第18回
ミシマ社メンバーが推す! 2019年ミシマ社の本(前半)
2020.01.04更新
あけましておめでとうございます! ミシマガ編集部です。
今年も一年間毎日更新してまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、昨年のミシマ社は14冊を発刊しました。掲げている「小さな総合出版社」の言葉通り、さまざまなジャンルの本を出版致しました。さらに7月には新レーベル「ちいさいミシマ社」をスタートするなど、ミシマ社にとって大きな一年となりました。
本日は、昨年の前半に発刊した本をミシマ社メンバーが紹介します!
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2019年1月刊
オカダ 今この文章を読んでいるあなたは、身長3cmだったことがあります。人類はみんな、お母さんのお腹の中の極小の存在から始まっています。でも、その頃のことを誰も知らない。この本を読むと、人間が発生して産まれる時に、人生最初の(もしかしたら最大の)ドラマがあったことが分かります。増﨑先生のほがらかな語り口と最相さんの鋭い質問で、知られざる胎児の世界が明らかになる、読み逃せない一冊です。
2019年2月刊
ホシノ 何か困りごとがあるときに、自分で思いつく解決策の案の数というのは、それほど多くありません。そして、何だかすごく行き詰まったような気持ちになって、閉塞感を感じてしまうこともあります。本書では、仕事、セクハラ、介護、家族の問題から心の病、世界平和まで、「イスラムの視点だったらこうとらえる」という知恵を投げかけてくれます。自分の手持ちの解決案とはまったく違う次元の知恵(お金も能力もあればあるほど試練とか、病気は、来世の罰の前借りとか)に触れて、それだけで目の前が少し明るくなる一冊です。
2019年3月刊
イケハタ 2014年1月ミシマガジン連載スタート、翌2月から「数学ブックトーク」を数ヶ月おきに開催と、群を抜いて濃いお付き合いをしていただいている森田さん。5年越しで結実した森田さん初の随筆集が本書です。森田さんの言葉は、同じ言葉であっても、出会うたびに違った聴こえ方がして、それ自体が贈り物のよう。ちょうど2014年4月に入社した私自身も、先日父となり、また森田さんの言葉に出会い直しています。ずっとそばに置いておきたい一冊です。
2019年4月刊
ノザキ 益田ミリさんによるエッセイ集です。各エッセイのタイトルがしりとりでつながっていて、ページをめくれば、しあわせが、どんどんつながってゆく。一冊のなかで、にやにや笑っていたかと思えば、ほろほろ涙が出ていたりする。人生のいろんな瞬間が、ぎゅっと詰まった一冊です。大島依提亜さんによるとっておきの装丁も、ぜひ手にとって楽しんでください。
2019年5月刊
タチ 能楽師である安田先生が、音楽、宗教、テクノロジー、各分野で活躍する「すごい」人たちに『論語』を投げかけていきます。各人の持つ深い専門知識に反応してその場で新たな視点が生み出されていくその過程はまさに作中にもある「温故知新」の本来の意味そのものを体現しています。中でも衝撃的なのは、「仁」の話。孔子も明言していない「仁」の正体を「ヒューマン2.0」という新たな視点から考えてみると・・・? 一度読めば後戻りは出来ません。衝撃的かつ危険(?)な一冊ですので、用法用量にはくれぐれもご注意を・・・!
2019年6月刊
ハセガワ 「ホホホ座」は京都の浄土寺店をはじめ、全国各地に点在していますが、フランチャイズでものれん分けでもなく、ただ店名を共有しているだけ。そんなおもしろ集団の「反省文」から聴こえてくるのは、意外にも(?)個人店主たちのリアルな声です。夢や希望を持ってはじめた店が、つづけるほど自分にのしかかってくる。そんなことを、時に真面目に、時に斜に構えて語る著者お二人の言葉は、毎日を「生活する」私たちにもまっすぐひびいてきます。
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次回は後半(7月〜12月)に発刊した本の紹介です!