番札所24歳住職7転8起の日々——」の連載を開始し2008年まで231回の文章を寄稿。著書に『ボクは坊さん。』(ミシマ社)がある。

栄福寺ウェブサイト 「山歌う」

ボクは坊さん。

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