第3回
イスラムが効きました! ~ミシマ社メンバー編~
2019.02.21更新
今週末23日(土)、『イスラムが効く!』が発刊になります。本書の編集過程で、何度も原稿を読んできたミシマ社メンバー一同、徐々にそれぞれがイスラムの効き目を感じている様子です。本日はそんな現場からの声をお届けいたします。
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虫歯の憂鬱に効く!:モリの場合
この数年、歯科検診のたびに虫歯が発見されて悲しくなっていました。あのとき食べたお菓子がいけなかったのか・・・。安い歯磨き粉を使っているのが悪いのか・・・。と憂鬱に思っていたのですが、イスラームでの病気についての話で「物事の見かけ上の連鎖を引き起こす真の原因は神である、という考え方」(p.106)に触れて、やや気が晴れました。何が悪かったわけでもなく、運命として虫歯になったので、粛々と治療して、テキパキ歯磨きしようという気持ちになれました。
「俺って心狭いなぁ」に効く!:イケハタの場合
少しだけ人にやさしくなった・・・かも。やはり誰かがミスをすると、ついその人を責めてしまいがちで、そのたびに「俺って心狭いなぁ」と自分に対しても嫌な気持ちになっていたのですが、すべては神の思し召し、そうなる運命だったのだと思うと、「じゃあ、責めても仕方ないか」とラクな気持ちに。今まで、自分で自分の首を締めていたんだなぁと感じます。(本書p.30のあたりのお話が特に印象的でした)
商売感覚に効く!:ワタナベの場合
p.37で中田考先生が"「お客」という言葉自体、日本では非常に特殊な使い方をしますね。"と指摘していますが、「お客様は神様」なんてイスラムの人たちは考えません。神様だったらお金を取ってはいけない。お供え物をしなければいけない、という中田先生の指摘に、確かにそうだと膝を打ちました。そういう日本人固有の「無意識レベルの身体感覚」がこの本を読むとどんどん顕在化します。私は、商売感覚が鋭くなるのを感じましたね。
真面目すぎる性格に効く!:ノザキの場合
ミシマ社の本のうち、みなさんにオススメしたい本はいくらでもあるのですが、そのなかでこの本は、「自分への本だ」と本気で思いました。目の前のあらゆることに真面目になりすぎて、周りからは、頑張りすぎないように、無理をしないようにと声をかけられ、気のおけない友人からは、「あんた生きにくそうだよね」と言われる。自分でも、もうちょっと肩の力を抜いて、気楽に毎日を過ごせたら、とは思うものの、そうはいってもちゃんとしないと、と思ってしまう。心配事が山ほどあって、もうどうしたらいいものか・・・。もしも、一人でも「私も同じ」と共感してくださる方がいるとしたら、これは間違いなく、あなたの本です。
冒頭から、ガチガチに固まった「日本人」のルールがすうっとほぐれていく言葉が詰まっています。これから新年度が近づいてくるにつれ、新たな環境で慣れない生活が始まる方もいると思いますが、だいじょうぶ、だいじょうぶ、なるようになる。この本を読むと、そんな気持ちがきっと芽吹きます。
失恋に効く!:京都府・ミシマンさんの場合
本づくりに効く!:ホシノの場合
本書の帯は、最後の最後まで、帯コピーに改良を重ねました。その結果、デザインを担当してくださった文平銀座さんに、度重なる修正をお願いすることに・・・。申し訳ない気持ちで担当のヨシダさんに電話をしたところ、「いえいえ、この本に書いてあるとおり、イン・シャー・アッラー(神が望みたもうならば、本書p.26参照)ですから」と言われて、一気に心が軽くなったのでした。ミシマ社内でも「イン・シャー・アッラー」が飛び交うこの頃です。
ブルーな冬の朝に効く!:デッチ・スガの場合
冬の朝って、嫌なことばかり思い出しませんか? 僕もなぜか自分の反抗期の頃を思い出したりして、毎朝ブルーです。しかし、こんな時にもイスラムが効きます。
イスラムの考え方では、人が天国に入れるのか地獄に落ちるのかは、その人が蓄積した「善行ポイント」と「悪行ポイント」を、はかりにかけて決めます。でも、この「はかり」がとんでもないどんぶり勘定で、善行ポイントは700倍(!)にしてくれたりするそうです。この話を聞くと、「前は迷惑をかけてしまったけど、今度どこかで善行をしたら帳消しだ」と、なんだかいいことをしたくなってきませんか?
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「イスラム」という言葉に距離を感じる、という方は多いかもしれません。でも、もっと肩の力を抜いて、その発想を知ると、実際に自分たちに「効く」ことを実感できると思います。本書がそのきっかけになったら、とても嬉しく思います。