気のはなし

第4回

「謎の症状」募集しています! ~「健康番長若林理砂先生のバッチコイ!」傑作編

2023.01.26更新

 毎日1本以上の記事を掲載している「みんなのミシマガジン」。そこに3年以上前に掲載されたにもかかわらず、なぜか常に高いアクセス数を誇り続けている記事があります。
 それが、下記に再掲する「健康番長若林理砂先生のバッチコイ! 第7回 歩くと体がかゆくなります」です。

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 おそらく、外部の検索機能で「歩く 体かゆい」などと検索して飛んでこられる方が多いのだと思うのですが、世の中に、そんなに歩くと体がかゆくなる人がいるのか! と、常々社内で話題になっておりました。

 でも考えてみると、原因がよくわからず、人に言うほどでもなく、病院にかかるほどでもない、謎の症状って、けっこうありませんか?
 たとえば私(編集ホシノ)は、日陰の場所から日が当たる場所に出ると、95%くらいの確率でくしゃみが出ます。それを若林先生になんとはなしに話したところ、「あー、そういうのって意外と、その人の体質と関連していて、東洋医学で説明できることもあるんですよ」とのお話。なんと! それは知りたい!

 今どき、ネットに様々な情報はあふれていますが、これまで『絶対に死ぬ私たちがこれだけは知っておきたい健康の話』『気のはなし~科学と神秘のはざまを解く』の2冊の本をご執筆いただくなかで、若林先生の圧倒的知識量と臨床のご経験、そしてほがらかなお人柄に接してきて、そんな謎の症状を先生に質問する機会ができたら、すごく面白くためになるのではないか! と思い、今回イベントを企画しました。

2月3日(金)開催! 若林理砂「この症状、「気」のせいですか??」

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<開催日時>
2023/2/3(金)19:00〜20:30(オンライン配信)
※イベント翌週に、申込者全員にアーカイブ動画をお送りします。
※アーカイブ動画は2023年3月5日まで、何度でもご視聴いただけます。

<参加費>
1,650円(+税)

イベントお申し込み

本イベント協力書店で、若林先生のミシマ社本ををご購入の方には、無料視聴特典チケットをおつけします!

協力書店リスト


 今日は、イベントのイメージをつかんでいただくためにも、「健康番長若林理砂先生のバッチコイ!」に過去に掲載された謎の症状と回答の中から、編集部が選んだ傑作編3本をお届けします。

歩くと体がかゆくなります。(冷乾タイプ、10代、女性)

アツガーリー.jpg ちょっとそこまで5分、10分歩く分には問題ないですが、それより歩くと足がかゆくなってきます。まず、太ももがかゆくなり、ひどい時はふくらはぎや腕までかゆくなります。4年前にじんましんになり病院にかかり薬を服用していくうちに1年ほどで治りましたが、一年ほど前からこのようなことに悩まされています。季節は関係ないですが、寝不足や悩み事があるとかゆくなりやすいです。運動をほとんどしないことが原因でしょうか。食べ物はおにぎりやパン、煮物を食べることが多いです。かゆみを治したいです。どうしたらいいですか。

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りさ先生.jpg 皮膚のかゆみ、それも運動するとかゆくなるということですね。毛細血管に血液が流れるとかゆくなってしまうということですねえ。これは、仰る通りほとんど運動をしていないから、血流が改善するという「良いこと」が原因でかゆみが起こってしまうのです。お風呂に入ったときにかゆくなることはないですか? もしもそういう現象もあったら、間違いなく血流が原因になっています。

 さて、では解決策はどうしたらいいかというと。まずは運動なんですね(笑)。動かしてあげて、末梢の血流をいつも流れているように仕向けてあげることが大切。こうすることによって、血管が押し広げられた時にかゆみ物質が発生しちゃうという事態が起こらなくなります。まずはここから始めてみましょう。

 東洋医学的な解決方法で注目したいのは、冷乾タイプであること、炭水化物偏重の食事になっているという自覚があることです。ひょっとしてむくみやすかったりしませんか。多分、脾胃がおかしくなっていて、肌肉に異常が起こっているのだと思います。そして、皮膚を守るための衛気(えき)が足らなくなっていて、蕁麻疹が出たり、謎のかゆみが出たりしていますね。まずきちんと寝てください。そうすると気が足りるようになってきます。そして、炭水化物を減らしてたんぱく質量を確保してください。具体的には、卵とか鶏肉とか、おさかなとか、乳製品とかです。

 また、寝不足や悩み事があるとかゆくなりやすいというのも東洋医学的にはわかりやすいですね。これは気血の運行失調を起こす原因と考えられるのです。結局のところ一番簡単な解決策は軽く運動して良く寝ることになってしまうのですけれどね。ちょっとがんばってみてください!

