第43回
京都・横浜で「ミシマ社の本屋さん」を出店します!
2022.09.17更新
こんにちは! ミシマガ編集部です。本日は、来週末、そして来月に私たちが出店する「本屋さん」についてご案内します!
ミシマ社京都オフィスにて併設していた小さな本屋「ミシマ社の本屋さん」が2022年7月をもって終了することになりました。
コロナ下により長らく休業していましたが、これまで本が好きな方、ミシマ社が好きな方、ふらっと立ち寄ってくれた方、ミシマ社サポーターの方や海外からのお客さまなど、たくさんの読者の方に足を運んでいただきました。
わたしたちミシマ社メンバーにとっても、出版という本作りの過程に留まらず、読者のみなさまと実際にお話しできる大切な場所であっただけに名残惜しい形ではありましたが、この度東西でミシマ社の本屋さんをイベント出店することになりました! ぜひまたみなさんとお目にかかれると嬉しいです。
この記事では新人ふたりの手売り体験記とともに近日参加するイベントを紹介します!
ハレトケ市@京都
こんにちは。京都オフィスの大堀です。
私たちは9月25日に京都市内で開催される第2回ハレトケ市に出店します!
京都の紫野・西陣地区のお店を中心に、たくさんの素敵なお店が集まるハレトケ市は、「Think globally. Act locally(地球規模で考え、足元から行動する)」という想いのもと、環境(地球・自然)に負荷をかけず、できる限りゼロ・ウェイスト(ゴミや無駄をゼロにする)な市を目指し、出店者さんとお客さんができることに取り組んでいるイベントです。
ミシマ社の本屋さんの店頭では、9月15日に発刊を迎える2冊の新刊『偶然の散歩』(森田真生・著)、『ぼけと利他』(伊藤亜紗・村瀨孝生・著)をはじめとしたミシマ社の書籍や、Tシャツや一筆せんなどのミシマ社グッズを、ミシマ社メンバーが手売りします!
左から『偶然の散歩』と『ぼけと利他』
今春に開催された第1回ハレトケ市では、ブースにちゃぶ台を持ち込み、みなさんに自由に使っていただく「共有地」として開放していました。子どもたちがお絵描きをしている横では、特別に公開していた制作まっただ中の『ちゃぶ台9』のゲラを真剣に読んでくださっている方がいる、といったとても豊かな空気が流れていました。
前回のハレトケ市の様子
入社して間もない頃、ミシマ社の一員としてはじめてお客さんと接する場がハレトケ市でした。本屋さんとはまたちがい、たまたま訪れた人がふと気になって足を止める。そこで思わぬ本との出会いがあったり。「普段本を読まない」という中学生の女の子に一冊おすすめしてみたり。長年ミシマ社サポーターになってくださっている方が会いに来てくださった場面もありました。
本という制約からまた大きくひらかれた場での、本を通してつながっていく人の輪が心地よく新鮮でした。実際に読者の方とお会いする機会というのはなかなかないので、第2回もとても楽しみです。
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今回、再びハレトケ市に出店するにあたり、私たちもなにか行動できることはないか?
そんな想いで「出版」という自分たちが立っている足場を見直してみました。
すると改めて見えてきたのは、たくさんの本が読者のみなさまの手に渡ることなく廃棄されている、という現状。
通常、書店から返品された書籍はカバーを巻きなおすなどの「改装」と呼ばれる作業を経て、再び別の書店店頭に並びます。
ただ、書籍の本体に傷や汚れがついてしまったものは、断裁され処分されてしまっている、いわゆる「B品」がたくさんあるのです。
その中には、読むのにはまったく支障のないものも少なくありません。そんな不必要に廃棄されてしまっている本を少しでも減らし、活用することはできないか?
本づくりの立場から、地球環境のためにできる一歩を、このハレトケ市から実現できればと考えています。
具体的な取り組みについては、詳細が決まり次第、お知らせします。
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前回のハレトケ市はコロナ禍以降、私たちも久しぶりにお客さんに手売りできる機会となり、ほんとうに充実した時間を過ごすことができました。
「この本おもしろかったです」といったお客さんとの会話から次におすすめの本をご紹介したり、その本を読んだ方が考え・行動されたことをお聞かせいただいたりと、本を通じてたくさんの方とお話ができ、改めて本の持っている力を実感しました。
今回もそんな時間を過ごせることを、メンバー一同とても楽しみにしています。
ハレトケ市
日時 : 2022年9月25日(日) 10時〜16時
場所 : 今宮神社境内 (京都市北区紫野今宮町21)
運営 : ムラサキノハレ
「妙蓮寺 本の市」@横浜
こんにちは。自由が丘オフィスの西尾です。
先日7月23日と24日の二日間、浅草台東館で行われた出版社主導の書籍販売イベント「BOOK MARKET 2022」に、ミシマ社も参加しました。初の手売りイベント、ものすごく楽しかったです!!
普段、出版社で働いていると書店員さん以外の方から、本の感想を聞くということが、ほとんどなく(読者ハガキはもちろん、いつも楽しく読ませていただいています!)、熱量のある感想を直接いただけるというのは変え難い喜びでした。
お客さまとお話しをしていると、本との出会いって、色々あるなあと思いを馳せずにはいられませんでした。
たとえば『となりのイスラム』を購入したお客さまは、「イスラム教徒の方が、となりに引っ越してきたから」と言ってくださいました。また『奇跡の本屋を作りたい』を読んで本に携わる仕事をしたいと思い、今は図書館司書を目指している、という大学生にも出会いました。
手売りを通じて、出会えた数々の方との出会いはかけがえのないものでした。
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来月の10月22日(土)に、横浜市・妙蓮寺駅(東急東横線)の近くにある古民家HUGで開催される、「妙蓮寺 本の市」に出店します!
会場がある妙蓮寺の町は、大型ショッピングセンターなどの大きな建物がなく、駅から昔ながらの商店街が続き、八百屋さんの声が聞こえてきたり、意外なところに短くて味わいのあるアーケードが現れたりと、平川克美さんの『小商いのすすめ』や『共有地をつくる』に出てきそうな、とても居心地の良い町です。『ちゃぶ台8』で取材した、本屋・生活綴方さんがある町でもあります。
そんな妙蓮寺で「『本と人』『人と人』との出会いや交流の場を作りたい、また、妙蓮寺の地域のみなさまにも親しまれ、妙蓮寺の魅力も感じていただけるようなイベントとなれば」という思いから企画されて、これまで2回開催されてきた「本の市」に、ミシマ社も初出店します。
古本や紙もの文具販売の出店や地元のパン屋さんの出張販売など、町のおだやかな雰囲気とぴったりのイベントになりそうです!
舞台となる、緑に囲まれた素敵な古民家(以前の開催についてや会場の様子はこちらをご覧ください。また、「本の市」の運営メンバーが『本の市の本』というzineを制作されています)で、のんびりと読者の皆様とお話したいと思っています!
「妙蓮寺 本の市」第3回
日時:2022年10月22日(土)
11:00〜17:00
会場:古民家 HUG
神奈川県横浜市港北区菊名2丁目17−13