月刊ちゃぶ台

第43回

なんと「ちゃぶ台」の展示を開催中です!

2024.12.03更新

 こんにちは。ちゃぶ台編集部のスミです。
 いよいよ本格的に寒くなり、ミシマ社京都オフィスで働くにはレッグウォーマーが手放せなくなりました(私の場合)。
「なぜか急に苛立ったり、嫌なことを思い出したりしてしまうとき、そういえばお腹が空いていたり、寒いのを我慢していたり、眠たかったり、どこかが痛かったり......実は身体的な「不快」が先にあることに気がついた。そんな身体の声に気づいていないときが多いってことにも」。青山ゆみこさんが『元気じゃないけど、悪くない』にこう書かれているのを思い出し、できるだけ身体をぽかぽかにしようと意識する今日この頃です。みなさまもお身体お大事におすごしください。

 さて、そんな今、心がポッと温まる展示のお知らせがあります!
 その名も・・・

「『ちゃぶ台』編集室 in レティシア書房 〜ミシマ社の雑誌ができるまで!〜」

chabudaiten_laetitia.jpg

chabudaiten_laetitia2.jpg

 ミシマ社の雑誌「ちゃぶ台」をテーマにした展示を、京都の「レティシア書房」さんにて、今まさに開催中です。

会期:~2024年12月8日(日)
会場:レティシア書房(京都府京都市中京区高倉通二条下る瓦町551)
営業時間:13:00〜19:00(月・火定休)

 ミシマ社のご近所にあり、いつもとってもお世話になっているレティシア書房さん。その店主・小西さんから、ある日お電話をいただきました。
「おたくとこの、ちゃぶ台いう雑誌あるやん? あれ集めてフェアしたいんやけど。そんでギャラリー使って展示せえへん?」
 メンバーの心に火がつき「やります!!」と即答。今回の企画が動きだしたのでした。

「自分たちの手で、自分たちの生活、自分たちの時代をつくる」を掲げ、その手がかりをさまざまな切り口から探ってきた「ちゃぶ台」は、来年で創刊10年になります。
 本展示では、創刊号から最新の『ちゃぶ台13 特集:三十年後』までの取り組みをふりかえり、雑誌ができあがるまでの様子を展示しています。
 仕掛け屋ハセガワ&ちゃぶ台編集部渾身の、展示の一部をご紹介します!

①創刊の思い

chabudaiten_intro.jpg

 入り口にはまず、編集長ミシマが2015年に本誌を創刊したときの言葉が。

政治にもお金にも縛られることのない人生。
そんな生き方を可能にする時代を自分たちの手でつくっていきたい。
こんなことを考えたとき、何か参考になる雑誌はあるだろうか?
あれば誰よりも僕自身が読んでみたいな。
なければ自分でつくってみよう。

②壁一面にどわ~っ!

chabudaiten1.jpg

 そして壁じゅうに、記事、取材の写真、貴重な原画などが広がります!
 制作裏話やポイントを紹介する編集メンバーの「手書きふせん」もあちこちに。

③なんといっても周防大島

chabudaiten_suouooshima.jpg

 本紙創刊のきっかけは「周防大島」と出会いでした。島の風景や、そこに移住して暮らしてきた中村明珍さん、内田健太郎さん、宮田正樹さんたちのお写真を見ていると、心にふわりと海風が吹きます。ちゃぶ台のルーツを体感するコーナー。

④特集はどんなふうに生まれてる?

chabudaiten_tokushu2.jpg

chabudaiten_tokushu.jpg

移住×仕事」「教育×地元」「ふれる、もれる、すくわれる」「自分の中にぼけを持て」・・・けっしてわかりやすくはない、でも、編集部が「これだ!」と直感して熱い思いで掲げる、これまでの特集テーマをふりかえるコーナーも。

