第26回
地域おこし協力隊を編集
2020.12.09更新
先日、自身が主催するオンラインサロン内で行われた『地域おこし協力隊のこと』という、メンバー限定のトークイベントのなかで「地域おこし協力隊」という名前を変えられないか? という話が出た。
サロンメンバーのなかで、現在まさに地域おこし協力隊として活動している4人が、その「良さ」と「もやもや」を赤裸々に語ってくれるとても気づきの多いイベントだったのだけれど、「地域おこし協力隊」の名前の良し悪しが話題になったのは、彼ら全員が同じ悩みをもっていたからだ。それは、
「地域おこし協力隊のことをなんでも屋さんだと思っているんじゃないか?」
「地域おこし協力隊になら何を頼んでもいいと思っている気がする。」
という悩み。
協力隊を受け入れる行政の人たちも、地域市民も、それぞれに「地域おこし協力隊」とはなんなのかを理解しないまま、その言葉の響きから、「地域のためならなんでも協力します隊員」のように思っている節がある。
そもそも「地域おこし」という言葉自体、地域へのリスペクトを感じられなくて好きじゃない僕は、自分が関わっている地域の協力隊メンバーには「職業名でも肩書きでもなんでもないんだから"地域おこし協力隊"と名刺に入れなくてもいいよ」と言って、自治体から渡される名刺とは別のプロジェクト名義の名刺を作ってあげたりしていたけれど、この「地域おこし協力隊」という言葉に対する違和感が、「地域おこし」だけでなく「協力隊」という部分にもあったのかと思うと、もう全滅じゃん、みたいな気持ちになった。
だから僕はあらためて「地域おこし協力隊」という名前を現場から総務省まで突き上げて、なんとかチェンジさせたいと切に思う。
ちなみに、このイベントの進行を務めてくれたのは、愛媛県今治市、瀬戸内海に浮かぶ大島という島で『こりおり舎』というコーヒー&ブックショップを営んでいる千々木涼子さん。実は彼女も地域おこし協力隊の卒業生だ。
彼女の説明によると、地域おこし協力隊は、平成21年にスタートし、もう10年が経つ制度で、当初30程度の自治体、100名弱の隊員受入れでスタートしたのが、現在は1000を超える自治体で5500人以上の隊員が活動しているという。
とにかく「地域おこし協力隊」というのは、単なる制度名だ。受け入れる地域によって、その内容もさまざまなわけだし、それぞれに適した名称や肩書きがあってよいはず。
そこで本題だが、僕はこの「地域おこし協力隊」という制度名を、「地域編集者育成プロジェクト」とかにして、肩書きを「地域編集員」にすればいいと思う。
これから重要になってくるはずの、地域編集者を地域で実践的に育くみ、地域編集員となった人たちも、いずれ胸を張って地域編集者と言えるように編集視点で地域を醸していく。
この提案、さあ、どうやって届けようか。