第61回
今週末はブックマーケット! ミシマ社ブースを大解剖
2023.07.13更新
こんにちは。自由が丘オフィスのスガです。
いよいよ今週末の15.16(土日)はBOOK MARKET2023が開催です!
先日のミシマガにある通り、意気込んでこのお祭りに臨むミシマ社一同。その後いろいろと仕掛けが進みました!
本日はミシマ社ブースを大解剖します。
(7/14設営しました 以下同)
①関東初上陸!「捨てないミシマ社」コーナー
本屋さんに卸した本の数% から何十 % は「返品」されます(業界の返品率は 30~40%)。その返品された本のうち大半は、カバーを巻きなおす、汚れをとるなどの改装を経て再出荷されます。が、どうやっても再出荷できないほど、傷んだり汚れたりしたものも、少なくありません。そういう本たちは断裁・焼却されるのが業界の通例で、私たちミシマ社でも何度か、泣く泣く、その判断をしました。そのたび、わが身を燃やされ、傷つけられるような痛みをおぼえずにいられませんでした。
昨年、循環社会をめざすイベント「ハレトケ市」で、傷み本たちを「復活本」と名づけ、定価販売しました。すると、とても多くの人たちに喜んで買っていただけたのです。外見にはすこし傷があるかもしれないが、中身はまったく変わらない。一冊の価値はまったく同じ。その思いが、証明されたような瞬間でした。
このような経験を踏まえ誕生したのが、「捨てないミシマ社」レーベルです。断裁・焼却するしかないと思われていた本たちを集め、「新たな商品」とし
て生まれ変わります。
できるだけ捨てない――。出版界に気持ちのいい循環が生まれるひとつの動きになればと願ってやみません。
2023 年 7 月 ミシマ社 三島 邦弘
先日、京都で開催のハレトケ市で、従来だったら処分されていただろう書籍を「捨てないミシマ社」の本として販売する取り組みを行いました。お手に取っていただいたお客様から、「これだけで断裁するの?」という反応が多く、改めて「捨てないミシマ社」の本を届ける意義を確認しました。
今回のブックマーケットでも、捨てないミシマ社のコーナーをつくります。ぜひ新しい取り組みを知っていただけると嬉しいです。
②スペシャル企画!『みえないりゅう』先行販売&『ここだけのごあいさつ』全冊サイン本展開
来週金曜日(7/21)に発売日を迎える、ミロコマチコさんの『みえないりゅう』。ブックマーケットで、一足お先にお届けします!
また、弊社代表ミシマの新刊『ここだけのごあいさつ』(ちいさいミシマ社)。今回このブックマーケットのために、普段弊社の書籍をご愛読いただいている感謝を込めてサイン本を制作しました。
※『ここだけのごあいさつ』ご購入の方には、「ミシマ社サポーター新聞」をプレゼント! サポーター新聞の巻頭連載(直筆)から本書は生まれました。
③ブックマーケット限定フリーペーパー「学生のお手伝い デッチとつくるミシマ社のごあいさつ」
今回のブックマーケットは、来場特典のフリーペーパーを制作しました。その名も「学生のお手伝い デッチとつくるミシマ社のごあいさつ」。
いつもミシマ社の活動を力強く手伝ってくれている「デッチ」のみんなに、ミシマ社のことと最近気になっていることを聞いてみました。
本日はそのペーパーから抜粋し、デッチ5人がおすすめする本を紹介します。
●大成海さん
<いま気になっていること>1袋37円の焼きそばを飽きずに美味しく食べ続ける調理方法
『岩とからあげをまちがえる』大前粟生
デッチになって初めて買ったミシマ社本。例えば、喫茶店で一息ついたり、あるいは雨に打たれて家に帰ったり、そんな時にちょうどよい優しさで抱擁してくれます。でもぼくは岩とからあげを間違えたことはありません。
●菊地彪さん
<いま気になっていること>停留所でバスを待つときの、迷惑にならず確実に乗れる距離を立ち位置を模索中
『東京あたふた族』益田ミリ
人生には三つの坂があるという。上り坂、下り坂、まさかである。ミリさんはその坂たちを、時には忙しく、時にはゆっくりと、時には変な歩き方で嗜んでいるのだと思う。そして坂に対しての一歩一歩にミリさんらしい芯がある。だからこの本は温かいのである。
これ以上私が語ることは無粋である。ぜひ本を手に取って読んで自分で感じて欲しい。
●北村 凪さん
<いま気になっていること>南インドカレーの魅力にはまり、スパイスについて探求中。
読み終えたあと、ふと小学生の頃の友だちや今そばにいる人、街ですれ違う人の日々に思いを馳せたくなりました。大杉祥子さんの装画や脇田あすかさんによる装丁も素敵で、ずっと手元に置いておきたい大切な本です。
●松嶋梨里さん
<気になっていること>類義語の一見置き換え可能なそれらの意味の違いについてゼミで考えています
『偶然の散歩』森田真生
数学のこと、言葉のこと、時には先人たちと共に展開される静謐な思索の散歩は、幼い息子さんの声の登場でにぎやかに色を変える。そんな偶然の日々と呼応するように本文用紙が変わる瞬間が楽しくて、何度もページをめくりたくなる本です。
●柳澤あおさん
<いま気になっていること>就職活動の際の服装について。現在絶賛就活中&ピッツァ職人の店でバイト中。
『ピッツァ職人』井川直子
もちろん、井川直子さんが書かれた「ピッツァ職人」です!ピッツァ職人たちの生き様に迫ったノンフィクション本で、ピッツァの歴史からピッツァ業界の裏側まで、ピッツァ好きには堪らない一冊です。
※15日(土)の14時から、『ピッツァ職人』著者の井川直子さんが来店! ご著作購入の方にはサインも!
デッチのおすすめ本、どれも取り揃えております。また、特典ペーパーに書かれている「デッチがいま気になっていること」がなかなか面白いです。個性的なメンバーが多いミシマ社デッチが最近考えていること。笑えるものからうなずかされるものまで、ぜひご一読いただきたいです。
今回のミシマ社ブースをご覧いただけると、日頃の活動からこれから取り組むことまで、改めてミシマ社のことを知っていただけると自負しております。ミシマ社の日常をまとめた1枚の大きなパネル、代表ミシマの新刊『ここだけのごあいさつ』、ご好評の「ミシマ社通信」(これを読んだことが、当時私がミシマ社のデッチになったきっかけでした)のバックナンバーなどのおまけ、そして「捨てないミシマ社コーナー」。気になるものがあったら、ぜひブースで店番をしているミシマ社メンバーにお声がけください! 直接お話しできる時間を心待ちにしています。