明日の一冊

2024年2月

哲学の蠅創元社

哲学の蠅

吉村萬壱

未来の人類研究センター初代メンバーの若松英輔先生とX(Twitter)で絡んでおられるのをちょくちょく見かけ、若松先生の大喜利を求めるかのような問いかけに対する打ち返し方が全部面白いのが気になり始め、お二人のやりとりをむさぼり見るうちに、気がつくと買っていた最初の吉村萬壱本です。自分の取り扱い方の塩梅を、いつかこんな温度感でできるようにゆっくりやろう、と思わせてくれるやさしい本でした。これも怖いと思いながら吹き出しているうちに勝手に助かる、利他本です。

『RITA MAGAZINE』編集協力  中原由貴

2024.02.22

アメリカン・スクール新潮文庫

アメリカン・スクール

小島信夫

未来の人類研究センターの初代メンバーで小説家の磯﨑憲一郎先生が利他研究会で話していた「馬」の話が読みたくて買った本です。読んでいるときは「怖い」と「面白い」がずっと並走していて、何も腑に落ちないまま終わるのに、読み終わると心の友が増えています。向こうは助けようとしていないのに読むとこっちが勝手にどんどん助かる、利他本です。利他学会議Vol.1のパンフレットの表紙の馬をきっかけに作ってもらった馬の看板はセンターメンバーから「ノブオ」と呼ばれています。

『RITA MAGAZINE』編集協力  中原由貴

2024.02.19

クリスマスのまえのよるアノニマ・スタジオ

クリスマスのまえのよる

クレメント・C・ムーア(著)ミスター・ボディントン(絵)坂本美雨(訳)

約200年前に生まれた詩の坂本美雨さんの新訳です。サンタクロースがやってくる夜のわくわくした感じが大好きです。扉の「このほんを『せかいのいいこリスト』にのっているかわいいきみへおくります」というメッセージを自分のこととして受け止めました。

(ミシマ社サポーター 初田和美さん)

2024.02.07

枯木ワンダーランド 枯死木がつなぐ虫・菌・動物と森林生態系築地書館

枯木ワンダーランド 枯死木がつなぐ虫・菌・動物と森林生態系

深澤遊

これはもう『ちゃぶ台12 特集:捨てない、できるだけ』にピッタリと思った。特に山を持ってる方に伝えたい。枯木倒木は、そのままで。生きものの為にまた地球のために。もちろん、できるだけ。

(ミシマ社サポーター 下光博之さん)

2024.02.05

音楽家の伝記 はじめに読む1冊 バーンスタインヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス

音楽家の伝記 はじめに読む1冊 バーンスタイン

ひのまどか

QRコードがついていて、音楽もかいつまんできける「はじめに読む1冊」シリーズ。
女も男も惹きつけるレニーのことがぐいぐいわかる伝記。でも、男性との恋愛が彼の人生の大きい位置を占めていたことがこの本には書かれていないのがフシギ。もう一冊の『親愛なるレニー』(吉原真里著、アルテスパブリッシング)とよみ比べてみたい。やっぱり、天才と暮らすのはラクじゃない。バーンスタインを描いた映画「マエストロ:その音楽と愛」をみて思った。男も女も愛するレニー。妻がだんだん嫉妬でこわれていくようす。でも音楽の中に「思いやり」を感じて、1対1の人間としての愛を再び感じるまで――。ロシア系ユダヤ移民のバーンスタインが戦争、ケネディ暗殺、ベトナム戦争・・・という歴史の中でどう生きてきたかがわかる。映画を観て、伝記をよむ、という循環も読書の楽しみかもしれない。それにしても一人の人生は、一冊では書き切れないほど深く長い。

(ミシマ社サポーター 二井いりなさん)

2024.02.02

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