第1回
MSLive!の裏側、お届けします
2020.05.27更新
こんにちは、新人のヤマダです。ミシマ社は、2020年4月より、ミシマ社主催のオンラインライブ(通称 MSLive!)をスタートいたしました。情報があふれ、なにが本当に正しいのかが見えずらくなっている現代社会。そんな時代においては、確固たる信念をもって語られる言葉の価値が、より一層高まっているのではないでしょうか。必要とされている言葉を、待っている人のもとに届ける、ということは、ミシマ社が行ってきた「出版活動の原点」でもあります。そんな信念のもと、この1か月ほど、数々のオンラインイベントを行ってきました。このMSLive!制作室のコーナーでは、そんなMSLive!の概要と、舞台裏をみなさまにお届けできればと考えています。
(MSLive!をはじめた経緯に関して、詳しくはこちらの記事をご覧ください)
まずは、これまで行われたイベントの一部を紹介します。
木村俊介さん連続講座「本を読むということ」
インタビュアーであり、『インタビュー』『善き書店員』『バンド』などの著者である木村俊介さんの連続講座です。木村さんのお話を聞いていると、「人の話を聞くこと」と「本を読むこと」はとても似ていることなのだと感じました。
参加者の方のご感想
・木村さんがゆっくりしたスピードで話をしてくださっているおかげもあって、ひとつずつ、自分の中で咀嚼するように拝聴することができたかな、と感じました。速さを第一に求められない、こういう時間の中に身を置くことが、いまの自分にとって、とても癒やしになっているんです。
・今日も、心に響くことばとたくさん出会えた。それらが波紋を広げ様々に干渉し合い、心地よい小波に包まれているような感覚だ。
・大事な話を聞いているような感覚が常にあり、それが人の大切な部分に触れているような感覚もありました。
(イベント概要ページに、木村さんからのメッセージも掲載してあります。そちらもあわせてご覧ください。)
6月の第2週からは、木村さんの「取材入門」という連続講座を開講いたします。毎週火曜日の19:00から、全4回にお送りします。そちらもぜひご参加ください。
森田真生さん×瀬戸昌宣さん「学びの未来座談会」
独立研究者として長年「未来の学び」を考えてきた森田真生さんと、高知県の土佐町で独自の教育を実践している瀬戸昌宣さんに、これからの教育の在り方についてお話しいただきました。ライブ配信序盤、こちらの不手際でお二人の映像が上手く切り替わらないアクシデントがあり、ご視聴くださったみなさまにはご迷惑をお掛けしました。申し訳ございませんでした。学校が休校になっているこの危機的な状況の今こそ、逆に、これまでの教育を変えるチャンスだとお二人はおっしゃっていました。その熱い思いが画面越しにも伝わってきて、時間を忘れてお二人のお話にひきこまれていました。参加者の方々からお二人に寄せられた質問・相談の数がとても多かったことからも、その熱気がみなさまに伝わっていることが感じられました。
参加者の方のご感想
・本来は京都に行かないと参加できない定期座談会に、岩手から参加できてとても嬉しかったです。刺激的で、悲観や現状批判ではなく、未来の子供たちに対する希望、次の世代に少しでも負の遺産は残すまい、という思いをお二人の議論の中に感じました。
・こんなに、一分一秒が惜しい、一分一秒を無駄にしたくない、一言一句がどこを取っても聞き逃せない、どこを切り取っても未来しかないような座談会は初めてでした。
・考えさせられること、想起することがとても多く、しかも勇気が湧いてくるイベントだった、こういう時期だからこそ、理想やアイデアをいっぱい転がしておこう、というのに大賛成。
(イベント概要ページに、森田さん、瀬戸さんからのメッセージも掲載してあります。そちらもあわせてご覧ください。)
5月31日(日)には、森田真生さんの「数学ブックトークin東京 番外編」をMSLive!で開催します。オンラインながら、これまで、青山ブックセンターで行ってきた、数学ブックトークの空気感を残して開催する予定です。定員数は元の会場と同様の110名で、また、当日紹介する本のうちの1冊は、青山ブックセンターの山下優さんにお選びいただきました。(詳細はこちら)
三砂ちづる先生×内田樹先生「自分と他人の許し方」
三砂ちづる先生の新刊『自分と他人の許し方、あるいは愛し方』の発刊を記念して、三砂ちづる先生と内田樹先生の対談イベントを開催しました。こちらのイベントは、なんと200名を超える方々にご参加いただきました。先行きも見通すことのできず、モヤモヤが募る昨今、お二人の言葉を聞くことができたというのは、私自身にとっても救いとなりました。
参加者の方のご感想
・三砂先生と内田樹先生という豪華な対談をこの時期に拝見できるとは思っていませんでした!日常ではつい忘れがちなこと、無意識の領域になってしまうことをお二人の言葉で身近に取り戻せたような気がして、今一度考える良いきっかけになりました!
