明日の一冊

2020年5月

日本を襲ったスペイン・インフルエンザ藤原書店

日本を襲ったスペイン・インフルエンザ

速水融

100年前、「スペイン風邪」と呼ばれたインフルエンザが世界中で猛威を振るった。日本国内でも40万人が亡くなった、といわれているのだが、日本でも、世界でも、関東大震災や第一次世界大戦の陰に隠れて、このパンデミックは忘れ去られてしまったのだ。この本は唯一の詳細な「スペイン・インフルエンザ」に関する歴史人口学の大著。出版後14年を経た、コロナ・パンデミックの今、読むべき本として、息を吹きかえしている。

『自分と他人の許し方、あるいは愛し方』著者 三砂ちづるさん

2020.05.29

暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて河出書房新社

暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて

アーシュラ・K・ル=グウィン(著)谷垣暁美 (訳)

なんてすてきなタイトルだろう。昨年他界した「ゲド戦記」の作者、ル=グウィンの生前最後のエッセイ集である。ル=グウィンのエッセイは絶対好きだと思うよ、と友人に言われて読んだが、書いていることすべてに、他人とは思えない親密な感情を呼び起こさせられている。高橋源一郎さんが訳している彼女の「左利きの卒業祝辞」というミルズ・カレッジでのスピーチもすばらしい。こちら、ネットで探すと出て来ます。

『自分と他人の許し方、あるいは愛し方』著者 三砂ちづるさん

2020.05.27

隷属なき道文藝春秋

隷属なき道

ルトガー・ブレグマン(著)野中香方子(訳)

数年前に、かなり話題になったベーシック・インカムについての本である。彼のTEDは実に説得力に満ちていた。「お金がないのことが問題なのだからお金を配るのが一番いい」という考え方。ベーシック・インカム自体はもっと前から議論はあったが、この本を読むと、お金を得ることと働くことをわけてしまってもいいのではないのか、という考え方が頭から離れなくなる。コロナパンデミックの今、あらためて示唆に満ちていると思う一冊。

『自分と他人の許し方、あるいは愛し方』著者 三砂ちづるさん

2020.05.25

身体知-身体が教えてくれることバジリコ株式会社

身体知-身体が教えてくれること

内田樹×三砂ちづる

内田先生は三砂先生について『世の中にはまことに爽快な女性がいるものである』と昔のブログ記事でコメントされていますが、三砂先生の激しくも優しい言葉は、聞いているといっそ爽やかな気持ちになります。そして内田先生もまた、爽快かつ豪快な論を繰り出す方ですので、お二人がグイグイと対談するこの本を読むと、驚きっぱなし、口開きっぱなしになる他ありません。

5/23(土)、三砂先生新刊、『自分と他人の許し方、あるいは愛し方』を発売します!
5/24(日)、内田樹×三砂ちづる対談「自分と他人の許し方」をオンライン開催します!

(ミシマ社 営業チーム 岡田森)

2020.05.21

女たちが、なにか、おかしい おせっかい宣言ミシマ社

女たちが、なにか、おかしい おせっかい宣言

三砂ちづる

現代の人間は生物として不自然な生き方をしている、「なにか、おかしい」という感覚がずっとありました。三砂先生はそこにズバズバと切り込んで、男女の関係や性の話などを通じて、人間の生物としての本来の強さを教えてくださいます。「この力、使わないともったいないよ」と言ってくださいます。なんて素敵なおせっかいなんでしょう。
5/23(土)、三砂先生新刊、『自分と他人の許し方、あるいは愛し方』を発売します!
5/24(日)、内田樹×三砂ちづる対談「自分と他人の許し方」をオンライン開催します!

(ミシマ社営業チーム 岡田森)

2020.05.20

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい河出書房新社

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

大前粟生

5月の上旬、仕事から帰宅したのは21時過ぎ。そこから頑張ってちらし寿司をつくった。ケーキも買って、ぬいぐるみの21歳の誕生日を祝った。小学校3年のときに家に来て、そこからずっと肌身離さず私の近くにいる。荷物の総量と不釣り合いな私の黒く大きいリュックの大半は、いつもこの存在が占めている。いきなりこんなことを書くとたいてい他人からは「怖っ」と思われ、直接言ってくる人もいる。だからとりわけ誰かに言ったりしてこなかったけど、それでも自分にとってはかけがえのない大切な気持ちや存在や言葉があって、この本はそれをただ許してくれているような本だった。私に大切なぬいぐるみがいなかったとしても、私はそう思ったと思う。

ミシマ社 編集チーム 野崎敬乃

2020.05.18

最初の晩餐ちいさいミシマ社

最初の晩餐

常盤司郎

声が聞こえて、人が見える小説です。
〔私の通夜にて〕
●息子たち「母ちゃんの、あれ、うまかったよなー!」
●娘「じゃあ、私が作ってみよーか?」
こんな会話を聞かせてもらえたら、棺の中で喜びます!!

(ミシマ社サポーター Hamiさん)

2020.05.15

辺境中国 ー新疆、チベット、雲南、東北部を行く白水社

辺境中国 ー新疆、チベット、雲南、東北部を行く

デイヴィッド・アイマー(著) 近藤隆文(訳)

地図帳を開き、スマホで民族衣装を調べながら読みました。14カ国と接している中国ですが、地図上に国境はあっても、人々の暮らすところには国境を越えた民族間のつながりがあり、と同時に漢族への敵対心もあり・・・。中国は広く、そして懐が深い国だと感じた1冊でした。

(ミシマ社サポーター 伊良部恵美子さん)

2020.05.13

紙さまの話 ー紙とヒトをつなぐひそやかな物語誠文堂新光社

紙さまの話 ー紙とヒトをつなぐひそやかな物語

大平一枝(著)  小林キユウ(写真)

「クリック一つで消えない、上書きもできず、とんちんかんなほどスローな伝達ツール。そんな紙が、本書の主役だ。」この文章にひきこまれました。やっぱり紙がいいのです。

(ミシマ社サポーターさん)

2020.05.11

One Worldサンマーク出版

One World

喜多川 泰

 9つの短編集ですが、一話一話それぞれ重なり合って、全体として一つの作品になっています。
 少年から大人まで、年齢も性別も違う9人の主人公が壁にあたり、悩み悲しみに向き合って成長していく姿は、行動することの大切さを教えてくれます。

(ミシマ社サポーターさん)

2020.05.08

ぼおるぺん古事記 一〜三平凡社

ぼおるぺん古事記 一〜三

こうの史代

古事記の国生みから神代の時代までを「絵」で訳したマンガ。言葉も訳していなくてそのままなのですが、マンガを読めば分かるので、とても面白く、「これは」と思った人にもオススメしています。マンガのところどころに註もあるので安心です。

(ミシマ社サポーター 深澤香里さん)

2020.05.06

かさねちゃんにきいてみな講談社

かさねちゃんにきいてみな

有沢 佳映

小学生8人が毎日学校へ行く時の登校班の様子を描いた小説です。大きな事件は起きなくても、子どもの世界をリアルに優しく表現しており、情景が想像できるおはなしです。

(ミシマ社サポーターさん)

2020.05.04

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