第5回
書店員さんからのコメントを紹介します
2018.08.26更新
今月末に『奇跡の本屋をつくりたい〜くすみ書房のオヤジが残したもの』が発刊となります。多くの人に愛されながらも、2015年に閉店した札幌の書店「くすみ書房」の店主、久住邦晴さんの未完の遺稿を再編集し、書籍化したものです。
ミシマガの「奇跡の本屋をつくりたい」のコーナーでは、本の編集に込めた思いとは? くすみ書房ってどんな本屋さん? 著者の久住邦晴さんってどんな人? そんな疑問にお答えしつつ、くすみ書房店主の久住さんと親交のあった方々や書店員さんからのコメントなど、盛りだくさんでお伝えしていきます。
第5回目の本日は書店員さんからのコメントをご紹介します!
ミシマ社では、発刊の前に本屋さんにゲラ(原稿)をお送りします。それと一緒に本を読んだ印象やコメントを書いていただく「感想シート」もお送りするのですが、今回の本では、同じ本屋さんが書いた本ということもあってか、いつも以上に熱のこもったコメントをいただきました。
くすみ書房さんが書店員の心にまいた種を少しでも自分のお店で育て、実を結ぶことができたら、どんなに素敵でしょう。書店員としてできる事、まだまだ頭をやわらかくして考えていきたいです。
――今村さん(TSUTAYA西宝店)
本は人として生きていくためのライフラインである。だから街に本屋は絶対的に無くてはならない。しかし文化の砦である本屋を守り続けていくのは何と困難なことなのだろう・・・。読んでいて心が打ち震えた。涙が止まらなかった。ひとりでも多くの方にこの尊い闘いを知ってもらいたい・・・。この国の未来はこの一冊の中にある!!
――内田剛さん(三省堂書店営業企画室)
くすみ書房さんとまったく同じ環境にいる気がします。家族のため、社員のため、私たちの本屋が好きなお客様のため、がんばらなければと思わせて頂きました。
――大橋崇博さん(流泉書房)
ここ数年書店業界は更にしんどくてネガティブな話題が多いですが、「やれることは全部やる」「ともかく動く」そして本の魅力を信じ本屋の可能性を信じて走り続けてこられた久住さんの姿に励まされる書店人、また書店のみならず壁にあたっている人は多いのではないでしょうか。久住さんの新発想の書店の姿をみてみたかった。いや、この本を読んで書店員が久住さんの思いを受けて、創っていかなくてはと思います。
――塚中良平さん(学運堂)
本屋の仕事はのめり込めばのめり込むほど苦しくなり、自身も消耗してしまう。生活を顧みず、命を削り、ビジネスとしても破綻、その顛末を嗤う者もいるだろう。だが日本の本屋の文化を支えて来たのは、間違いなくこうした先輩方である。私たちはどういう形であれ、先輩方が切り開いてくれた土壌の上に立って仕事をしている。この本を感動だけで終わらせてはいけない。私たちはもう次へ進まなくてはならない。
――日野剛広さん(ときわ書房志津ステーションビル店)
こんなにも誠実でまっすぐなお店を構えていた店主がいたのか・・・とただただ驚愕した。久住さんのスピリットを受け継ぎます! そんな事は軽々しく言えないし、できない。私は私の生き方でしか生きられない。その先に"奇跡"というものが起こるのではなかろうか? そんな気がした。
――横田かおりさん(本の森セルバ岡山店)
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いよいよ、来週28日(火)の発刊となります。お手に取ってくださいませ。
編集部からのお知らせ
出版記念イベント「奇跡の本屋をつくりたい〜くすみ書房のオヤジが残したもの展」を開催します
日時:2018年8月28日(火)~9月24日(月)
10:00~20:00 年中無休
『奇跡の本屋をつくりたい〜くすみ書房のオヤジが残したもの』(久住邦晴著・ミシマ社刊)発売を記念して、同タイトルの展覧会を、札幌の新古書店 書肆吉成にて開催します。長女で写真家のクスミエリカ氏が撮影した記録写真をメインに、くすみ書房ゆかりの品や書籍の生原稿などを展示します。
〈オープニング&トークイベント〉
日時:2018年8月28日(火)
17:00~ オープニング
18:00~19:30 中島岳志×矢萩多聞×三島邦弘×クスミエリカ トーク(入場無料)