一冊!取引所「現場からは以上です。」

第6回

YouTubeライブを振り返る

2020.10.24更新

「一冊!取引所」とは?

書店と出版社をつなぐ、クラウド型受発注プラットフォーム。
株式会社カランタが運営し、ミシマ社は共同開発として関わっているサービスです。

一冊!取引所はこちら

「一冊!Live」配信20回突破!

 毎週月曜日の17時から約30分間、YouTubeライブ配信をしています。その名も「一冊!Live」。毎回ゲストをお招きするトーク番組です。その配信が、いつのまにか先日、20回を突破しておりました。この場をお借りして、ゲストに出演いただいた皆様、御視聴くださった皆様に御礼申し上げます。
 ということで今回は、「YouTubeライブを振り返る」と題しまして、この間の「一冊!Live」の歩みをご紹介したいと思います。

とりあえず第0回からスタート!

 「一冊!取引所」の本稼働を3週間後に控えた2020年5月11日の17時、カランタの発起人である取締役3人(蓑原・今氏・三島)+司会のワタナベがZoomに集い、「一冊!Live」の第0回配信がスタートしました。まずは、「とにかくやってみよう」ということで、ゲストはなし。配信冒頭、全員揃っていないのに配信を開始し、そこから34秒経って挨拶を開始するも、途中、音声のハウリングを指摘されるなど、初の試みは、グダグダ感のある放送事故的な立ち上がりから、フリートークが展開されました。

◆「一冊!Live  vol.0」

しかし、いま見返してみると、「一冊!取引所」の原点にある「熱量」が強く感じられる回となっています。お時間が許すようでしたら、ぜひ、御視聴いただきたいです。コロナ禍のなか、「一冊!取引所」の「一冊!Live」は、ここから歩みはじめたのでした。

記念すべき第1回!

 ということで、記念すべき第1回は、三島が「一冊!」の構想段階から相談をしていたナナロク社の代表・村井さんをゲストにお招きしました。まだ5月、本稼働を1か月遅らせて試験運用中の「一冊!取引所」の方向性に対する質問や要望、アイデアなどがライブの場でどんどん飛び出し、「明るい方向を目指そう!」という気持ちをより強くする回となりました。

◆「一冊!Live vol.1 ゲスト:村井光男さん(ナナロク社)」 2020/05/18

営業中の売り場からライブ!

第2回は、京都ミシマ社のご近所で書店「誠光社」を営む堀部篤史さんをゲストにお招きしました。夕方5時、営業時間中ながらご出演を快諾してくださった堀部さんは、おなじ誠光社の名で出版社としても活動しており、「書店ユーザー」かつ「出版社ユーザー」でもあるという稀有な存在。さらに書店としては大手取次と契約せず「直仕入れ」をメインに品揃えをするという、比類なき現場経験もお持ちです。今後の「一冊!取引所」が目指すところに対して、貴重な貴重なお話をたくさんいただくことができました。

◆「一冊!Live vol.2 ゲスト:堀部篤史さん(誠光社)」 2020/05/25

ゲスト3名でにぎやかトーク! 

6月1日、いよいよ本稼働を迎えたこの日。本の出版と展覧会制作、美術館の運営を中心におこなう会社・ブルーシープの代表・草刈大介さんは、展示会の設営会場からご参加。そして、子どもの本専門店として多くの方から愛されるメリーゴーランドKYOTOの店長・鈴木潤さんは、コロナ休業から営業再開した日に接続してくださり、そして、熊本で愛される書店・長崎書店の書店員・児童書担当の中山理紗さんにもご参加いただき、「書店さんへの営業」にかんする現場感覚あふれる回となりました。草刈さんがナナロク社の村井さんと一緒に大阪を営業で回ったときのことや、中山さんの店頭でのお話、そして、鈴木さんの出版社営業に対する本音トークにドキリとしたワタナベでした。

◆「一冊!Live vol.3 ゲスト:草刈大介さん (ブルーシープ代表)、鈴木潤さん(メリーゴーランドKYOTO店長)、中山理紗さん(長崎書店)」 2020/06/01

本屋を開きたい!

