第81回
『くらしのアナキズム』、いよいよ発売です!
2021.09.22更新
こんにちは。ミシマ社営業チームです。
松村圭一郎さん新刊『くらしのアナキズム』、いよいよ明後日9/24(金)、全国リアル書店で先行発売となります!
(装丁は『うしろめたさの人類学』とおなじく、尾原史和さんによるもの)
発刊前から注目度が非常に高い本書、書店員さんやメディアの方々からの反響を受けて、なんと発刊前増刷も決定!
国家、民主主義、市場と経済...etc.
社会のしくみが機能不全を起こすいま、人類学の視点から「あたりまえ」を問い直すことで、「くらし」の知恵と力を自分たち自身の手に取り戻す。これからの時代を生きるヒントがつまった、必読の一冊です(本書の「はじめに」をこちらでお読みいただけます)。
今日は、全国各地の書店員さんからお寄せいただいたご感想や、ぞくぞく開催が決定している松村圭一郎さんのトークイベント情報をご紹介いたします。
本書を読みながら、ひとりでいることが当たり前になった日常に恐れにも似た感情を覚えました。
今のままでは私たちは非日常が訪れない限り交わることはないのだと思います。
本書は私たちが日常だと思って接しているあらゆることを見つめ直すきっかけを与えてくれました。読後には政治や経済という言葉を自分自身の生活へと確かなリアリティをもって置換できた感覚がありました。
――紀伊國屋書店 新宿本店・鳥羽遼太郎さん
ひとつも晴れることなく積もっていく未来への不安。分断も、大声をあげることも望まない私たちは、どう一歩を踏み出せばよいのだろうと考えあぐねていました。
しかしこの本を読んでいるうちに、読み終える頃にはきっと、「何かが変わっていく」という熱い手応えを感じました。
まずはお茶でも飲みながら、ゆっくりお話をしたいです。
――考えるパンKOPPE・たけぞえあゆみさん
不純で不真面目なアナキズム論から考える民主主義のあり方がここに。
世界がどんなに変わろうとも、ささやかなつながりの場や、顔の見える関係を築き、人びとが助け合うことが、「よりよき」へと向かう再生への力なのではないか。つまるところ、わたしたちの暮らしを守ってくれるものは、わたしたちより他にないのです。
だれかが決めた規則や理念に従い、大きな仕組みや制度にわたしたちの生活をゆだねて他人まかせにしてしまうのではなく、立ち止まって考え、時には疑い、暮らしをみつめなおし、多様な声に耳を傾けること、そんな「氣づき」を本書は与えてくれることでしょう。
――毎日食堂/MAINICHI STORE・石井ミヤコさん
民主主義は多数決ではない。わかっていたつもりだったのに、それでもまだ自分の中にあった刷り込みと勘違いがボロボロと剥がれ落ちていくようだった。
世界の諸民族のリーダー、エチオピアや中世の日本の市場、村社会のものごとの決め方には、今の私たちからはなぜか遠い言葉になってしまった「政治」「民主主義」「経済」の本質的な姿がある。
自分の居場所を安心で安全にしたい、それだけの願いさえ叶えるのが難しい世の中なら、会ったこともない誰かが変えてくれることを待つのではなく、今いる"ここ"から目の前の人と共に始めるしかない。きっともう、みんな気づいている。
――ON READING・黒田杏子さん
私たちに今必要なのは、一度立ち止まってまわりをよくみること。他人任せではなく一人ひとりが自立して常識的な前提を根底から考え直すことだ。最終的に頼りになるのは大きな組織ではなく、隣にいるふつうの人との小さなつながりであることに気づく必要がある。「大きなシステムはぼくらを単一の物語にとりこみ、思考停止させ、押し流そうとする」という本書の一文の通り、いち個人である私自身が他人任せな環境に違和感なく生きていたことにゾッとした。と同時に、まだ気づいていない人たちに気づいてほしい。できるだけ多くの人に本を手に取ってもらうために書店があり、この本によって改めてあり続けなければならない書店の意義を感じた一冊!!
――Pebbles Books・西本彩さん
熱いご感想が続々とどいています! 本書をどう受け止めたか、どう読んだか、読者のみなさまのお声もぜひお聞かせください。
そして著者の松村圭一郎さんが出演するオンライン配信イベントも盛りだくさん!
それぞれ違ったテーマ、対談相手で開催しますので、いろんな角度から本書について深めていけるのではないかと、私たちもとても楽しみです。
◯10/7(木)19:00スタート
松村圭一郎×藤原辰史(京都大学准教授、『縁食論』著者)
「政治を自分たちの生活にとり戻す!」
市政、府政、県政、国政......絶望しがちな"政治"状況。けれど、政治は政治家たちがやるものだけでは決してない。私たち一人ひとりがくらしの中で実践、実行していけるものがたくさんある。
「二十一世紀のアナキストは政府の転覆を謀る必要はない。自助をかかげ、自粛にたよる政府のもとで、ぼくらは現にアナキストとして生きている」(『くらしのアナキズム』P.12より)
松村圭一郎さんは、新刊『くらしのアナキズム』の中で、政府の支配ではなく、日々の「くらし」から生み出される公共の可能性を論じています。
一方、『縁食論』で、食を通じたゆるやかな公共の姿を提示した藤原辰史さんは、『くらしのアナキズム』をどう読んだのか?
「公と個」「関係性」「パンデミック」といった両書に共通するキーワードを手がかりに、人類学と歴史学のそれぞれの視点から、混迷の時代で「よく生きる」可能性を探ります。
昨年末、『縁食論』の刊行にあわせて開催された藤原辰史×松村圭一郎対談「縁食から世界を変える」で、松村さんからの鋭い質問で「縁食論のその後」が見えてきたように、今度は藤原さんとの対話から「くらしのアナキズムのその後」が現れる!
そのほかも続々!
◯10/25(月)19:00スタート
松村圭一郎×柴崎友香(作家)
詳細は後日お知らせいたします。(主催:代官山 蔦屋書店)
◯11/11(木)
松村圭一郎×松嶋 健(広島大学准教授)
パンデミックとアナキズム~医療崩壊からくらしを再耕する~(主催:ジュンク堂書店 池袋本店)
昨日9月21日に開催した、村瀬孝生さんとの対談「弱さとアナキズム」では、自分たちが作ってきた概念から解放されるのが「ぼけ」/介護保険によって起こる分断/問題を解決する鍵は「巻き込まれる」/人類学と介護の共通点・・・など、さまざまな話題をめぐりました。
アーカイブ動画でもご覧いただけますので、みっちりと詰まった対談をぜひお聴きください。
なお、本対談は『ちゃぶ台8』にも一部を収録予定です。
『くらしのアナキズム』はいよいよ24日(金)にリアル書店で先行発売がスタートします(ネット書店は29日〜発売です)。
たくさんの方に手に取っていただきたい本作。よりよく生きるきっかけとなりますように。