手汗が止まりません。(熱乾タイプ、20代、男性)

アツガーリー.jpg 基本的に乾燥肌なのですが手のひらだけ汗っかきです。手に関しては常に潤っているのですが緊張すると水浸しになります。恋慕う異性と手を繋ぐ際に相手に引かれてしまわないか心配です。手汗を抑えるツボや方法はないでしょうか。

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りさ先生.jpg あああ。手汗ね〜。あなたの「恋い慕う」って表現が素敵ねえ・・・。うん、わかるわかる。これは、精神性発汗というもので、交感神経の緊張で汗か出るのよ。同じく緊張によって発汗するところがあって、脇の下と足の裏、頭なのね。わたしこの間、カポエイラの稽古中に、初めて担当する打楽器を叩いたのだけど、一気に脇の下に発汗したわね・・・。

 精神性発汗はからだの自然な反応なので、完全に止めることはできません。ですが、からだに過度な緊張を起こさないことで汗の量を抑えることはできるかな。

 相談者さんは普段、運動習慣はありますか? 日常的に運動で発汗しておくことで、全身の汗腺の働きを良くしておくことで、一部分に過度な発汗が起こるような自律神経の過剰な反応を減らすことができます。乾燥肌らしいし、おそらく身体全体の発汗量が少ないんではないかなと思います。

 また、副交感神経の訓練として、呼吸法もおすすめします。呼吸法はシステマで習うといいと思うよ。

 リラックスだけを追求するとうまくいかないのが呼吸法だし、場合によってはスピリチュアルな方面にはまり込んでしまったりもするのね。精神性発汗をコントロールするのに、スピリチュアルは必要ないからね。

くしゃみが沢山出ます(冷乾タイプ、20代、女性)

ハナミン.jpg くしゃみが沢山出ます。一度に三回は当たり前、多いと十回連続出ることも。症状は小学生の頃からあり、年間を通してのことなので、花粉症ではないと思います。市販の点鼻薬は効果を感じられませんでした。
 くしゃみのし過ぎで頭がボーッとする、体がダルい、ということもしばしば。どうにかおさめる方法がないか、アドバイスいただきたいです。

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りさ先生.jpg 東洋医学ではくしゃみのことを、「噴嚏」って書きます。これは、肺が弱くて、肺から気が逆巻いてしまうというものだと考えられているのです。相談者さんは冷乾タイプでいらっしゃるから、肺と腎がたぶん弱いタイプだと思うんですよね。この二つが弱いと、気の量が少なく、巡りも悪いって考えるのです。おそらく皮膚も弱いと思います。市販の点鼻薬が効かないものまあ当たり前と言えば当たり前。問題はそこじゃないですからね。

 くしゃみのし過ぎで頭がぼーっとする・・・これは、東洋医学だと、肺の気が外に飛び出しすぎて腎に戻らなくなるためと考えるのですよ(笑)。呼吸すると、大気から「天の気」を体に取り込むのですが、こいつは臍下丹田、腎のタンクみたいなところに納められるとされます。くしゃみしてると、ここまで気がおりてこなくて、頭に登りっぱなしになり、結果的にだるいとか、ぼーっとするという症状につながるって言うんです。

 西洋医学的に言うなら、これは気温差による反応ではないかと思います。自律神経系の問題ね。寒冷蕁麻疹とかって聞いたことないですか? あれは寒さ刺激でカラダが勘違いしてしまい、蕁麻疹という炎症反応が起こってしまうものです。止まらないくしゃみというのは、寒さの刺激を体に害のあるものと勘違いしてしまい、くしゃみという外的を排除する反応を繰り返し体に起こさせてしまうというものです。

 こういう場合は、おおもとのからだの力を増やすことに注力します。まずは、睡眠をきちんと確保し、食事の量をしっかりとって、カラダに少し厚みを作ってください。そして、腎を強化するということで、足腰を強化ですね。よく歩くこと! 

 ペットボトル温灸では湧泉、太白、経渠あたりを使います。とにかく体力を増やすことが大切。がんばってねー。


 みなさまもぜひ、イベントに参加して、「謎の症状」を投稿してみていただけたらと思います! ご参加お待ちしています!

イベントで解説いただく「謎の症状」大募集!

本イベントに合わせて、皆さんが気になる「謎の症状」を募集いたします。

・謎の症状の内容(30〜200程度)
・いつ頃から?
・特定の条件下で発生する場合はその条件
・体質タイプ(『絶対に死ぬ私たちがこれだけは知っておきたい健康の話』p63~65の診断テストにて判定ください。不明の場合は無しでもOKです)
・年齢(10代、20代等でOKです)
・性別(無しでもOKです)
・舌のカラー写真を添付(無しでもOKです)

ご投稿はこちら

ミシマガ編集部
(みしまがへんしゅうぶ)

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