第4回のゲスト、古賀詩穂子さんは、本屋に行きたくなるフリーマガジン「読点magazine、」を作っていて、ご自身でいつの日か本屋を開きたい! とずっと願いながら、大手出版取次や書店の近くでお仕事をされてきた方で、外から見た「一冊!取引所」のことを伺った回となりました。そして、ご出演いただいた時期はまだそうなっていなかったのですが、その後、地元の愛知県でイメージ通りの賃貸物件と巡り合ったそうで、なんと! 現在、ついに、名古屋の金山にて、自身の本屋を開業すべく具体的な準備に入られました。OPENは今冬(12月〜1月のどこか)とのこと。屋号は、「TOUTEN BOOKSTORE」。これからは古賀さんに「一冊!取引所」を実際に使っていただける・・・、嬉しい!!!

◆「一冊!Live vol.4 ゲスト:古賀詩穂子さん(読点magazine、)」 2020/06/08

唯一のレーベル参加!

配信第5回は、梶原治樹さん(扶桑社 販売部 部長)をゲストにお迎えしました。「一冊!取引所」には「天然生活」レーベルとして、部分的にご参加くださっている扶桑社さん。なぜ参加を決めたのか、この取引所に期待することとは・・・、といった話から、扶桑社さんでの営業スタイルも伺うことができ、当たり前といえば当たり前ですが、同じ「出版社」でも、会社の規模が異なれば、営業や販売のポイントも変わりますよね、ということに改めて気づかされ、大変勉強になりました。余談ですが梶原さんとワタナベは、「将棋好き」で、盤を挟んで切磋琢磨する仲でもあります。梶原さん、今後ともよろしくお願いいたします。

◆「一冊!Live vol.5 ゲスト:梶原治樹さん(扶桑社 販売部 部長)」 2020/06/15

コロナ禍での営業や仕入れとは

配信第6回は、北尾修一さん(百万年書房 代表)、鎌田裕樹さん(恵文社一乗寺店)をゲストにお迎えしました。「一冊!取引所」立ち上げ当初より応援してくださっているおふたり。本稼働から3週間経ったこのタイミングで、取引所を使ってみての感想や、実際どうか、もっとこうしたい などの現状と未来をともに探りながらのトークセッションとなりました。ワタナベ的には、北尾さんがコロナ禍で営業をどうすればいいのかモヤモヤしたとおっしゃっていたことや、数字に換算できないリアルなことを大切にしていることが印象に残り、また、鎌田さんのように「一冊!取引所」を使いこなしてくださる書店ユーザーをもっと増やねば! と強く思う回となりました。(書店様、ユーザー登録お待ちしております!)

◆「一冊!Live vol.6 ゲスト:北尾修一さん(百万年書房 代表)、鎌田裕樹さん(恵文社一乗寺店)」 2020/06/22

本と読者をつなぐ場を作りたい

配信第7回は、アノニマ・スタジオの営業、安西純さんをゲストにお迎えしました。アノニマ・スタジオさんの出版活動についてや、コロナ禍で直接お店に行く営業ができなくなる中、どのような営業販促活動を行っていたか、また安西さんが運営を務めてきた大人気のイベント「BOOK MARKET」(今年は残念ながら中止)についてもお話を伺いました。「一冊!取引所」も、いずれBOOK MARKETのような、作り手と読者と本をつなぐ熱を持った場にしていきたいです。安西さんとお話できて、今後へのヒントをたくさんいただきました。

◆「一冊!Live vol.7 ゲスト:安西純さん(アノニマ・スタジオ)」 2020/06/29

この配信がきっかけで

配信第8回は、ミツイパブリッシングの中野葉子さんをゲストにお迎えしました。ミツイパブリッシングさんは、「小さな声を、カタチにします」をコンセプトに北海道旭川市にある2013年創業の小さな出版社。「一冊!取引所」には7月からご参加くださったのですが、1週間もたたないうちに「一冊!Live」にゲスト出演をお願いしてしまいました。ご参加の経緯や、出版集積地である「東京ではない場所」から出版活動を行うということの実際をお伺いしていきました。嬉しかったのは、この配信をきっかけとして、ミツイパブリッシングさんの本を注文してくれた書店さんがいたことと、「北海道書店ナビ」さんもこの配信をご視聴くださっていて、その後、「一冊!取引所」のことを取材し、記事にしてくださったこと。「一冊!Live」からお互いの可能性が少し広がったことが嬉しく、続けてよかったと思える出来事でした。