⑤たくさんの本屋さんに取材してきました

chabudaiten_shoten.jpg

 これからの時代の生き方、商売のかたち、「共有地」のあり方を探るべく、たくさんの本屋さんにお話を伺ってきました。現在も連載「書店、再び共有地」が継続中。

⑥貴重なデザインノート!

chabudaiten_design.jpg

 6号のリニューアル以降、装丁を手掛けてくださっているtentoの漆原悠一さんが、デザインを考える際のノートをお借りしました! 扉絵のスケッチ、題字のレタリング、幻の表紙案・・・とっても貴重な資料をご覧いただけます。

⑦お買い上げの方にみかんをお渡しします。

chabudaiten_backnumber.jpg

chabudaiten_books.jpg

 ちゃぶ台のバックナンバー全点はもちろん、本誌がもとになって誕生した本、今ぜひ読んでいただきたいミシマ社の本を多数販売しています。
 お買い上げのみなさまに、本展示限定「『ちゃぶ台』をもっとたのしむZINE みかん」をプレゼント!

chabudaiten_mikan.jpgchabudaiten_mikan2.jpg

 編集部も知らなかったデザインの話を、漆原さんにインタビューしました。その名も「目次は強火でチャーハンのように作ってます」。ちゃぶ台の読むのが楽しくなる冊子ですので、ぜひ手に入れてみてください。

「『ちゃぶ台』編集室 in レティシア書房 〜ミシマ社の雑誌ができるまで!〜」は、12月8日(日)まで開催中です。

 先日、なんと著者の内田健太郎さんがいらっしゃり、編集長ミシマとともに、会場からインスタライブを配信しました。周防大島で暮らす内田さんのお話を聞きながら、展示をバーチャル体験できる映像を、こちらでご覧いただけます。

 最後に、本展示に際して、レティシア書房店主の小西さんがこんな言葉を綴ってくださいました。

「ちゃぶ台」は、時々読み直すと、新しい考え方や気づかなかったことを教えてくれるのです。それを可能しているのは、この雑誌の執筆者たちの思想がしっかりしているからなのです。(...)パラパラめくって読んでみて、納得がいったら、執筆者の別の本を読みたくなるはずです。

―note「レティシア書房店長日誌」より

 私たちも、今回、ちゃぶ台の10年をふりかえって展示をつくり、過去のたくさんの記事を読み返しながら新しい発見をたくさんしました。どのバックナンバーをご覧いただいても、「今」と響きあう知見や楽しみやヒントがたくさん見つかる雑誌だと実感しています。ぜひ展示をご覧いただき、この機会に本誌に出会っていただけたら嬉しいです。

ミシマガ編集部
(みしまがへんしゅうぶ)

おすすめの記事

編集部が厳選した、今オススメの記事をご紹介!!

  • 斎藤真理子さんインタビュー「韓国文学の中心と周辺にある

    斎藤真理子さんインタビュー「韓国文学の中心と周辺にある"声"のはなし」前編

    ミシマガ編集部

    ハン・ガンさんのノーベル文学賞受賞により、ますます世界的注目を集める韓国文学。その味わい方について、第一線の翻訳者である斎藤真理子さんに教えていただくインタビューをお届けします! キーワードは「声=ソリ」。韓国語と声のおもしろいつながりとは? 私たちが誰かの声を「聞こえない」「うるさい」と思うとき何が起きている? 韓国文学をこれから読みはじめる方も、愛読している方も、ぜひどうぞ。

  • 絵本編集者、担当作品本気レビュー⑤「夢を推奨しない絵本編集者が夢の絵本を作るまで」

    絵本編集者、担当作品本気レビュー⑤「夢を推奨しない絵本編集者が夢の絵本を作るまで」

    筒井大介・ミシマガ編集部

    2024年11月18日、イラストレーターの三好愛さんによる初の絵本『ゆめがきました』をミシマ社より刊行しました。編集は、筒井大介さん、装丁は大島依提亜さんに担当いただきました。恒例となりつつある、絵本編集者の筒井さんによる、「本気レビュー」をお届けいたします。

