第54回
『ど忘れ書道』に届いたおはがき
2020.09.07更新
こんにちは、ミシマガ編集部です。
7月17日に刊行したいとうせいこうさんの『ど忘れ書道』が反響を呼んでおります!
活字、音楽、舞台、映画、テレビなど、様々な分野で活躍され、またそのどの分野についても大量の知識を蓄積しているいとうせいこうさん。そんないとうさん、実は「ど忘れ」を連発する一面がありました。
ど忘れしてしまった言葉を思い出すために、その膨大な知識からなんとか手繰り寄せようとしたり、ときにはその知識にはばまれたり(マイケル・「ムーア」をど忘れした時は、「ジョーダン」「ジャクソン」「富岡」・・・と「ムーア」以外のマイケルが大量に頭の中に登場しました)と、あがくいとうさん。
そんな姿が、爆笑と共感を呼んでおります! 本日のミシマガでは、読者の方々からおはがきで寄せていただいた、『ど忘れ書道』への声をお届けします。
●立ち読み不可能
文字だけの本で、こんなに笑ったのは初めてでした。涙を流しながら、腹筋が痛くなるくらい笑いました。書店で、パラパラと読み始めたのですが・・・あまりの面白さに声を出して笑いそうになり、それを我慢しようとすればするほど、顔面が奇妙な感じで崩れてしまうのです。
「立ち読み不可能」と判断した私は、そのまま本を持ってレジへ向かい、購入してしまいました。50代半ばの私にとって「ど忘れ」は決して人ごとではありません。勇気をもらいました。
●コロナ禍対処本としては、ダントツ一位です
なんでこんなものを、本にしちゃうのかな〜。
きっと何かがあるのかな〜。
と、だまされたい気分で買ってしまいました。
電車やバス、待ち合せ中の公共の場では読まないほうがいいですネ。笑ってニタついて困ってしまいます。
コロナ禍対処本としては、ダントツ一位です。
●思い出そうと格闘する姿に元気をもらえた
老化で(私の場合は惚けかも)ほんとに物の名や人名がでてこず、特にこの頃はコロナウィルスに関する横文字は頭に留まらず落ち込むことが多い。書店で"物忘れの本"と注文して店員さんに"ど忘れでしょう"と笑われた私とせいこうさんとはけたが違うけれど、思い出そうと格闘なさる姿に元気をもらいました。私は自分で悩むよりフォローしてくれる人を探した方がいいかもしれない。
●赤の他人の脳内に入り込める
すでに多くのご指摘があると思うのですが・・・
p82「思い出す〜ナベちゃん」に出てくる「フラッフィ」(注:いとうさんが「アナと雪の女王」のキャラクター「オラフ」をど忘れした際に、なんとか思い出そうとして浮かんだ言葉が「ニンジンの人」と「フラッフィ」でした)は、ディック・ブルーナの「ミッフィー」なのではないでしょうか。
多分、いとうさんの脳内で、「ニンジンの人」から、ニンジン→うさぎ→ミッフィーをど忘れしてフラッフィー→カタカナの名前?→オラフ! となったのではないか? と推察しました。このように勝手に「実は」いとうさんはこう考えていたのではないかと赤の他人の脳内に入りこめる爆笑の読書体験でした。
●たいへん幸せな時間
ここ数年ど忘れがヒドい私。同い年うまれのいとーせいこー氏の、きらびやかなど忘れの数々。。。たいへん勇気付けられました。
本書を読んで笑いが止まらず、たいへん幸せな時間を過ごしています。ありがとうございます。
●将来を明るく乗り切る手引書
(・・・)この本は赤瀬川原平の「老人力」につづく、将来を明るく乗り切る手引書なのだろうと思います。短歌や俳句をしたためるだけでなく、「ど忘れ」も書いて人生を楽しむとよいのでしょう。(・・・)
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ご覧いただきましたように、「とにかく笑える」、「勇気をもらえた」という声を多くいただいている『ど忘れ書道』。「ど忘れ」してしまっても、深刻にならずに笑いに結びつけるいとうさんの文章に、私も勇気をもらっております。
また、このコロナの状況にぴったりだとの声もいただいております。「ステイホーム」により息がつまる、テレビをつければ日々コロナについてさまざまな情報が飛び交う今日です。「笑いが免疫力をあげる」という話もあります。ぜひ今こそ『ど忘れ書道』を読んで、リフレッシュの時間をお過ごしください!