第9回
ミシマ社の本屋さんの1日店長
2019.06.10更新
こんにちは! 暑い日が続いて、夏本番が近づいてきた感じがしますね。
ミシマ社の本屋さんは、月に1度ゆるりと開店しています。6月の営業日は、6月23日(日)12時からです。ぜひお越しください!
自己紹介が遅れましたが、この4月に中途採用で入社した舘です。前職も出版業界で働いており、即戦力として期待されていましたが(ビズリーチのCMみたいな感じ)、現実はそんなに甘いわけもなく、無力さに打ちひしがれながら日々勉強しています。
そんな僕がなぜか今回の本屋さんで1日店長を任されることになり、何をしていいやらさっぱりといった状況で、記事まで任されてしまい、どうしたものか・・・となっています。しかし、任命されたことの大きな理由の1つは、おそらく「本屋好き」を社内で公言していたことが挙げられます。
考えてみると、僕にとって本屋さんは特別な存在です。もともとあまり本を読まないので、読書家は「憧れの存在」であり、本屋さんは「憧れの空間」でした。少しでも本好きになりたい! という思いを持って、この業界に飛び込みました。
「憧れの空間」とは、つまり「居るだけでなんだか少し賢くなったような、良いことをしたような気がする空間」のことです。あまり賢そうな文章ではないですが(笑)、僕と同じように読書家に憧れている人なら共感してもらえるのではないでしょうか。そして、このミーハーな感覚こそが、本屋さんの価値を次世代へ繋ぐ重要アイテムだと思います。
自分が知らない知識と出会うことができる場、それも知り尽くすことができないほどたくさんの知識と。逆に言えば、自分が知らないことがこれだけたくさんある、という事実を教えてくれる場でもあります。小さな本屋さんに置いている本棚でさえも全てを読み切るには途方もない時間が必要です。
こんな大切な場所が、昨今どんどん減っています。出版社が~、取次が~、アマゾンが~、いろんな理由はありますが、根本的な原因は、僕らが本屋さんに行かないからです。そうです。読書家に憧れていたはずの僕らが本屋さんに行かなくなったから、本屋さんは減っているのです。大して見たくもないネット動画をついつい見ていたらもうこんな時間・・・そんな時間を過ごした分だけ本屋さんは減っていきます。
さて、ミシマ社は出版社でありながら本屋さん営業を月に1度行っています。その理由は「読者の方と直接交流できる場をもつため」です。読者の方々からすれば、「作り手と直接交流できる場」です。普通の本屋さんでさえなかなかできないような深い交流を、まるで親戚の家に遊びに来たような居心地で楽しむことができます。
もちろんミシマ社本だけでなく、関連する様々な本を取り揃えています。メンバーのオススメ本コーナーなんかもあります。(前回の営業日には10冊程度しかない自分の棚から3冊も売れていて、っしゃー! と心の中で叫んだのはここだけの話)梅雨の時期なので、家でゆっくり読書するための本を探すのも楽しそう。ぜひ、楽しい思い出を作って、買って、持って帰って、思い出して下さい。
そして最後に。ご来店下さった方には、ぜひ周辺の本屋さんにも行って頂きたいのです。誠光社さんや、レティシア書房さん、出町座さんなどミシマ社近辺には面白い本屋さんがたくさんあります。そうしていろんな本屋さんに行くことで、「憧れの空間」は、憧れではなく、より現実味のある必要不可欠な存在になっていくと思います。
読んでくださった方にとって6月23日が面白い日になることに願いを込めて、ご来店をお待ちしております。
「ミシマ社の本屋さん」6月の営業日について
6月の営業日は、6月23日(日)です。営業時間は12時~17時です。
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ミシマ社の本屋さん(京都オフィス併設)
〒602-0861
京都市上京区新烏丸頭町164-3
TEL:075-746-3438
http://www.mishimasha.com/kyoto/
https://twitter.com/mishimashabooks
皆さまのご来店、お待ちしております!