第29回
「夏の放課後」はまだまだ終わりません! 前編
2022.08.03更新
7月の最後の一週間、私たちは「こどもとおとなの夏の放課後2022」を開催しました!
「学んで、遊べる、居場所がほしい!」をテーマに、学校では学んだことのない、そして、おとなにとってもはじめてのことに全力で挑戦する機会になる、オンラインの4講座が実施されました。
<講座>
●タルマーリー(渡邉格さん・麻里子さん)「菌を育ててピタパンをつくろう」
●土井善晴さん「土井善晴のお料理学校」
●村上慧さん「家をつくる、その前の『アイデア』の練習」
●松村圭一郎さん「はじめてのフィールドワーク」
ライブの講座は終了しましたが、「夏の放課後」はこのあとも続きます!
私たちはこれから、講座内で先生たちが提示した「課題」にじっくり取り組んだのち、8月下旬に「フィードバック会」を行います。
フィードバック会では、提出いただいた課題をもとに、先生からコメントやアドバイスをいただきます。ひと夏を通して、先生たちと参加者が相互にやりとりしながら学びと遊びを深められるのが、このプログラムの醍醐味です。
講座はすべてアーカイブ動画でご覧いただけるため、これからのご参加も大、大、大歓迎です!
ぜひ、ともに課題に取り組み、フィードバック会でお会いできればと願っています。
※課題の提出は自由です。また、フィードバック会もアーカイブや視聴のみ(課題の発表なし)でのご参加が可能です。
すべての講座があまりにおもしろく、ミシマ社メンバーも、先生方のお話や動きに「おお!」と身を乗り出すことの連続。
子どものころに挑戦できなかったこと、「自由研究でこんなことをやってみたかった!」「これを知っていたら、夏休みをヒマだと感じることはなかったなぁ・・・」と思うこと、そして、いまの生活や仕事のヒントになることもたくさん詰まっていました。
今回のミシマガは、ミシマ社若手メンバーが「夏の放課後」各講座のポイントや名場面をふりかえり、フィードバック会についてご案内します!
本日は、新人の西尾と大堀が、村上慧さんと土井善晴先生の講座についてご紹介します!
村上慧さん「家をつくる、その前の『アイデア』の練習」
こんにちは。京都オフィス新人の大堀です!
アーティストの村上慧さんの講座では、「家を作るためのアイデア」をどんどんふくらませる練習をします! 「家を作る」ってどういうこと? そして、「アイデア」はどうやったら思いつくのでしょうか?
村上さんはこれまでに、自分の体を使って、「家」にまつわる実験をたくさんおこなってきました。
手づくりの発泡スチロールの家をせおって日本各地を歩いたり、冬の札幌で電気や火を使わずに生活するために、落ち葉の発酵熱を使った暖房を作って、その上に布団を敷いて寝たり。
講座ではたくさんの写真や映像を見せていただき、自分の住む場所をこんなふうに作れるのか! と、そのアイデアと実行力に驚きっぱなしでした。
とくに、村上さんだけをビニールの筒でおおうオリジナルの「喫煙所」は、周囲の方への配慮とシュールさが両立されていて、わたしの一番のお気に入りです。・・・詳しくはぜひ、アーカイブ動画でご確認いただけたらうれしいです。
(以下イラストはすべて、ミシマ社・長谷川作)
たくさんの具体例を見たあと、実際に私たちも、「〇〇から〇〇を守る家」というお題に沿ってみんなでアイデアを考えました。
私たちは家から何を守ってもらっている? 何から守られたい? ならばどんな家なら守ることができる?
「雷から自分を守る家」
「私からおかしの食べすぎを守る家」
「ねぞうから家族を守る家」・・・
もはや最初の目的を忘れかけて、思いつくかぎりどんどんどんどん広げていく。まさに「家をつくる、その前の『アイデア』の練習」となる、とっておきの時間でした。
毎日「家」に帰ってご飯を食べて寝て、団欒をしたり、ゴロゴロして休んだり、そういう時間っていろいろなものから守ってくれて安心できる「家」があってこその時間だよなあ、"ステイホーム"だって、そもそもホームがなければステイできないしなあと、私は講座を聞きながら考えていました。
この講座の課題は、「〇〇から〇〇を守る家」を考えよう! です。
「〇〇」にあてはまるものの名称としゅつげん場所、しらべてわかった好物や弱点を書き、それから守るためにはどうしたらいいか、考えたことを文章やスケッチでかいてください!
フィードバック会は、8/24(水)19:00からです。講座ではいろいろなアイデアが集まり、「こんなものもありなのか!」と驚いたり、ならこんな家はどうだろう? とよりアイデアが深まったり、とても盛り上がりました。みなさんがどんなふうにアイデアを深めるのか、いまから待ち遠しいです。
こんなにわくわくする宿題、私は生まれて初めてです。夏休み最後の日に宿題に泣く・・・という経験があるみなさんも、この課題なら楽しいことまちがいなし。ぜひ、思いっきり学んで遊べる時間を一緒に過ごしましょう!
土井善晴さん「土井善晴のお料理学校」
こんにちは! 自由が丘オフィス新人の西尾です。
土井善晴先生の「土井善晴のお料理学校」では、毎日の支えになる料理の作り方を、基本中の基本から学べます!
まずは、ご飯の炊き方や味噌汁の作り方から。そして、「焼く」「煮る」「揚げる」という調理法を主軸にして、卵焼き、茄子の田舎煮、とうもろこしのかき揚げなど、季節の食材を生かしたおかずを次々に作っていただきました。先生の手さばきに、目を奪われっぱなしの90分間です!
調理のあいだには土井先生の金言が溢れ、とにかく実践が盛りだくさんなので、レシピ本では捉えることができない、ライブならではのお料理の真髄も学ぶことができます。
私がいちばん驚いたのは、紹介する料理が事前に決まっていたわけではなく、参加くださった方々の様子やリクエストから、土井先生がその場で何を作るか決めていったこと。
先生が参加者さんに、「何か作ってほしいものはありますか?」と問います。
すると、ひとりの子が「とうもろこし!」と。「よし! とうもろこしで作ろう!」 先生はそう答えて、とうもろこしのかき揚げを作ってくださいました。
土井先生は、自然に沿ったお料理をすることが大切だといつもおっしゃっています。
今回の講座でも、夏には夏野菜の味噌汁がおいしい、そして温度は冷たくてもいいんです、と教えていただいたのですが、まさに講座の流れも、そのときの参加者さんとの反応で決まるというのが圧巻で、この講座そのものもお料理のようでした。
この講座の課題は、お料理を作って、「絵」「写真」「文章」などに残そう! です。
土井先生のおすすめは「絵」です。「絵をかくとよく見るから、すごく大事。心にとどめることになるから。写真とるよりも絵をかいたほうが、おもしろいかもしれないね」とおっしゃっていました。
フィードバック会は、8/25(木)19:00からです。土井先生が受講生の「絵」や「写真」や「文章」に触れながら、感想を言ってくださる予定です。みなさんからどんな課題が集まるか、どんな対話があるかによって、ライブ自体も変わっていくのだと思います。そんな、生きたわくわくするお料理講座を、ぜひ一緒に味わっていただけたらうれしいです!
「こどもとおとなの夏の放課後2022」には、個別チケットとともに、全講座の通しチケットもございます。
お料理を作って記録してみる、アイデアを膨らませて絵や写真で表現してみる・・・など、それぞれの先生方のお話はつながりあっていて、講座を越えて取り組むことで学びが深まります!
明日は、タルマーリーさんと松村圭一郎さんの講座についてご紹介します! お楽しみに。
(つづく)