・気持ちがとても楽になりました。自分は「正解を求める病」に罹患しているな〜と思いました。自分は自由度が低いなと。心をほぐしていただいたような気がしています。「どうだっていいじゃんマインド」でいきたいと思います。ありがとうございました。
・両先生のお姿、お声を視聴でき、お人柄を知ったことで、本を読むのがより楽しくなりそうです。
こちらのイベント、録画動画をミシマ社の本屋さんショップで販売中です!(詳しくはこちら)
MSLive!の舞台裏:CM問題
ここからは、みなさまに少し、MSLive!の舞台裏をお見せしたいと思います。
オンラインイベントの視聴は、没入感があり、眼精疲労などが予想以上に溜まります。そのため、MSLive!では、毎回、5分休憩を2度ほどとるようにしています。そこで、その時間を利用して、今後のイベントの告知や、出演者の方にまつわる書籍のCMを行おう! ということになりました。
木村俊介さんの連続講座「本を読むということ」の第1回目からそれは行われました。その日は、営業のタブチが司会進行役をつとめ、2年目の営業、スガの作成した白川密成さんのイベント告知動画を流す運びとなっていました。タブチは視聴者の方々の目の疲れを考慮し、「お耳だけでもお貸しいただければ」と言ってCMを流し始めました。しかし、耳をすませていても、10秒間ほど、無音の時間が。そしてその後、「ボーン」という爆音の鐘の音が響き渡りました。CMを作成したスガは、イベントの詳細を文字でだし、最後に栄福寺の鐘が鳴っている様子を映す、というなんとも斬新なCMを作成していたのでした。それを見ていたミシマは「放送事故かと思った」と苦笑い。しかしお優しい木村さんは、休憩明け、「手作り感があって素晴らしい!」とフォローしてくださいました。
その後は、CMのバリエーションを増やそうと、その場でミシマ社メンバーがCMも行うようになりました。
MSLive!のメイン担当であるタブチは、画面共有(Zoomの機能で、出演者が、視聴者に自分のパソコンに映っている画面を見せることができる)なども駆使して、こともなげにCMをこなしていました。
タブチのCM時、視聴者の方にはこのような画面が見えています
そして、迎えた「本を読むということ」の第2回。タブチは私に対して、「今日CMやってみる?」と言いました。MSLive!運営において、タブチの補佐役を任されながらも、大した役割を果たせていないという引け目を感じていた私は、やれるかどうかはさておき、「やってみます!」と二つ返事。いざ、イベントが始まると、CMをやる、という緊張感で木村さんのお話がまったく耳に入ってこない・・・。(後日、参加者の方にお配りする録画動画を見直しました。)そして、あれよあれよという間に休憩時間に。私に任されていたのは、週末に開催するイベントの紹介と、木村さんの書籍の紹介でした。しかし、イベントの紹介が長くなってしまい、書籍の紹介にたどり着いたときには残り1分ほど。そこからは焦ってしまい、自分でも何を言っているのかわからなくなりました・・・。先輩タブチのすごさが改めて身に染みた場面でした。
今後のMSLive!
6月以降も、ミシマ社は積極的にMSLive!を開催していきます! 運営面に関しては、日々、試行錯誤を繰り返しです。その点、みなさまにはご迷惑をお掛けすることもあるかもしれません。ただ、イベントの内容に関しては、自信をもってお届けしています。家にいながら、確かな言葉に触れることのできる、MSLive!へ、ぜひご参加ください。
編集部からのお知らせ
5月29日(金)三島邦弘×大井実さん
「古い仕組みから抜け出し、
これからの仕事をつくる」
をMSLive!にて開催します!
19年前に、小さな総合書店、ブックスキューブリックを創業した大井さん。14年前に小さな総合出版社、ミシマ社を創業した三島。この2人に「古い仕組みから抜け出し、これからの仕事をつくる」をテーマに、これまでの仕事のあり方を見直した点や、逆に変わらず大切にしようとしていることなどをお話しいただきます。
5月31日(日)
「数学ブックトークin東京 番外編」
をMSLive!にて開催します!
長年、東京では青山ブックセンターを舞台に開催してきた森田真生さんのイベント、数学ブックトーク。
今回は、番外編としてMSLive!での開催となります。
ただ、規模感は元の会場の定員数(110名)そのままで、そこにいる空気感をたいせつに、おこなう予定です。規模感は元の会場の定員数(110名)そのままで、そこにいる空気感をたいせつに、おこなう予定です。規模感は元の会場の定員数(110名)そのままで、そこにいる空気感をたいせつに、おこなう予定です。
白川密成さん「坊さんの、ぼーっとする技術・初夏」
イベント動画を期間限定販売中です!
先日、MSLive!で開催されたイベント「坊さんの、ぼーっとする技術・初夏」の録画動画を5月31日までの期間限定で販売中です。栄福寺のご住職である白川密成るさんが「ぼーっとする」ことをテーマにお話しして下さったこのイベント。新緑豊かな遍路道を歩いている疑似体験ができたり、密成さんと座禅体験ができたりと、「ぼーっとする」ことを実践的に体験できるイベントとなっています。
松村圭一郎さんと代表・三島による「『これからのアナキズム』の話」
イベント動画を期間限定販売中です!
先日、MSLive!で開催されたイベント「『これからのアナキズム』の話」の録画動画を6月10日までの期間限定で販売中です。政治の話から、我々が日々自分の持ち場でできることまで、幅広くお話しいただいたイベントです。