  • 36年の会社員経験から、今、思うこと

    36年の会社員経験から、今、思うこと

    川島蓉子

    本日より、川島蓉子さんによる新連載がスタートします。大きな会社に、会社員として、36年勤めた川島さん。軽やかに面白い仕事を続けて来られたように見えますが、人間関係、女性であること、ノルマ、家庭との両立、などなど、私たちの多くがぶつかる「会社の壁」を、たくさんくぐり抜けて来られたのでした。少しおっちょこちょいな川島先輩から、悩める会社員のみなさんへ、ヒントを綴っていただきます。

  • 「地獄の木」とメガネの妖怪爺

    「地獄の木」とメガネの妖怪爺

    後藤正文

    本日から、後藤正文さんの「凍った脳みそ リターンズ」がスタートします!「コールド・ブレイン・スタジオ」という自身の音楽スタジオづくりを描いたエッセイ『凍った脳みそ』から、6年。後藤さんは今、「共有地」としての新しいスタジオづくりに取り組みはじめました。その模様を、ゴッチのあの文体で綴る、新作連載がここにはじまります。

この記事のバックナンバー

12月03日
第43回 なんと「ちゃぶ台」の展示を開催中です! ミシマガ編集部
10月23日
第42回 生まれたて! 新生の「ちゃぶ台」をご紹介します ミシマガ編集部
10月12日
第41回 「30年後」なイベント開催! ミシマガ編集部
03月19日
第40回 『ちゃぶ台13』の特集を発表します! ミシマガ編集部
12月04日
第39回 『ちゃぶ台12』の「捨てない」本づくり? ミシマガ編集部
11月11日
第38回 『ちゃぶ台12』の特集発表! ミシマガ編集部
06月11日
第37回 『ちゃぶ台11』刊行しました~! ミシマガ編集部
06月05日
第36回 これまでの『ちゃぶ台』で「書店、再び共有地」特集に登場したお店を紹介します!(後編) ミシマガ編集部
05月28日
第36回 これまでの『ちゃぶ台』で「書店、再び共有地」特集に登場したお店を紹介します!(前編) ミシマガ編集部
05月21日
第35回 『ちゃぶ台11』、ついに表紙と読み物をご紹介します! ミシマガ編集部
04月22日
第34回 「自分の中にぼけを持て」への旅 ミシマガ編集部
12月13日
第33回 編集部が『ちゃぶ台10』をあつあつに語る(3) ミシマガ編集部
12月12日
第32回 編集部が『ちゃぶ台10』をあつあつに語る(2) ミシマガ編集部
12月10日
第31回 本日発売!編集部が『ちゃぶ台10』をあつあつに語る(1) ミシマガ編集部
11月07日
第30回 校了目前! あたふた編集チームが、『ちゃぶ台10』の見どころを紹介します ミシマガ編集部
09月08日
第29回 雑誌『ちゃぶ台』って、どんなことを「特集」してきたの?(後編) ミシマガ編集部
09月07日
第29回 雑誌『ちゃぶ台』って、どんなことを「特集」してきたの?(前編) ミシマガ編集部
09月03日
第28回 『ちゃぶ台』次号は10号! こんどの特集は「ボゴボゴ」!? ミシマガ編集部
06月07日
第27回 おお!周防大島!合宿 レポート(後編) ミシマガ編集部
06月06日
第27回 おお!周防大島!合宿 レポート(前編) ミシマガ編集部
04月19日
第26回 『ちゃぶ台9』を発刊します。特集発表! ミシマガ編集部
03月06日
第25回 時間銀行って何だろう?――つながりで生きる(後編) ミシマガ編集部
03月05日
第25回 時間銀行って何だろう?――つながりで生きる(前編) ミシマガ編集部
01月26日
