明日の一冊

2022年8月

壁とともに生きる わたしと「安部公房」NHK出版新書

壁とともに生きる わたしと「安部公房」

ヤマザキマリ

著者が敬愛する安部公房について作品を通して語る考察です。『砂の女』の項に「何者かであろうとする虚しさ」という言葉がありました。ガツガツと生きていたあの頃を回想しながら、今はこう思うのです。「何者でもない、ふつうに親切な通りすがりの人」になろうと。

(ミシマ社サポーター Hamiさん)

2022.08.12

なかなか暮れない夏の夕暮れハルキ文庫

なかなか暮れない夏の夕暮れ

江國香織

好きな本に出てくる人たちが、その本の中で全然本を読んでいないとさみしいと感じます。ところがここでは! みんなずっと本を読んでいます。彼らが読む時間と私が読む時間が地続きならば、読み終えて、忘れて、ぼんやり思い出す、その記憶のなかに、私と彼らは等しく存在している!! うまく言えないけど最高です。

(ミシマ社サポーター サカマキさん)

2022.08.10

古の武術から学ぶ 老境との向き合い方山と渓谷社

古の武術から学ぶ 老境との向き合い方

甲野善紀

甲野先生のファンの人も、その他の人も、心惹かれる一文に出会うはず!

(ミシマ社サポーターさん)

2022.08.08

それで君の声はどこにあるんだ?――黒人神学から学んだこと岩波書店

それで君の声はどこにあるんだ?――黒人神学から学んだこと

榎本空

魂を揺さぶられた。

世界で巻き起こる様々な出来事を見聞きするばすれほど、「当事者」ではない歯がゆさ、うしろめたさ、居心地の悪さを誰しも覚えることがあると思う。だからといって、まったく無関係というわけではなく、「被害」「加害」あるいはその両方に、自分の日常生活がつながっているのも確か。
本書は、日本人である著者が、生きた黒人神学を学び、ブラック・ライヴズ・マター運動などに面するなかで、自らが沖縄に対して抱えていた葛藤にも向き合っていく、小さくも壮大な記録。絶対に読んでほしい。

【お知らせ】8月6日(土)19時~下北沢・本屋B&Bさんで、前田エマ✕武田砂鉄「人生は、当事者になれないことばかり!?」が開催されます。来場/配信 いずれでも参加いただけますので、ぜひ。

ミシマ社 池畑索季

2022.08.05

信仰文藝春秋

信仰

村田沙耶香

「正常」と「異常」の境界をグッラグッラと揺さぶり、ひっくり返し、疑心暗鬼に陥らせてくれる村田沙耶香さんの小説。奇しくもカルト宗教に再び注目が集まっているいま、また違った意味で、それぞれの信念、そしてそれに巻き込み、巻き込まれることのリアリティがものすごい。「そんなアホな」と、ちょっと引いてみると滑稽なことにでも、人は飲み込まれるし、それが「幸福」だとすら思えてくる。背筋が寒くなるけど、現実は、それに覆われている。ぎょっ

ミシマ社 池畑索季

2022.08.03

べつに怒ってない筑摩書房

べつに怒ってない

武田砂鉄

新聞連載エッセイから123本を収録した本書。読んでいるとなんというか、解毒(?)、あるいは解呪(?)、されていく感じがするのです。日常のなかで、モヤッとしつつも雰囲気に流されてなんとなく「そういうこと」にしてしまっていたアレコレ。その一つ一つにツッコミを入れたり、ぐるぐると考察される砂鉄さんの文章にふれるうちに、「あー、そうだった」と素の感覚に戻れる感じ。なんだか少しホッとするのです。安易な「あるある」「わかるわかる」とも違う、砂鉄さんの言葉。ぜひ読んでいただきたいです。

*今週末8月6日(土)19時~は下北沢の本屋B&Bさんで、前田エマさんと武田砂鉄さんによる『動物になる日』刊行記念トークイベントも。来場、配信いずれでも参加可能で、『べつに怒っていない』のサイン本もお求めいただけます。ぜひ*

ミシマ社 池畑索季

2022.08.01

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