◆「一冊!Live vol.8 ゲスト:中野葉子さん(ミツイパブリッシング)」 2020/07/06

リードリストが楽しい

配信第9回は、フリーランス書店員の久禮亮太さんがゲストに来てくださいました。

東京・小石川の「Pebbles Books」を運営しながら、いくつかの書店のスタッフ指導や選書なども請け負う久禮さんは、書店員の仕事と棚づくりの考え方を記した『スリップの技法』(苦楽堂刊)の著者としても知られています。「新刊書店というシステムの運用」における現場仕事をフリーランスの立場から俯瞰して追い求める久禮さん。その豊かな経験に基づく感覚から見える「一冊!取引所」の課題や可能性について、たくさんお話をいただきました。久禮さんが「一冊!取引所」を、とりわけ「リードリスト」を、おもちゃで遊ぶ子どものように、楽しそうに使ってくださっていることを知れて感激しました。

◆「一冊!Live vol.9 ゲスト:久禮亮太さん(フリーランス書店員)」 2020/07/13

テレビ局からひとり出版社に

配信第10回は、小さい書房の安永則子さんをゲストにお迎えしました。2013年にたったひとりで出版社を立ち上げて以来、「考えるきっかけになる一冊」をモットーに本づくりをする安永さん。わたしは以前より、『"ひとり出版社"という働きかた』という本で安永さん=小さい書房さんを知って以来、いつかお話を伺ってみたいと思っていました。また配信のタイミングで間もなく刊行予定だった新刊『地球の上でめだまやき』のご紹介もいただきました。同社10冊目の書籍ではじめての「詩集」ということで、その本づくりへの想いや制作秘話も聞くことができ、今回、念願が叶ってとても嬉しかったです。安永さんのお話を小さい書房さんの本に込められている想いは、とてもとても大きいのです。

◆「一冊!Live vol.10 ゲスト:安永則子さん(小さい書房)」 2020/07/20

ということで、まだまだ続きます。

 全20回を一気に振り返るつもりが、文字数が規定をオーバーしたので、11回以降は、次回ということにさせてください。そうしている間にも、「一冊!Live」の配信は、来週以降も続きます。そうですね、出版界の「徹子の部屋」を目指して(?)、これかもやっていきます!

 現場からは以上です。

一冊!取引所 運営チーム

一冊!取引所 運営チーム
(いっさつとりひきじょ うんえいちーむ)

株式会社カランタが運営する、出版社と書店をつなぐクラウド型受発注サービス「一冊!取引所」。

運営・開発チームの生の声をお届けします。主にカランタの営業・ワタナベが執筆しています。

一冊!取引所

編集部からのお知らせ

一冊!取引所 ツイッターやっています。

Twitter(@1satsu_torihiki)にて、「一冊!ライブ」や最新の情報をお知らせしています。

参加書店、出版社 募集中!

 「一冊!取引所」にご参加くださる書店様、出版社様を募集しています。
 ご興味をお持ちの方は、以下のフォームからお申込みください。

出版社様フォームはこちら

書店様フォームはこちら

一冊!サポーター募集

 出版関係者にとどまらず、個人の方から企業の方まで、本取り組みを支えてくださる「一冊!サポーター」を募集しています。

 今回のシステムをしっかりと世に定着させるためには、最初の一年を乗り切れるかどうかが大きなポイントになります。具体的には、半年の間に、少なくとも1,500万円を集める必要があると思っております(現状、目標達成まで20%程度です)。

 お力添えのほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

<御礼に代えて> 一年以内に、本取り組みについてまとめた書籍をつくる予定をしております。その一冊を御礼に代えて、献本いたします。

サポーターお申し込みはこちら

おすすめの記事

編集部が厳選した、今オススメの記事をご紹介!!

