第97回
祝!『書こうとしない「かく」教室』書店先行発売スタート!!
2022.04.26更新
こんにちは。ミシマガ編集部です。
先週金曜日の4月22日、いしいしんじさんの『書こうとしない「かく」教室』の書店先行発売がスタートしました。〈公式発刊日、ECサイトでの販売スタートは28日です〉
カバーを取ってもかわいい一冊
店頭で大きなご展開をいただくなど、書店員さんにも注目を浴びています!
〈サイン本展開店・特典についての情報は、前回の特集記事(4/14掲載)をご覧ください)
三省堂書店神保町本店でのご展開※5/8(日)までの営業です
有隣堂横浜駅西口店
書店員さんのご感想
テーマは「書くこと」ですが、頭に眠っていることばを釣りあげて文章にするという方法、いしいさんのゆったりした時間が流れるような、素直で正直な文章を読んで、なるほどと思いました。自分もことばを釣りあげて、そこから何かが始まるような文章が書けるように挑戦してみたいと思いました。
(ジュンク堂書店 郡司めぐみさん)
かくことをはなした、いしいさんの作家人生回顧録。はなしながら記憶の奥底にあった出来事をどんどん釣り上げていく様が最終章の講義をそのまま実践しているよう。人との出会いで生きている喜びに目覚めていく「得体の知れない若者の自我発見物語」としても興味深かったです。
(ホホホ座 山下賢二さん)
本日のミシマガでは、本書の刊行を記念して各地の書店で開催する「いしいしんじフェスティバル」を紹介します!!
いしいしんじフェスティバル!
『書こうとしない「かく」教室』の前半「午前の部」では、いしいさんがその数奇な半生を振り返りながら、小説をどのように「かいて」きたかを描かれています。
本書といしいさんの小説をあわせて読めば、いしいさんの「かく」ときの心の動きを追体験しながら、名作たちをより深く味わっていただけるはず! そんな思いから、いしいさんの本を集めた「いしいしんじフェスティバル」を企画しました!
「いしいしんじフェスティバル」の看板
いしいしんじフェスティバルのPOPでは、『書こうとしない「かく」教室』に登場する、いしいさんがそれぞれの作品を書いたときのエピソードを紹介しています。
『ぶらんこ乗り』(新潮文庫)
ぼくのなかにトンネルがつながっていて、その暗い奥底に、四歳半のいしいくんがいる。いしいくんは、いまも「大丈夫かな」といいながら、コツコツひとりで書いている。ときどき、いまのぼくが書いているものがそこに届くんですよ。四歳半のいしいくんがそれを読んで、おもしろがってくれたりする感覚もあるんですね。(『書こうとしない「かく」教室』p54)
『トリツカレ男』(新潮文庫)
これは恋愛しているひとにしか書けないでしょう。しかも生まれてはじめての恋愛をやっているひと、ほんとうのことを、全身でやっているひとにしか書けないようなもの。(同p57)
『麦ふみクーツェ』(新潮文庫)
生きるというのは、書いていると楽しいし、きれいにしていると気持ちがいいし、他人がいるから楽しいんだな、と思った。それでどんどん書いていった。そのころ書いていたのは『麦ふみクーツェ』という長編です。(同p58)
『ポーの話』(新潮文庫)
ああ、やっとはじまったなと。はじまったらあとは、つづきを書いていけばいいだけなので気楽なんですが、一個失敗したなと思ったのは、海じゃない。川だった。(同p81)
『みずうみ』(河出文庫)
ぼくは一日も休まずに日記を書いている。日記の描写と、この『みずうみ』の描写というのは、ほぼ双子のようです。まるで「たいふう」が、『ぶらんこ乗り』のなかに必然的に登場したように。(同p96)
「いしいしんじフェスティバル」開催店情報
●紀伊國屋書店新宿本店
●教文館(東京・銀座)
「いしいしんじフェスティバル」は他の書店さんでも、続々ご開催いただく予定です。スタート次第、ミシマ社ツイッターで告知いたします。
まもなくむかえるこのゴールデンウィークは、いしいさんの世界に浸ることをおすすめします!