第28回
「こどもとおとなの夏の放課後2022」こんな講座がそろいました!
2022.07.12更新
こんにちは、MSLive!運営チームです。夏休みを彩るようなオンライン講座「こどもとおとなの夏の放課後2022」の開催まで、いよいよ2週間となりました! 本日のミシマガでは、全4講座の内容をご紹介していきます。あわせて、本日公開となった講師の方からのメッセージ動画も掲載しています。どの講座も、身近な世界のみかたが変わるような視点が得られそうな講座ばかりです! みなさまのご参加おまちしております。
※「こどもとおとなの夏の放課後2022」の概要やテーマについてはこちらの記事をご覧ください!
7/26(火)タルマーリー(渡邉格・麻里子)「菌を育ててピタパンをつくろう」
パンをつくるのに欠かせないもの、それは、菌の力。
菌を味方につける! そんな夏休みにしませんか?
この講座では、菌の力を引き出すプロであるパン屋・タルマーリーのお二人が、天然酵母でパンをつくる方法を伝授します。
レーズンなどの甘い食材と、空気の中にいる菌。みなさんの身近にある素材から天然酵母を仕込む技を実演しながら、発酵(菌のはたらきによって、食べものが変化すること)の仕組みやうまく発酵させるポイントをレクチャーしていただきます。
そして、参加者はもれなく、レーズン酵母で作るピタパンのレシピがもらえます!
講座を受けたあとは、お話とレシピを参考に、自分たちの身近な食材で菌を育てて、ピタパンづくりをしてみましょう。うまくいってもいかなくても、写真や文章でレポートを送っていただければ、タルマーリーさんがアドバイスをくださいます!
パンづくりをしてみたい子どもも大人も、この機会にぜひ!
<講師からのメッセージ>
菌は人間の皮膚にもお腹の中にもたくさんいて、私たちは菌に助けられながら生きています。
そして昔から菌を利用して発酵食品がつくられてきました。
今回はタルマーリー流パンづくりの基礎を教えます。難しそう・・・と思うかもしれませんが、きちんと手順をふめば大丈夫。
この機会に菌が友達みたいに思えたら、世界がまた違って見えるかも・・・。
格、1971年東京都生まれ。麻里子、1978年東京都生まれ。
2008年、夫婦共同経営で、千葉県いすみ市に開業。自家製酵母と国産小麦だけで発酵させるパン作りを始める。2011年の東日本大震災の後、より良い水を求め岡山県に移転し、天然麹菌の自家採取に成功。さらに、パンで積み上げた発酵技術を活かし、野生の菌だけで発酵させるクラフトビール製造を実現するため、2015年鳥取県智頭町へ移転。元保育園を改装し、パン、ビール、カフェの3本柱で事業を展開している。著書に『菌の声を聴け タルマーリーのクレイジーで豊かな実践と提案』(ミシマ社)、『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』(講談社)がある。
7/27(水)土井善晴「土井善晴のお料理学校」
「夏休みだから
一緒にお料理しながらみんなで考えましょう。
いろんなことがありすぎて・・・
みんななんだかよく分からなくなっているんですね。
だから料理すればいいんです。
料理することで自然とつながれます。
お料理は生きていくことです。
料理は幸せになる力を磨きます。
食べるだけじゃないんですね。
家族が料理して、家族が食べる。
家族は自分。自分は家族です。
お料理がわかればいいですね。」
――土井善晴先生より
土井先生の、「普段の食事はご飯とみそ汁を中心にしたシンプルなものでも良い」という提案は、多くの大人を救ってきました。
そして、学生や子どもたちにも、自分たちの命を守ってくれる食文化としての料理について、長年指導を続けてこられました。
土井先生の講座を受けると、料理をしたくなります。
その喜びをお伝えしたくて、本講座を企画しました。
子どもも大人も、ふるってご参加ください。
<土井先生より、おとなのみなさまへ>
料理する目的って、おいしいものを作るだけではないって、子どもがいればわかるでしょう。毎日しっかり生きていくために作る。みんなで食べて楽しむために作る。家族の料理は自分の都合で「今日はお休み」って言えないんですね。趣味じゃないから。毎日のことなんです。だから何を作るか、家族の基本があればいいですね。家族みんながお料理できればいですね。お料理で嫌な思いをするのはダメですね。お料理はやっぱり楽しいものですね。料理はレシピじゃない。だから、どうするのか・・・。そんなことを考えています。
土井善晴(どい・よしはる)
料理研究家。十文字学園女子大学招聘教授(健康栄養学科/食事学・料理学)、甲子園大学客員研究員、学習院女子大学講師。東京大学最先端化学研究センター「LEARN」客員研究員。和食の観点から「一汁一菜」を提唱。著書に『一汁一菜でよいという提案』『暮らしのための料理学』など。中島岳志との共著に『料理と利他』がある。
7/28(木)村上慧「家をつくる、その前の「アイデア」の練習」
アーティストの村上慧さんと「アイデア」をふくらませる練習をしよう!
