![明日の一冊](/img/h2_recommend.png)
2024年7月
講談社文庫
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多和田葉子
言語や国籍に対する私のごく限られた想像力が大きく広げられた小説でした。最近、5歳の姪っ子とひらがなを書く練習をしていたときに、文字を扱えるようになるってすごく世界が広がることだなあと改めて実感することがあったので、余計に心に刺さりました。国、個人、性別の境界線があいまいになってきているこの頃に読みたい一冊です。
(ミシマ社 佐藤)
2024.07.22
ちくま文庫
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高野文子
気の向くままに日常を送る「るきさん」。るきさんの身のこなしも、気持ちも、この本の存在そのものもすべて、なんだか軽やかです。ページごとにパキッと変わる配色と、るきさんとえっちゃんの洋服の可愛さも相まって、ずっと眺めていられます。
(ミシマ社 佐藤)
2024.07.15
CCCメディアハウス
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キム・ハナ/ファン・ソヌ
驚くほど気が合うように見えたふたりだが、一緒に暮らすうちに正反対の性格だと気づく。ケンカをしながらもお互いに信頼できる存在であろうと努力し続ける姿がとても魅力的です。
(ミシマ社サポーター 伊良部恵美子さん)
2024.07.10
講談社
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毬矢まりえ・森山恵
1920年代に源氏物語を英訳したA・ウェイリー版を日本語に訳し戻した作業を、この上なく楽しい日々とふり返る一冊。「らせん訳」と名付けられた行程にはDNA二重らせん構造の塩基の結びつきのように数多の伏線があり、豊かで深くて広い世界が見えてくる。まさに「后の位も何にかは」と思えた。
(ミシマ社サポーター 挾間真美さん)
2024.07.05