第89回
ミシマ社、英語をやりなおす(後編)
2025.04.04更新
ハロー、エブリワン! 春ですね〜。新年度、新学期、新生活、季節の変わり目は心機一転、何か新しいことを始めてみたい気分になります。
なかでも「語学学習」はその筆頭ではないでしょうか?
そこでおすすめしたいのが、益田ミリさんのマンガで英語が学べる『みちこさん英語をやりなおす――am・is・areでつまずいたあなたへ』です。
学生時代が終わり、幾年月・・・英語も勉強もご無沙汰の私たちと、現役大学生のデッチさん(学生のお手伝い)で読書会を行いました。
本日は後編をお届けします!
(構成:口羽もえ、長谷川実央)
『みちこさん英語をやりなおす』益田ミリ・著
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【本書のあらすじ】
40歳を機に英語のやり直しを決意したみちこさん。家庭教師をつけていざ始めてみるも「aとtheの違いって?」「3単現のsとは?」など、中1レベルの基礎から覚えてない&わからないことが発覚。みちこさんの勉強はどうなる・・・?
【登場人物】
みちこさん
デパート勤務。一児の母。海外旅行で地元の人と英語で会話してみたい。
島田さん
みちこさんの友達の弟で、英語好きの編集者。英会話本作りのリサーチも兼ねて家庭教師を引き受ける。
【「ミシマ社、英語をやりなおす」メンバー】
スガ:営業。30歳。英語に苦手意識をもつ。島田さんのように先生(塾講師)のバイト経験あり。
スミ:編集。30歳。外語大卒、メキシコに留学経験アリ。勉強は「けっこう好き」。
ハセガワ:仕掛け屋。みちこさんとほぼ同い年。そもそも勉強自体に苦手意識がある。益田ミリさんの本は好き。
モエ:デッチ。大学3年生。
ヤマダ:営業。27歳。自分で言うのもなんだが、学生時代の英語の成績は「けっこうよかった」。
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先生の成長物語
ハセガワ スガくんは曲がりなりにもというか、先生の経験があるんだよね。
スガ 塾講師のバイトをしてました。ちなみに私が教えていた塾だと、英語って最初に担当させられるんです。特に慣れていないうちは、深いこと聞かれなければ僕も「そういうもんだから」って言ってた記憶があるんですけど。
ハセガワ えーっ! 自分は引っかかってたくせに!
スガ ははははっ。
ハセガワ でもさ、そんなに英語が苦手なのにどうやって教えるの?
スガ これはですね、僕がいた塾が持っている「あるメソッド」がありまして。それさえこなせばいいっていう。すっごいシステム的に教えてた(笑)。
スミ スガくんから「システム的」という言葉が出るとは・・・。
スガ 僕は、島田さんがみちこさんの言うことに全部「はっ」とか、リアクションがいいところがいいなと思いました。教える側が学んでいる。
ハセガワ そうそう。島田さんはみちこさんのちょっとした質問でも、「なんでそう思ったんだろう?」って質問の奥にあるその人の考えとか気持ちまで考えようとしてくれてる。
*マンガは右上から左下へお読みください。
『みちこさん英語をやりなおす』p.186-187より
スガ 島田さんの成長物語でもありますよね。最初の頃は「簡単ですよね?」ってみちこさんに言っていたのに。
ハセガワ 物語が進むにつれて、生徒の方に寄り添っていってる。
スミ 私は島田さんの「いい質問ですね」っていうセリフが好きですね。あれ言われたら嬉しいなぁ。
ハセガワ モエちゃんは学校でいっぱい質問する?
モエ それこそこの前、ミシマさんに「いい質問ですね」って言われた気がします。
スミ 企画会議のときね!
モエ 「こんなこと聞いてもいいんだ」って一回安心できるし・・・。
スミ だから、学校の先生とか、塾の先生にも読んでほしいですよね。
ハセガワ 実際、現役の先生から読者はがきが届くことが多いよね。「生徒が何考えてるか気になって読んでみました」とか。あと中学1年生のお子さんがいるお母さんのおはがきも多いかな。子どもと一緒に英語の勉強します、って。
日本語も人生も再発見
ヤマダ このマンガは英語の勉強の話なんですけど、「日本語と英語の違いは?」とか、「そもそも『人称』って何?」みたいな、普段考えたこともなかった言葉というもののおもしろさが描かれているのが印象的でした。
ハセガワ 英語から日本語を見ることで、その良さを再発見するところがおもしろいよね。私は「日本語は失敗できる」っていうのがいいなって思った。
『みちこさん英語をやりなおす』p.76より
ハセガワ 私もみちこさんと同じで、言葉で説明することに苦手意識があったけど、うまく言えなくてもなんとかなるなら、まあいっか、って。
ヤマダ いろんな言語を知ることが視点の豊かさにつながりますよね。
ハセガワ まさにここの内田樹先生の言葉がそうだよね。
外国語の学習というのは、本来、自分の種族には理解できない概念や、存在しない感情、知らない世界の見方を、他の言語集団から学ぶことなんです。
『みちこさん英語をやりなおす』p.143/内田樹『街場の文体論』からの引用
スガ 深い本ですよね。学者さんの言葉も引用されてたり、こんなに哲学的だったんだ、ってあらためて。英語の入門書っていうよりは、「学び」とか「言語」とか、そういうことをやり直すために効果的な本だなって読みながら思いました。
大人の学びは試験に追われない
スガ 最近、地理を勉強しようと思って。久しぶりに図録を買って。
ハセガワ なんで地理? 山登りに行ってるから?
スガ あ、そうですね。これがリアス式海岸か・・・みたいな。
スミ 景色を見た時に何かわかるってすごいことだよね。
スガ そうですよね。名前とか仕組みとか。
ハセガワ そっか、だからより実感を持って勉強できるもんね。ただ暗記するんじゃなくて。
スミ それこそ大人の学びですね。
ヤマダ 大人になったからこそできる感じはありますよね。時間に追われてないから。
ハセガワ 不思議だよね。学生時代のほうが時間はあるのに、テストとか勉強はすごい急かされて。
スミ スガくんが言ったように、ただ「リアス式海岸」って単語を暗記するのと、リアス式の海岸を山の上から見下ろして風景の中で覚えるのとで、やっぱり全然違うじゃないですか、染み込み具合が。学びってそういうことなのかなって思いました。
ハセガワ 自分なりのいい方法を見つけられるっていうのは大きいよね。
スミ そうそう。人生経験があるからこそ、そこに情報がちゃんと絡むっていうか。みちこさんの受け答えを読んでいると、一つひとつそうやって学んでいるなと思いました。だから、学生時代につまんないなって思ってたことも、今やってみたら全然違う響き方をするかもしれないですね。
モエ 今、アルバイトで接客する時に外国の方がすごく多くて、皆さん英語で話しかけてくださるときに、めっちゃ言いたいのに何も言えないんです。身振り手振りで「オッケーオッケー」みたいになっちゃうのがほとんどなので、喋れたらいいなって。「英語を使いたい」って、今一番思ってるかもしれないです。
ハセガワ じゃあモエちゃんもぜひ、みちこさんと一緒に英語をやり直してみてね。それではみなさん、シーユー!
(おわり)