第12回
第5弾 心に残った一節は? ~書店員さんのご感想を紹介します!~
2019.06.05更新
『しあわせしりとり』の発刊から1ヶ月半ほどが経ち、全国各地の書店員さんから本書のご感想を続々お寄せいただいています。
うれしいことも、かなしいことも、日常の出来事を、ひとつひとつすくい上げて言葉にしてくれる益田ミリさんのエッセイ。年齢も性別も地域も越えて支持を集める本書の中でも、特に「心に残った一節」を、書店員のみなさまに教えていただきました!
Q. 『しあわせしりとり』の中で、特に心に残った一節または一篇は?
"もしも空がなかったら、人はむなしいときにどこを見るのだろう?"
(「正しく、空しかった日」より)
毎日特別な出来事は何もないようで実はその時々でいろんなことを考えて、考えて行動して日々続いていること・・・空を見上げていると、自分が考えていた、悩んでいたこともちっぽけなことかもしれないと思い、純粋に空の美しさに心うばわれている自分がいる。ミリさんの文章はいつも私にその時の空気感を思い出させてくれ、そんな自分もいいなと思わせてくれる。
――ナディッフモダン 飯塚芽さん
"人生って、いろいろ"
友だちにも内緒の喫茶店、いいなぁ・・・とうらやましくなりました。お気に入りのお店のお気に入りのメニュー。素敵だなぁ・・・。アップルパイとハイボール、一緒に食べてみたいです。感じの良い話の流れにあの"オチ"は笑ってしまいました。
――東京堂書店 吉野さん
"父の手記は、当たり前だが父が主役だった。ちょっと不思議な感じがした"
(「引き出しの中の手記」より)
この一篇は、読むたびに毎回涙があふれてきます。ミリさんが生まれた日、電話ボックスで「万歳!」と叫んだお父さま。ご存命のときには手記の感想を伝えることができなかったが後悔していない、というところが好きです。
――ジュンク堂書店吉祥寺店 西村梨多さん
"二〇代のほうが、過ぎていく時間への怖さが、断然、強かった気がする"
(「正しく、空しかった日」より)
全部が好きな一篇なのですが、20代を過ぎたミリさんがそうおっしゃるということは、私も30代へと年を重ねた時に同じように思うんだろうなぁと思って何だかじーんとしてしまいました。
――ジュンク堂書店池袋本店 市川真意さん
"一キロならすぐにやせられることがわかったから、もうよいのだ"
(「一キロダイエット」より)
やはり女性だからか、担当ジャンルでもあるダイエット篇が気になりました。一キロならいつでも落とせることに満足する気持はとても共感しました。その先は難しいのに見て見ぬ振りをすることも、よく分かるからです!
――二子玉川蔦屋家電 岩佐さかえさん
"いろんなことがある。いいことも、悪いことも。特になにもなかった日は、いい日に入れている"
(「なにもない今日はいい日」より)
休みの日はなにかしたくてウズウズしています。せっかくの休みなんだから買い物に行ったり映画を観たり、プチ遠出をしたり。とにかく外出したくて仕方ないのですが、そう毎回予定があるわけもなく・・・。そんな日は「もったいなかった・・・」といつも思っていたのですが、この一節を読み、なるほどそういう考えもあるのかと目からウロコでした。
――二子玉川蔦屋家電 松本泰尭さん
"大丈夫じゃないときに大丈夫と言って、自分の言葉に苦しめられたのである"
(「父のいない父の日」より)
受け入れがたい苦しみ、悲しみの中にいた時の自分を思い出して、少し心がしんとした。でも、いつの間にかその苦しみ、悲しみを受け入れている自分に気づき、驚いた。時間が私を助けてくれたのだと思った。
――わおん書房 廣部貴子さん
"いつだって優しい自分の机"
私自身、未だに小学校入学時に買ってもらった机を愛用しています。「自分の机はいつも優しい。向かうとホッとする。」のところが私の気持ちを代弁して下さっているかのようで感激しました。私の成長を見守ってくれた机だからこそこれからも大切にしたいです。
――紀伊國屋書店広島店 山田理紗さん
"明日あさって起こる規模のいいことでじゅうぶんありがたかった"
(「天ぷら屋で星に願う」より)
私も子どものころは、ためる派、今は使う派(お年玉など)だったので強く共感しました。
――大垣書店イオンモールKYOTO店 辻香月さん
"別に並んで座らなくてもいいよね~という大人の暗黙のルールがいい感じである"
(「ほんと。全部が夢みたい」より)
女友達4人、電車では空いている席に散りぢりに座って、降車駅でまた集まって、目的の夜桜見学では綿あめをみんなで「「いいなあ」と思いひと袋をむしりながら食べる感じがホワホワとしていてすてきです。
――三省堂書店池袋本店 早野佳純さん
思わず「そうそう!」とつぶやきたくなる言葉ばかり。また読み直したくなってしまいます!
落ち込んだときや心を落ち着けたいときにも、きっと支えになってくれる『しあわせしりとり』。
まだの方も、ぜひお手にとってご覧ください*
「47都道府県ご当地しあわせしりとりPOP」展開拡大中
ジュンク堂福岡店特製POPを当店のあるフィクサーに依頼したところ、この様なあまりにも素晴らしい出来栄えのものが完成し、のけぞりました。平成から令和へ、新しく生まれた才能もまた、しりとりの如く繋がってゆきます。新時代も、良い本を皆様に沢山お届けできますように。是非ご来店下さいませ。 pic.twitter.com/6nVWBEp4SF
-- ジュンク堂書店福岡店 (@jnkfkok) 2019年4月30日
また、前々回一挙にご紹介したご当地しあわせしりとりPOPも、各地で展開店舗拡大中です。目指せ!つなげ!47都道府県!ということで、展開のお写真など大募集中ですので、ぜひご当地POPにしりとりを描き込んで、TwitterやInstagramなどに投稿くださいませ!(#しあわせしりとり)
ミシマ社メンバー宛に直接画像などお送りくださるのも大歓迎です!
ちなみにミシマ社のInstagramアカウントでは、実写版?しあわせしりとりを日々投稿しています。いつの間にかコメント欄がしりとりでいっぱいに。読者参加型でどんどん「しあわせしりとり」がつながっています!
誰でも参加できてしまう「しあわせしりとり」、みなさんもぜひお家や職場、お友達とやってみてください*
編集部からのお知らせ
【終了迫る!】『しあわせしりとり』刊行記念「みんなでつなごう! しあわせしりとり展」開催中です!
益田ミリさんの最新エッセイ『しあわせしりとり』刊行を記念して、カバーイラストの原画、装丁メイキング資料や作品中の一節などを展示で紹介します。くわえて、益田さんが描き下ろした47都道府県別「しあわせしりとり」ご当地イラストも展示。出身県や気になる県のしりとりをイラストでつないでいきましょう*
みんなの「しあわせ」が「しりとり」でつながるここだけの展示。ぜひ、見て!描いて!お楽しみください。
【会場】ナディッフ モダン〈Bunkamura ブックショップ〉
【会期】2019年4月19日(金)~6月9日(日)
【会場アクセス】
東京都渋谷区道玄坂2-24-1 BunkamuraB1
TEL. 03-3477-9134
【営業時間】
日~木 10:00 - 20:00
金・土 10:00 - 21:00