第98回
『書こうとしない「かく」教室』特集第3弾 午後の部「いしいしんじの作文を『かく』」を書店員さんに実践してもらいました!
2022.04.29更新
こんにちは! ミシマガ編集部です。
いしいしんじさんの『書こうとしない「かく」教室』が、昨日(4月28日)公式発刊日をむかえました。
本書の後半にあたる「午後の部」では、「いしいしんじの作文を『かく』」と題し、いしいさんが子どもたちといっしょに文章を「かく」ワークショップの様子が収められています。
小学生のころの作文の宿題、何を書いていいのかわからず、言葉も思い浮かばず・・・そんな体験をきっかけに、大人になっても文章を書くことに苦手意識を持たれている方も多いのではないでしょうか? いしいさんはなぜ、作文を書くことをつらく感じてしまうのか、そして楽しく文章を「かく」にはどうすればいいかを、子どもたちと課題に挑戦しながら伝えています。
いしいさんが伝える「かく」ことの魅力を知ってもらうため、先行発売がスタートした4月22日に、ある作戦を仕掛けました。本日はその模様を、営業スガがレポートします。
書店員さんに挑戦してもらいました!
こんにちは、スガです。
午後の部「いしいしんじの作文を『かく』」では、いしいさんが四時間目の「ことばが動き出すための準備」と、五時間目「『かく』ことと『自分の生』」の2つの授業を通し、課題やビジュアルも交えつつ、文章を「書こうとせずに『かく』」方法を教えてくれます。
いしいさんが小説を書くときのイメージを描かれた絵(ぜひ実物の本でその解説をご覧ください!)
「はし」ということばを膨らませる練習の様子
そのなかで、書店員さんに挑戦してもらったのは、こちらの連想ゲームです。
この連想は、文章を楽しく書き出す方法を伝えるための課題であるとともに、「かく」ことを考えるときに重要なキーワードとなる「自分の心に釣り糸を垂らす」のイメージを伝えてくれます。
そんな連想ゲームに、本書を届けてくださる書店員さんが挑戦してくれました!
書店員さんに、「かく」に釣り糸を垂らしてもらいました
新刊の発売日には、営業メンバーは本が並んでいる様子を見たり、書店員さんに展開のお礼を伝える「発刊行脚」と呼んでいる書店まわりを行います。今回の発刊行脚には下に掲載するシートを持っていきました。
よろしければミシマガ読者のみなさまも挑戦してください
私スガもやってました
書店員さんに『書こうとしない「かく」教室』のタイトルにちなみ、「かく」という言葉からの連想をお願いしました。「ものをかく」というのは「書く」だけではなく、「描く」や「掻く」、そしてそれ以外もあるのではないか、というメッセージが込められている本書の発売日に、書店員さんはどんな「かく」を釣り上げてくれるのでしょうか?
●本屋・生活綴方(横浜市)
まず最初に、『ちゃぶ台8』の「面白い本屋さん」コーナーに登場した、本屋・生活綴方さんにお邪魔しました。ちょうど店主の鈴木さんやお店番(「お店番」は生活綴方さん独自の面白い仕組みです。ぜひ『ちゃぶ台8』をご一読ください)の方々がいらっしゃったので、早速「かく」から連想してもらうようお願いしました。
店主の鈴木さん 「掻く」に近い言葉が多め
三輪舎代表中岡さん(本屋・生活綴方の「監修」でもあります)
「角」に対しての飛車。そして「かけない」「むずい」「つらい」のネガティブワード三連続が印象的。
お店番のキダさん 「耳」のイラストにうならされました
お店番のスナダさん 大分は名字が「賀来(かく)」さんの方が多いそうです
石堂書店(生活綴方さんのすぐ向かいにある姉妹店)の石堂店長
ちなみに「汗をかく」ときの「かく」の漢字は「掻く」です
「書く」「描く」「掻く」「角」「賀来」・・・いろいろな「かく」を釣ってもらいました。それぞれ本当にバラバラで、写真を撮りながら笑ってしまうほど楽しかったです。
本屋・生活綴方のみなさま、ありがとうございました!!
●教文館(銀座)
「いしいしんじフェスティバル」開催中の教文館さん。「いしいしんじフェスティバル」担当の〆野さんにも、「かく」から連想を広げてもらいました。
そうだ!「かき氷」も「かく」ですね!
余談ですが、〆野さんが「描いた」、いしいさんの『且坐喫茶』(淡交社)のPOPがすごくかわいいので、「いしいしんじフェスティバル」に足を運ばれる際には注目です!
〆野さん、ありがとうございました!
「かく」の奥深さに気づかされた一日でした。「かく」を入り口に、初めて会う方にも私やその人自身の個性や体験にふれるお話ができて、貴重な機会でした。また個人的にやってみたいです。
いしいさんは、「かく」ことは「僕たちの生を底から支える」と話されています。読めば書くことへのイメージが一変し、自分で「かいて」みたくなること間違い無しの授業、ぜひ本書を通して体験してください!