  • 斎藤真理子さんインタビュー「韓国文学の中心と周辺にある

    斎藤真理子さんインタビュー「韓国文学の中心と周辺にある"声"のはなし」前編

    ミシマガ編集部

    ハン・ガンさんのノーベル文学賞受賞により、ますます世界的注目を集める韓国文学。その味わい方について、第一線の翻訳者である斎藤真理子さんに教えていただくインタビューをお届けします! キーワードは「声=ソリ」。韓国語と声のおもしろいつながりとは? 私たちが誰かの声を「聞こえない」「うるさい」と思うとき何が起きている? 韓国文学をこれから読みはじめる方も、愛読している方も、ぜひどうぞ。

  • 絵本編集者、担当作品本気レビュー⑤「夢を推奨しない絵本編集者が夢の絵本を作るまで」

    絵本編集者、担当作品本気レビュー⑤「夢を推奨しない絵本編集者が夢の絵本を作るまで」

    筒井大介・ミシマガ編集部

    2024年11月18日、イラストレーターの三好愛さんによる初の絵本『ゆめがきました』をミシマ社より刊行しました。編集は、筒井大介さん、装丁は大島依提亜さんに担当いただきました。恒例となりつつある、絵本編集者の筒井さんによる、「本気レビュー」をお届けいたします。

  • 36年の会社員経験から、今、思うこと

    36年の会社員経験から、今、思うこと

    川島蓉子

    本日より、川島蓉子さんによる新連載がスタートします。大きな会社に、会社員として、36年勤めた川島さん。軽やかに面白い仕事を続けて来られたように見えますが、人間関係、女性であること、ノルマ、家庭との両立、などなど、私たちの多くがぶつかる「会社の壁」を、たくさんくぐり抜けて来られたのでした。少しおっちょこちょいな川島先輩から、悩める会社員のみなさんへ、ヒントを綴っていただきます。

  • 「地獄の木」とメガネの妖怪爺

    「地獄の木」とメガネの妖怪爺

    後藤正文

    本日から、後藤正文さんの「凍った脳みそ リターンズ」がスタートします!「コールド・ブレイン・スタジオ」という自身の音楽スタジオづくりを描いたエッセイ『凍った脳みそ』から、6年。後藤さんは今、「共有地」としての新しいスタジオづくりに取り組みはじめました。その模様を、ゴッチのあの文体で綴る、新作連載がここにはじまります。

この記事のバックナンバー

07月29日
第15回 人間は一人では生きられない。 一冊!取引所 運営チーム
06月17日
第14回 継続は力なり 一冊!取引所 運営チーム
05月17日
第13回 思い立ったが吉日 一冊!取引所 運営チーム
04月24日
第12回 運営チームの近況報告 一冊!取引所 運営チーム
03月20日
第11回 人と人とをつなぐ出版流通でありたい 一冊!取引所 運営チーム
02月13日
第10回 カランタ、変化のとき 一冊!取引所 運営チーム
01月20日
第9回 カランタ、一周年。 一冊!取引所 運営チーム
12月19日
第8回 YouTubeライブを振り返る その3 一冊!取引所 運営チーム
11月29日
第7回 YouTubeライブを振り返る その2 一冊!取引所 運営チーム
10月24日
第6回 YouTubeライブを振り返る 一冊!取引所 運営チーム
09月23日
第5回 トップページを解説します 一冊!取引所 運営チーム
08月21日
第4回 ワタナベ、本格始動 一冊!取引所 運営チーム
07月24日
第3回 参加出版社をそれぞれ140字以内で紹介してみるチャレンジ 一冊!取引所 運営チーム
06月24日
第2回 いよいよ本格オープン! 今日も明日もカイゼンだ 一冊!取引所 運営チーム
05月22日
第1回 ついに走り出した「一冊!取引所」 一冊!取引所 運営チーム
ページトップへ