第6回
9月のお便り
2018.09.26更新
9月になると、自由が丘の街のショウウィンドウは早々と茶系やワイン色のディスプレイへと変わっていましたが、やっと気温と合ってきました。我が家の室内と店との仕切りのカーテンが白っぽいものから暖色の花柄となり、真夏には肌にチクチクしてはずしていたギャッべのマットを食卓の椅子に戻し、暮らしも少しずつ秋になっています。
ねこじゃらし公園を抜ける尾山台への買い物道は、夏からのオクラと茄子が大人の背丈ほどにも伸びて猛暑を乗り切ったたくましさを感じます。
道端には、いつの間にかニラの花や赤い曼珠沙華(彼岸花)が茎をつんと延ばして咲いています。そういえば、明日からお彼岸です。
土の中からちゃんと時期を知らせるように地表に出る自然に癒される一方で、大災害をもたらした豪雨や北海道の地震での山体崩壊の映像は観ていられなくなりました。道内中がブラックアウトと聞き、遠くに住む身でも不安になりました。どうか普段の日常が戻りますように、と祈るばかりです。
新米を食べる
店に新米が並びはじめました。水曜日だけ開いている弁当屋のごはんが早くも新米になりました。今夏の暑さや豪雨での厳しい米作り。農家の方々への感謝と共にいただきます。次の世代にも、おいしいお米がいただけるように沢山お米を食べましょう。ごはん一膳は、30円前後だそうです。体にやさしく、腹持ちよく、懐にもやさしいお米です。
新米を炊く時の水加減は、昨年までの水と同量で一度試してから、好みの水加減にすればよいのです。我が家は、新米の時は気持ち少なめで、お米を研ぐ回数を1回少なくして新米の香りを楽しみます。
ごはんは炊けたあとが肝心で、蒸らしが済んだらすぐにしゃもじを鍋に沿って回し湯気を逃がします。ごはんがねばらないように、ふんわりと全体をほぐします。おひつをお持ちでしたら、おひつに移しながらほぐすとべたつかず、おすすめです。
旬の秋刀魚
今が旬の秋刀魚。実はまだいただいていません。秋刀魚は、買ってきたら少し多めに粗塩を撫でつけるか、振り塩をしておきます。粗塩のおかげで皮目がしまり皮がパリッと焼け、網に付くのも防げます。
若い時には味わえなかった秋刀魚のワタの美味しさがわかるようになりました。
もう少し手頃になってからと待っていましたが、明日は秋刀魚の塩焼きに大根おろしたっぷり添えていただきます。旬が過ぎてしまわないうちに。
サフランの球根
ちょうどこの時期は、園芸店やDIYのお店で、サフラン(クロッカス)を見かけます。室内の明るい所に置いておくだけで、11月か12月に花が咲きます(土植えすれば、翌年も咲かすことができます)。花の中心の雌しべが3本、これがサフラン(香辛料)です。
1番長くて赤く、きれいな時にラップに包んで冷凍しておきます(売り場のサフランのように乾かしてからでもよいです)。スペイン料理のパエリアにはかかせないサフラン。花も愛でたと思ったら味わいも違います。
フライパンでも作れるパエリアのコツは、仕上げに強火にして水分をとばし、美味しいおこげをつくること。オーブンがあれば、オーブンで仕上げます。一般にシーフードを使ったパエリアが多いですが、季節のきのこや鶏肉を使ったものもおいしいです。サフランは、使う前に水にひたしておいて、黄色をしっかり出した水ごとスープと一緒に加えます。サフランでしか出ない香りがあります。
今月の食卓
さて今回のお料理は、9月24日の中秋の名月(満月は25日だそうです)に合わせた3品です。 お酒にも合う3品。どうぞ盃に月を浮かべ、秋の夜長をお過ごしください。
1. お弁当にもいい2品
はんぺんの柚子胡椒マヨネーズとウィンピー(ウィンナーとピーマン)
2. レンコン入りお月見つくね
福竹さん風はんぺんの柚子胡椒マヨネーズがらめ
材料
・はんぺん 1枚
・焼く時に バター 適量
A
・マヨネーズ 大さじ1くらい
・柚子胡椒 適量
・青のり 適量
作り方
1. はんぺん両面に3mm深さ1cm幅で切り目を入れ、6~9等分にする。
2. フライパンにバターをとかし、中火の弱火で、はんぺんの両面を焼く。
3. ふっくら焼けたら火を止め、すぐにフライパンにAをのせてからめる。
〈白山米店お母さんより〉
東急地上線にあるお好み焼き屋「福竹」さんでは、かかりきりでテンポ良くはんぺんも、ウィンピーも焼いてくださります。お好み焼きはフワフワ。名物女将(相性がある)とやさしいお姉さん、お父さんに会いたくなりました。
ウィンピー♪
材料
・ウィンナー 適量
・ピーマン 適量
・塩こしょう 適量
作り方
1. ウィンナーは、細く切り目を入れ、斜めに2等分する。ピーマンは、1口大に切る。
2. ウィンナーに焼きめがつくまでじっくり焼き、塩こしょうをふる。
お月見つくね(1枚1人分)
材料
A
・鶏ひき肉(ムネ肉、モモ肉合わせて) 100g
・レンコンみじん切り 30g(大さじ山盛り2くらい)
・生姜をすったもの、みそ、酒 各小さじ1/2
・パン粉 大さじ2
・卵白 卵1コ分
・焼く時の油 小さじ1/2
・焼き上ったらのせる 卵黄 卵1コ分
・甘辛たれ 醤油、みりん、さとう 各大さじ1
お好みで、粉山椒、七味唐辛子を添えていただきます。
作り方
1. 甘辛たれを合わせ電子レンジ(600w)で1分加熱。
2. Aをボールに入れ手で混ぜ合わせる。直径10cmに丸く広げ中心を500円玉くらいの大きさにへこましておく。
3. フライパンに油をひき、へこました方を下に弱火より少し強火で2分焼き裏返して弱火で3分~4分フタをして焼く。
4. 皿に盛りたれをかけ卵黄をのせる。
〈白山米店お母さんより〉
いつものつくねを大きく作るだけで楽しくなります。月に見立てた卵黄をからめての甘辛たれでごはんがすすみますよ。鶏ひき肉は、焼き鳥が人気の「寿々木屋」さんで求め、モモ焼きは夫と息子の好物でおかずが作れない時に助かっています。