村上さんはこれまでに、「家」にまつわる実験をたくさんおこなってきました。
自分でつくった発泡スチロールの家をせおって日本各地を歩いたり(この取り組みは、『家をせおって歩く』という絵本にもなっています)、冬の札幌で電気や火を使わずに生活するために、落ち葉の発酵熱を使った暖房を手づくりしたり。夏の名古屋では、水の気化熱を利用した「自然の冷蔵庫」の仕組みで冷房をつくる挑戦もしています。
この講座では、そんな村上さんと「〇〇から守る家」をテーマに、アイデアをふくらませる練習をします。
雨から、暑さから、騒音から、ナメクジから、悲しみから......
「〇〇から守る家」を自由に考え、スケッチしながら、「家」ってどういうものなのかを知り、アイデアのふくらませかたを楽しく学ぶ、そんな夏を過ごしませんか?
この講座を通して村上さんに教えていただくのは、「つくりかた」ではなく「考えかた」。
自分で考えることのおもしろさを味わったら、一生忘れられない夏になるかも!?
<講師からのメッセージ>
近所でキジバトが木の枝をくわえて歩いていました。巣を作っていたのでしょう。彼らの巣は雛や卵を「天敵から守る家」と言えます。
またこれも最近の話ですが、動かなくなった芋虫を持ちながら、地面を歩いているハチを見つけました。たぶんアナバチの一種で、彼らは自分で掘った穴に芋虫を入れ、そこに卵を産みつけます。孵化した幼虫は、芋虫を食べて成長します。生まれた時からご飯が隣にある、これは「空腹から守る家」と言えそうです。
さて、みなさんにとって「家」とは、何から守るためのものですか? そしてそれはどんな形になるのか、一緒に考えてみましょう。
村上慧(むらかみ・さとし)
1988年生まれ。2011年武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。2014年より自作した発泡スチロール製の家に住む「移住を生活する」プロジェクトを始める。著書に『家をせおって歩く かんぜん版』(福音館書店)、『家をせおって歩いた』(夕書房)、『移住を生活する』(金沢21世紀美術館)などがある。ミシマガにて「自分の地図をかきなおせ」を連載中。
「家をつくる、その前の「アイデア」の練習」詳細 & 申込みはこちら
7/29(金)松村圭一郎「はじめてのフィールドワーク」
「学校が嫌いで、毎日、放課後が待ち遠しくてしかたなかった」そう話す人類学者の松村さん。彼の「フィールドワーク」の原点には、日々の遊びがありました。そのフィールドワークってどうやるの?
ーー写真を撮ってみる? 本を読む? 誰かに話を聞いてみる? 空想する?
外に出かけて、そこにあるものをきちんと「見る」。自分なりに「考えて説明する」。すると、世界がちょっとだけ変わって見えてくる!
そんなとっておきの方法を学びましょう。
<講師からのメッセージ>
文化人類学者も、最初はフィールドワーク初心者でした。でも、その初心者のフィールドワークがけっこううまくいくんです。身近にあるよく知らない人の営み。そこに一歩ふみこんで観察したり、話を聞いたりしてみると、世界の見え方ががらりと変わります。この夏、そんな世界を変えるフィールドワークに挑戦してみましょう。
松村圭一郎(まつむら・けいいちろう)
1975年熊本生まれ。岡山大学文学部准教授。専門は文化人類学。所有と分配、海外出稼ぎ、市場と国家の関係などについて研究。著書に『うしろめたさの人類学』(ミシマ社、第72回毎日出版文化賞特別賞)、『くらしのアナキズム』(ミシマ社)、『はみだしの人類学』(NHK出版)、『これからの大学』(春秋社)など、共編著に『文化人類学の思考法』(世界思想社)、『働くことの人類学』(黒鳥社)。