第24回 『ちゃぶ台8』刊行記念 榎本俊二×漆原悠一×三島邦弘 鼎談(2) ミシマガ編集部
01月25日
第24回 『ちゃぶ台8』刊行記念 榎本俊二×漆原悠一×三島邦弘 鼎談(1) ミシマガ編集部
11月01日
雑誌『ちゃぶ台』バックナンバー ミシマガ編集部
10月30日
第23回 『ちゃぶ台8』、発売まであと1カ月です! ミシマガ編集部
07月14日
第22回 ちゃぶ台7刊行記念イベント「ふれる、もれる、すくわれる雑誌!?」 ミシマガ編集部
05月26日
第21回 『ちゃぶ台7』を刊行します! ミシマガ編集部
01月11日
第20回 「ちゃぶ台6」各紙で話題に! 読者の方からもぞくぞくご感想が届いています! ミシマガ編集部
11月29日
第19回 非常時を明るく生きる、ってどういうこと? 三島邦弘×Title 辻山良雄(2) ミシマガ編集部
11月28日
第19回 非常時を明るく生きる、ってどういうこと? 三島邦弘×Title 辻山良雄(1) ミシマガ編集部
10月30日
第18回 『ちゃぶ台6』巻頭文を掲載します。 ミシマガ編集部
09月12日
第17回 雑誌『ちゃぶ台Vol.6』を刊行します! ミシマガ編集部
07月15日
第16回 ちゃぶ台編集室レポート(2)コロナの時期の周防大島 ミシマガ編集部
07月14日
第15回 ちゃぶ台編集室レポート(1)コロナの時期の周防大島 ミシマガ編集部
03月15日
第14回 若者は政治に興味がない? ーー2人の学生とちゃぶ台でお話しましたーー(2) ミシマガ編集部
03月14日
第14回 若者は政治に興味がない? ーー2人の学生とちゃぶ台でお話しましたーー(1) ミシマガ編集部
03月03日
第13回 中島岳志さんインタビュー いまの政治のこと、教えてください。(2) ミシマガ編集部
03月02日
第13回 中島岳志さんインタビュー いまの政治のこと、教えてください。(1) ミシマガ編集部
03月01日
第12回 はじめてのアナキズム|松村圭一郎 ミシマガ編集部
02月22日
第11回 移住してみて(中村明珍・内田健太郎) ミシマガ編集部
11月14日
第10回 えっ、みんなでアナキズム!?(2) 近代以前の回路とつながるには ミシマガ編集部
11月13日
第10回 えっ、みんなでアナキズム!?(1) 自分の持ち場でアナキズム ミシマガ編集部
10月22日
第9回 白川密成さんインタビュー ミシマガ編集部
10月21日
第8回 渡邉康衛さん×三島邦弘トークイベント 「本づくりと酒づくり〜ちいさいものづくりで目指すこと〜」 ミシマガ編集部
09月14日
第7回 『ちゃぶ台Vol.5「宗教×政治」号』を発刊します。 ミシマガ編集部
07月19日
第6回 参院選直前特集 タルマーリー 渡邉格さんインタビュー「政治が何かを変えること」は重要だと思わないでいい ミシマガ編集部
05月04日
第5回 「おお!すおうおおしま」レポート ミシマガ編集部
05月03日
第5回 周防大島・宮田正樹さんの畑レポート ミシマガ編集部
11月11日
第4回 もっと菌を!? ミシマ社が考えるこれからの10年(2)「黄金時代がやってくる」 ミシマガ編集部
11月10日
第4回 もっと菌を!? ミシマ社が考えるこれからの10年(1)「未来の種はこんなふうに」 ミシマガ編集部
10月19日
第3回 『ちゃぶ台Vol.4』発刊! ミシマ社メンバーのおすすめ記事紹介 ミシマガ編集部
10月04日
第2回 編集長による巻頭言を掲載します ミシマガ編集部
09月25日
第1回 『ちゃぶ台Vol.4「発酵×経済」号』を発刊します。 ミシマガ編集部
ページトップへ