第30回
校了目前! あたふた編集チームが、『ちゃぶ台10』の見どころを紹介します
2022.11.07更新
こんにちは。ミシマガ編集部です。
生活者のための総合雑誌『ちゃぶ台10』の発刊日が、いよいよ1カ月後に迫ってきました!(12/10(土)、リアル書店先行発売)。
ミシマ社編集チームは、校了に向けた怒涛の大詰めを迎えています。
2015年に創刊された『ちゃぶ台』は今号で10号目。10回目の制作とは思えぬ(?)あたふたな状況ですが、それも今号を最高におもしろい一冊とするため。最後まで心を込め、粘りに粘って編集中です!
本日は、『ちゃぶ台10』の最新情報と見どころをお届けします!
装画は、益田ミリさん!
記念すべき10号の装画は、益田ミリさんに描き下ろしていただきました!
『ちゃぶ台10 特集:母語ボゴボゴ、土っ!』ミシマ社・編(ミシマ社)
猫たちの、かわいくて不思議な暮らし。家の細部や、それぞれの猫の動きにじ~っと見入ってしまいます。
表4(裏表紙)を見るとさらなる発見が! ぜひ、本屋さんで現物をお手にとってご確認ください。
特集は「ボゴボゴ」・・・?
今号の特集名は、「母語ボゴボゴ、土っ!」。(※「ぼご、ぼごぼご、つちっ!」と読みます。)
母語と土? そして、「ボゴボゴ」とは・・・?
本誌は、国家や学校からあたえられた「母国語」ではなく、もっとのびやかで、固有の、血の通ったことば「母語」の力を信じて、編集されました。
それぞれの読み物には、私たちの暮らしからボゴボゴ!っと湧き出てきたような言葉が詰まっています。
特集に寄せて、編集長の三島が綴った「巻頭言」はこちらからお読みになれます。
執筆陣と読み物のタイトルをご紹介します!
益田ミリ 「英語と私」(エッセイ)
ウスビ・サコ 「サコ先生、『母語』ってなんですか?」(インタビュー)
津村記久子 「オブラートは永遠に」(エッセイ)
伊藤亜紗 「会議の研究――話に花が咲く」(論考)
三好愛 「近寄りたいのに」(絵と言葉)
斉藤倫 「クリップの王さま」(児童文学)
いしいしんじ 「こんにちは」(小説)
齋藤陽道 「恩言語を宿らせる」(フォトエッセイ)
土井善晴 「料理する動物」(随筆)
榎本俊二 「ギャグマンガ家山陰移住ストーリーPART9」(漫画)
藤原辰史 「民草論――山崎佳代子の言葉に触れて」(論考)
作・益田ミリ/絵・平澤一平 「秋田犬 AKITAINU」(漫画)
書店、再び共有地(書店レポート)
SANJO PUBLISHING〈新潟・三条〉
本屋ルヌガンガ〈香川・高松〉
中村明珍 「ボゴ・ダンス――日本語の話者としての」(エッセイ)
宮田正樹 「土と私のあいだ」(インタビュー)
滝口悠生 「泥棒と祭壇」(小説)
内田健太郎「はじまりの言葉」(エッセイ)
寄藤文平 「未来の描き方 その4」(絵と言葉)
三島邦弘 (ブックレビュー)
編集後記
「言語」と「土」の達人にインタビューしました
今回、特集に「母語ボゴボゴ、土っ!」を掲げるにあたって、私たちがまっさきにお話を伺いたいと願ったのが、ウスビ・サコさんと宮田正樹さんでした。
今号は、お二人へのロングインタビュー記事を掲載します。
*ウスビ・サコさんインタビュー「サコ先生、『母語』ってなんですか?」
いったい「母語」ってなんだろう? という疑問が浮かんだ私たちは、オンラインイベントMSLive!「ちゃぶ台編集室」にウスビ・サコ先生をお招きし、お話を訊くことにしました。
▼イベントの詳細とアーカイブ動画はこちらから。
サコ先生は、生まれたときから、バンバラ語、マリンケ語、ソニンケ語、英語、フランス語、中国語、日本語(関西弁)・・・といったたくさんの言葉とともに生活してきました。そんなサコ先生にとって、「母語」は存在するのでしょうか?
『ちゃぶ台10』では、ライブでのサコ先生の語りを、紙上で再現しています!
<こんなお話が読めます>
●文字ではなく「音」に頼ったら、外国語を話せるようになる
●マリの空港で突然、「お前、日本で泥棒してきたんかいっ!」と言われる
●お父さん側にもお母さん側にも、4つぐらいの言語のルーツがある
●国籍とアイデンティティは違う
●外国語を学ぶまえに、「母語」を大事にしないといけない?
***
*宮田正樹さんインタビュー「土と私のあいだ」
私たちの生活を支えている「母なる言葉」について考えていたとき、私たちは、周防大島の農家・宮田正樹さんの言葉を思い出しました。
今号の企画会議を行うために、今年5月に周防大島合宿をしたときのこと。編集メンバーが宮田さんの畑に伺うと、こんなことをおっしゃいました。
「野菜どうしは、離れて生えていても、根と根でコミュニケーションを取っている、そう感じるようになりました」
編集チーム、宮田さんの畑訪問の様子。
畑全体が生き生きと輝いていました。
宮田さんはこれまで『ちゃぶ台』に5回ご登場くださっています。薮やぶを人力で開墾して畑をつくり、自然農の方法で野菜を育てる宮田さんの言葉には、つねに、並々ならぬ土への愛がにじんでいて、大きなものに包まれるような安心感があります。
土の中には、まさに「母語」が眠っているのでは・・・? そんな感覚が生まれます。
<こんなお話が読めます>
●誰にでもできて、なるべくお金をかけない農業を
●手を足していくより引いていくほうが、野菜がおいしくなった
●畑の外から肥料を持ち込むと、生態系が崩れるのではないか
●畑の性格がわかってくる?
●土と私のあいだでの菌が往来することで、「身土不二」になる
これ以外にも、「母語」をいろんな角度から考え、楽しみ、味わうことのできる読み物ばかりが大集結します!
『ちゃぶ台10』は、12/10(土)リアル書店先行発売開始です。楽しみにお待ちください!