第9回
2.22(ニャーニャーニャー)「猫の日」特別企画! 猫を愛してやまない3人におすすめの猫本を教えていただきました
2019.02.22更新
みなさま、本日は2月22日です。今日が何の日か、もちろんご存知ですよね・・・?
そうです、「猫の日」です! 222という並びを見せられると、「ニャーニャーニャー」とかわいく鳴く猫の姿が、目の前に浮かんで離れませんよね。
というわけで、本日のミシマガジンは、猫の日特集。猫を愛してやまないお三方に、おすすめの猫本をご紹介いただきます!
(2年前の私・イケハタ)
ニジノ絵本屋さん& TheWorthlessさんを突撃!
ミシマ社の猫といえば、『ネコリンピック』の猫ちゃんたち。
その『ネコリンピック』を、「イライラに効く絵本」として、先月の朝日新聞で紹介してくださったのが「ニジノ絵本屋」のいしいあやさん。
"がんばり屋さんほど、イライラするのでは。"
"「にゃ~」と声に出してみると、自然と肩の力が抜けて、良いですよ。"
(元の記事はこちら)
たしかにイライラのやり場に困りがちな大人にこそ、ぴったり!
そしてニジノ絵本屋さんとともに「ニジノ音楽会」というイベントでたびたび『ネコリンピック』を紹介してくれているのが、ジャグバンド「TheWorthless(ワースレス)」のメンバー・わしみごうさんです。
おふたりの活動についてうかがいつつ、おすすめの猫本と猫への愛を語っていただきました!
「ニジノ絵本屋」とは何か?
「ニジノ絵本屋」さんは、その名のとおり絵本屋さんです。東京都の、東急東横線・都立大学駅より徒歩3分の場所にあります。いや、「絵本屋さんです」と書きましたが、絵本を売ること以外の活動もされているようで・・・
−− 「ニジノ絵本屋」とは、なんなのでしょうか?
いしいさん 好きな作家さんや版元さんたちの絵本を届ける絵本専門店でありつつ、自分たちも絵本をつくって出版したり、絵本のパフォーマンスのイベントを開催したりしています。
◎いしいさんについて詳しく知りたい方へ・・・
著書『ニジノ絵本屋さんの本』にて、ニジノ絵本さんの活動や歴史など、「ふんとうき」が語られています。気になった方はぜひご一読を!
「TheWorthless」とは何か
TheWorthless(ワースレス)さんは、日本各地へ演奏に出かけて、街や祭りをにぎやかす5人組(+人形のトートン)の「ジャグバンド」です。わしみごうさんは、ギターとうたをご担当。
またワースレスさんは、絵本とかかわる活動もされていて、「ニジノ音楽会」をニジノ絵本屋さんと共同で企画するなど、絵本の読み語りと絵本から作った曲を披露されています。
さらに、昨年11月には『OPEN Jug Band "TheWorthless"』という、二次元コードを利用することで、目で見て耳で楽しめる「音楽絵本」をニジノ絵本屋さんから出版されました。なんと『ネコリンピック』もこちらの本の中に登場します!
※「ジャグバンド」とは、ギターやバンジョーなどいわゆる「楽器」とともに、身のまわりのものから手作りした楽器も演奏されるバンドのことです。ワースレスさんには、ウォッシュボード(洗濯板)担当のメンバーがいらっしゃいます。
『I'm crazy for a cat more than lover』(ネコリンピックにインスパイアされて作られた曲です!)
−− ワースレスさんとはなんなのでしょうか?
わしみ もともとは、路上や商店街のお祭りに、ピエロやバルーンアートのような大道芸人と同じ枠で呼ばれて、演奏していました。2年前に(いしい)あやさんに出会ったことがきっかけとなって、絵本の活動も始まりました。
−− その活動から生まれた、『OPEN Jug Band "TheWorthless"』が、ワースレスさんの初めての音源作品だと聞きました。
わしみ 絵本とかかわりはじめてから、「初めての音源作品は、CDではなく、絵本にしよう」と決めていたので、それが叶ってうれしいです。
*ワースレスさんは、ネコリンピックも読み語っていただいています。かわいらしいトートンの踊りにも注目です!
