第17回
8月のお便り
2019.08.25更新
8月は梅干しの土用干しから始まり、店をDIYすることになり珪藻土塗りをしたり、実家へのケーキやお料理の持ち寄りをしたりと、これまでおむすびを沢山作ってきた「手」への感謝の月となりました。
母の誕生日でもある終戦記念日には、実家で食卓を囲みます。 今年は兄姉、姪っ子たちとで14人と犬1匹。兄が半年ごとに撮ってくれている家族の集合写真は、ちびっ子たちの成長が写真でわかり、大切な記念写真となっています。
低山登山とお宿
うだるような暑さの東京を離れ、八ヶ岳標高2098mにあるしらびそ小屋に泊まってきました。
旅のきっかけは、八ヶ岳にある「ギャルり・イグレグ八が岳」で今年も「旅するyogiyogi展」があると知り、主催者のリリィーさん(日本人女性)に逢いにいくことからはじまりました。
登山口までほど近いというので、それなら、と行ってみたかったしらびそ小屋まで登ってきました。
東京の気温が37度だった翌日、八ヶ岳みどり池の畔にあるしらびそ小屋は、汗をかきかき登ったあとのベタベタ肌がサラサラになる涼しさの別世界。
登中の緑の苔むした盛り、駒鳥水場に手を浸すと、10数えるのがやっとで、しびれる水温、空気の静寂に心身が浄化されていく感覚がありました。巨樹のダケカンバに守られているような、しらびそ小屋では、夕暮れにはダウンジャケットを着こみました。
目前のみどり池の向こうに硫黄岳がそびえ立つ絶景を眺めながら、夫が沸かしたコーヒーを、手製の桜のマグカップで飲み編み物をする。自宅にいる時間と、別の時間が流れています。
翌朝は6時に炊きたてごはんをいただきながら、窓越しに、リスや小雀がひまわりの種をついばむ愛らしい姿が見られます。
次回は、朝食に薪で焼いた厚切りトーストを予約しようと、頂上は目指さずに下山。今日のお宿、鹿教湯(かけゆ)温泉のそばの独鈷山(どっこさん、1266.4m)に登ります。
山登りの後の温泉は、餅を前につるされ登ったご褒美の餌で、まして居心地の良い、ちょうど良い全てがしっくり馴染んでいる落ちつくお宿は、なかなかないものです。
ここに泊まると調度品やお料理のセンスの良さに家でも真似したくなります。お玄関までの階段に咲く、風にゆらぐ女郎花(おみなんし)は、風情があって、大好きな花となりました。桔梗やススキもゆらぎ秋の気配です。
今月の食卓
さて今回のお料理は、日持ちする2品、先月の残りのザーサイと夏には豚肉! 実家の持ち寄りにも好評だった我が家の定番です。
お弁当や、お正月のおせち料理にもなるので、簡単ですが、それまでに手を慣らしておくと億劫ではなくなります。涼しくなってほっとした日があったら、お作りいただけたらと思います。
1. ザーサイバンザ〜イ
ザーサイと野菜の甘酢づけ
2. ごはんにもラーメンにも合う、スープまで使える
煮豚の醤油漬け
ザーサイバンザ〜イ ザーサイと野菜の甘酢づけ
材料(作りやすい量)
・ ザーサイ 1個
A 野菜700g分
・ キャベツ 3枚 大きめに手でちぎる、芯はうす切り
・ 大根 5cm
・ キュウリ 1本 ※大根とキュウリは、厚さ4mmの短冊切り
・ 人参 5cm ※ニンジンは、厚め2mmの短冊切り
・ 粗塩 大さじ2分の1
B
・ 生姜 ひとかけ15g みじん切り
・ 赤唐辛子 1本 辛いのが苦手なら、種をとって輪切り
・ ごま油 大さじ1
・ サラダ油 大さじ1
C
・ 砂糖 大さじ4
・ 酢 大さじ3〜4
・ 粗塩 適宜(ザーサイの塩分によって)
作り方
1. 材料を切り、Aをボールに入れ合わせ、30分くらいおき水気をしぼる。(途中2、3度混ぜ合わせる)
2. 鍋にBを入れ、香りがたったら水気をとったザーサイをさっと炒め、Cを入れ煮立ったら火を消し、1にかける。1時間くらい冷やして味をなじませてからいただく。
ごはんにもラーメンにも合う、スープまで使える 煮豚の醤油漬け
材料(6人分くらい)
・ 豚肩ロース肉固まり 500〜600g
A
・ ニンニク 3片 皮をむく
・ 生姜の皮を厚くむいたもの 5cm×5cmくらい
・ ネギの葉 1本分
漬けタレ(ビニール袋の中に合わせておく)
・ 醤油 大さじ4
・ 紹興酒または酒 大さじ2
・ ハチミツ 大さじ1(または黒砂糖 大さじ2)
・ 鷹の爪 1本
・ 白髪ネギ、クレソン 適量
・ 熱湯
・ 竹串
・ ビニール袋
作り方
1. 豚肉は竹串を全体にポコポコ刺して、火の通りと味を染み込みやすくする。
2. 沸騰した湯に入れ、再度沸騰して、肉全面が白くなったら煮こぼし水で洗う。
3. 鍋にお湯を沸かし、肉とアを入れ、沸騰したらアクをとり、中の弱火〜弱火でコトコトと1時間〜1時間半前後煮る。(湯は肉がかぶる量を保ち、竹串がスーッと入ってやわらかくなるまで)
4. 肉とニンニクを取り出し、タレに漬け込み、味が染み込むように空気を抜いてビニール袋の口をしっかり止めて冷めるまで置くか、翌日にいただく。
5. お好みの暑さに切る。おもてなしの時は、白髪ネギにクレソンやルッコラを合わせて添えれば、味も見た目も◎。