第35回
2022年をMSLive!で振り返る
2022.12.29更新
こんにちは。MSLive!担当のモリです。いよいよ今年も年の瀬ですね。
今年は世界にも日本にも、そしてミシマ社にも、実にいろいろなことが起こりました。
衝撃的なニュースも多々ありましたが、そんな時に聞きたくなるのは、やはり著者の方々の言葉でした。
すでに刊行された書籍にとどまらず、いま起きている出来事について教えていただきたい、そしてその言葉を皆様にもいち早く届けたい! と念じた結果、MSLive!で時事的なイベントを多く開催した年になりました。
というわけで、年末特別企画「2022年をMSLive!で振り返る」をお送りします!
ご紹介するイベントは全てアーカイブで見られますので、ぜひ年末年始にお楽しみくださいませ。移動時間に音声で聞くのもオススメです。
では、さっそく振り返っていきましょう。
印象に残った5つのトピックとMSLive!を、時系列順にご紹介します。
①ロシアのウクライナ侵攻
2月のロシアによるウクライナ侵攻は世界中に大きな衝撃を与えました。
しかし、そもそもウクライナとはどういう国で、どういう歴史を経てきた場所なのかあまりに知らないことに気づき、歴史学者の藤原辰史先生と小山哲先生に依頼し「歴史学者と学ぶ ウクライナのこと」を3月16日に緊急開催しました。
お二人の講義と対談は、
・ウクライナは「国」ではなく「地域」で見る
・「歴史を悪用した」プーチンの論文
・この戦争は18世紀まで遡ることができる
など、ウクライナ情勢を歴史から紐解く貴重な場となりました。
大反響だった本イベントは6月に『中学生から知りたいウクライナのこと』として書籍化、刊行記念イベントではお二人に再び対談いただきました。今も深刻な状況が続くウクライナのことを考えていく上で、両先生の言葉は大きな力になります。
②土井善晴先生フィーバー!
3月に土井先生の「おかずのクッキング」(テレビ朝日)が終了して寂しく思っていたのですが、終わってみると今年は土井先生フィーバーの一年でした。
新刊『一汁一菜でよいと至るまで』(新潮新書)が出版され、別冊太陽では土井先生特集が組まれ、10月には『情熱大陸』にご出演!と各方面で大活躍。
もちろん、ミシマ社も一緒にフィーバーさせていただきました。
4月から"DSKC"こと「土井善晴と食を考えるクラス」を半年間の連続開催!
毎月、土井先生のお話をじっくり聞いてクラスメイトのみなさんと交流する、夢のような時間でした。
さらに、中島岳志先生との対談イベントを「料理と利他2022」と「21世紀の「ええ加減」について」2回にわたり開催!
10月にはこの対談を書籍化した『ええかげん論』を刊行しました。
12月には『ええかげん論』刊行記念イベントとして、初の料理番組(!?)「土井善晴と中島岳志の「ええかげんクッキングー」も開催。
まさに土井先生づくしの一年でした。
③小田嶋隆さん亡くなる
ミシマ社が最初期からずっとお世話になっている小田嶋隆さんが、6月24日にお亡くなりになりました。実は、小田嶋さんには2020年にMSLive!に出演いただき、木村俊介さんによるロングインタビューを配信していました。
今回の訃報に触れて、小田嶋さんの声を改めてじっくり聞いていただくべく、復刻アーカイブを配信しました。
アーカイブを聴いて、そして8月に刊行した遺稿集『小田嶋隆のコラムの向こう側』を読んで、小田嶋さんのことを思う夏でした。
④安倍元首相銃撃
7月8日、演説中の安倍元首相が銃撃された事件は、政治家と旧統一教会のつながりをめぐり大きな議論を巻き起こしました。
政治と宗教のことならこのお二人に聞くしかないと、内田樹×釈徹宗「今こそ、政教分離を考える」を8月2日に開催しました。
「政治家が宗教を甘く見ている」「反社会勢力じゃなくて過社会勢力」など目のさめるような言葉が続々と飛び出しました。今なお全容が見えない政治と宗教の癒着ですが、両先生のお話を聞くと考える道筋が見えてきます。
⑤千利休生誕500周年
今年は千利休生誕500周年の特別な年でもありました。
雑誌で千利休特集が組まれたり、各地で千利休の展示が開かれたりと、お茶の話題を目にする機会も多かったのではないかと思います。
ミシマ社でも、11月から来年3月まで「千利休入門の入門 ~季節のなかでお茶を愉しむ2」を開催しています。
千利休の子孫であり、武者小路千家の家元後嗣である千宗屋さん自ら、千利休について教えてくださる講座です。
なぜそんな豪華な講座をミシマ社が配信しているのかというと、実は千宗屋さんが代表の三島の幼馴染であり、そのご縁から実現した奇跡の企画となっております。
千利休という一人の人間を通じて日本の文化の原点が見えてくる、驚きあふれる講座です。
改めて振り返ると、大きな出来事を受けて配信イベントを開催し、それが次のイベントにつながったり、本になって読者に届いたり、どんどん言葉が繋がっていくうねりが起きています。
2023年もこの流れのままに面白いイベントをどんどん配信していきます。引き続きMSLive!をお楽しみいただければ幸いです。