いしいあやさん&わしみごうさんおすすめの猫本
◎いしいさんのおすすめ①
わしみ 表紙が本当にかわいいですね。
いしい 友人でもあるふわはねさんが大阪で開催されていた絵本イベントで読んでいて、出会った絵本です。「かわいいな」って一目ぼれしちゃいました。とにかく猫がたくさん出てくる絵本なんですけど、たまに猫じゃないのもまざっています。
−− 探しながら読むと楽しそうですね。
◎いしいさんのおすすめ②
いしい 幻想的なストーリーでありつつ、表現がリアルな絵本です。読んでいると、主人公の猫・えびおのドキドキが、こちらにも伝わってきます。でも、いつも「『うわき』ねこ」と空目しちゃって。
−− 僕もドキッとしました。
いしい でしょう。最初のうちは「児童書でうわき?!」と思ってました(笑)
◎わしみさんのおすすめ①
『伊藤潤二の猫日記 よん&むー』伊藤潤二(講談社 ワイドKC)
わしみ 1冊目は漫画です。伊藤さんは、普段は超こわいホラー漫画を描くんです。この『猫日記』も、ほら、この人がずっと白目だったり・・・でも、猫はホラー的なデフォルメをされていないんです。表情の捉え方がうまいから、ふつうに描いてあるのに、恐怖を感じる。さすがです。
−− こんなにほっこりしない猫マンガははじめて読みました。
わしみ でも、実は描かれている内容は、けっこう「猫あるある」なんです。
いしい リアルすぎてヤバいですね(笑)
わしみさんのおすすめ②
『猫のための家庭の医学 一家に一冊の健康本 2つのコトバで愛猫の健康寿命が延びる』
野澤 延行(山と渓谷社)
わしみ この本は獣医の先生が監修されていて、いかにも「医学書」という感じ。「何をたべさせればいいか」、「どういう部屋づくりをすればいいか」とか、猫と初めて一緒に暮らすときに、最低限必要な情報が入っています。
いしい かわいい写真もありますね。
わしみ そうそう。なんでこの本を選んだのかというと、猫は品種改良によって、人間の好みに合わせて進化させられているのに、人間のフォローはちゃんと進化しているのかが不安だった。だけど、この本に書かれている情報は、以前のものよりかなりアップグレードされています。これから猫を飼う人は、まずこの本を読んで欲しいです。
◎2人のおすすめ
いしい 黄色い表紙がインパクトありますよね。めがねこの顔がヤバい(笑)。読むとハマっちゃいますよ。
わしみ やさしい気持ちになります。絵がかわいいからかな。あとめがねこがやさしいんですよ。読んでみてください。
*いしいあやさんからお知らせ*
ニジノ絵本屋から今年刊行予定の絵本で猫の絵本があります!『野心家の葡萄』の著書でありニジノ絵本屋のスタッフでもある吉家千陽の猫の絵本ですので、楽しみにしててくださいねー!
キャッツミャウブックスさんのおすすめ
続いては猫好きまっしぐらな猫だらけ本屋さん、キャッツミャウブックスさん。キャッツミャウブックスさんは 2017年、東京都世田谷区にオープンした本屋さんで、「猫本だらけ」「保護猫が看板猫として活躍」「ビールも飲める」など、とってもユニークなお店です。
*詳しくはをぜひこちらをお読みください!
『夢の猫本屋ができるまで』井上理津子/著、安村正也/協力(ホーム社)
ミシマ社からは、『ネコリンピック』に加えて、『今日の人生』『奇跡の本屋をつくりたい』も置いていただいています。ネコリンピックはともかく、あとの二冊はなぜ猫本扱い?と思いましたが、「猫が少しでも出てきたら猫本」と認定しているそうで、そう言われてめくってみると、確かに『今日の人生』、猫が登場します。それも何か所も!『奇跡の本屋をつくりたい』もよく見たら、表紙に猫が!
そんな新たな驚きをもたらしてくれるキャッツミャウブックスの店主・安村正也さんに猫本を紹介していただきました。
◎安村さんのおすすめ①
『魔法にかかった男(ブッツァーティ短篇集)』
ディーノ・ブッツァーティ/著、長野徹/訳(東宣出版)
「何人も猫を殺すことなかれ」という掟について書かれ、全ての猫愛好家の溜飲を下げたラヴクラフトの短編「ウルタールの猫」。これに勝るとも劣らず、猫虐待者を不安と恐怖に陥れる短編「騎士勲章受勲者インブリアーニ氏の犯罪」が収められているのが、イタリアの魔術的リアリズム作家の20篇を集めたコチラ。一見「猫本」ではないが、この猫話をきっかけに海外文学や幻想小説に触れてみるのはいかがだろうか。
◎安村さんのおすすめ②
3.11が起きたあの日、海外にいたため体験を共有できず、それについて語ることが憚られると言う知人がいる。この本では、3.11の年に生まれた光少年が猫のエルヴィンに導かれ1900年のパリにタイムスリップし、キュリー夫人が発見した放射性物質の歴史を案内していく。福島に至るまで、"希望の光"はどのように変容していったのか。共有していなくても、知っておくべき物語がここにある。
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猫好きのお三方による「猫本」ご紹介、いかがでしたでしょうか?
本をきっかけに、また猫ちゃんたちの違った表情が見えてきそうですね。
ぜひ、本屋さんでお手にとってみてください*
編集部からのお知らせ
ワースレスさんから愉快な音楽会のお知らせです!
◎TheWorthless ひなまつり絵本音楽会!
日時:2019年3月2日(土)15:00〜 ※30分〜45分を予定
会場:本とコーヒーtegamisha カフェスペース(調布市菊野台1-17-5-1F)
料金:無料(投げ銭制/ご予約不要)